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(回答先: 奇妙な錬金術、とは、目から鱗。 投稿者 NJ 日時 2005 年 8 月 26 日 02:49:13)
NJさん、どうもです。
拙論をご理解いただきありがとうございます。
利害関係がほとんどなく「郵政民営化」に賛成という人たちのなかには、「財政危機」論に煽られ、郵政民営化で“ムダ使い”が減り財政状況が良くなるのならと思っている人もけっこう多いと思っています。
現状での「郵政民営化」が財政をさらに悪化させる愚策だということを理解すれば、そのような人たちは反対したり疑念を持つようになるはずです。
>財務省官僚に立案させれば、「国債サイクル」を維持する郵政民営化以外の政策が、
>チャンと立てられる、という理解でいいですか。
>、、じゃ、わざわざ財政を余計逼迫させる「郵政民営化」を政策として国会に提出し
>たのは、金融庁なんですか?目的は省益なんですか?
財務省官僚は、現在でもそうですが、日銀を活用してでもとにかく「国債サイクル」を維持します。
それがあまりにもカッコ悪いと思えば、名目GDPが増大する政策やGDPに悪影響を与えないかたちでの税収増大策を打ち出します。
しかし、国民の多くが財政危機だから自己負担が増えるのは仕方がないと思えば、彼らは従来の政策をそのまま推し進めていきます。
(ここ20年間に浸透した価値観をひっくり返さなければならないような政策転換ですから、大きな政治的軋轢も考えられできれば避けたいと思っているはずです)
財務省官僚がわざわざ財政を余計逼迫させる「郵政民営化」を政策としたことについては、『「郵政民営化」法案と財務省キャリア官僚の“思い”』( http://www.asyura2.com/0505/dispute21/msg/672.html )にぽつぽつ書いています。
旧大蔵省(財務省+金融庁)の省益として指摘できるのは、郵政資金が財政融資資金から離れ国会の監視対象でもなくなることで、財政投資資金の不良債権化が表立つことなく「国債管理」のなかに紛れ込ませられることです。
4年前の「財政投融資制度改革」もその一環です。
「財政投融資制度改革」以後、それまで財務省理財局が郵政からの預託金として管理していたものを、徐々に「財投国債」に置き換えています。
これまでの貸し付け形態であれば道路公団でも30年償還ですから、預託金のままの管理が続けば、貸し付け先からの返済が滞ると“明示的に”一般会計(税金・赤字国債)から補填して郵政などの寄託先に返済しなければなりません。
このような失態は、財政融資資金に不良債権なぞないと言ってきた財務省の“失政”を意味します。
財投国債形式になれば、普通国債と同じように60年間償還で管理できますし、いざとなれば日銀に買い取ってもらうことで“失政”を覆い隠すこともできます。
(まさか、財政融資資金の預託金の貸し付けで発生した不良債権を日銀に買い取ってもらうわけにはいかないでしょう(笑))
郵政事業には政治(国会や内閣)の縛りから外れてもらって、財務的連関も政治的監視もない外から「普通国債」や「財投国債」を買うようになってもらいたいというのが財務省官僚の思いではないかと忖度しています。