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(回答先: 銀行は、国家支援により建設業を切ってきた次は、公的資金の番です。 投稿者 hou 日時 2005 年 8 月 25 日 07:49:55)
houさん、どうもです。
>過剰人員問題に触れていないということに疑問を感じます。
今回の『郵政民営化問題1:「資金の流れを官から民に変える」の検証』に対するレスとしては、ピントがズレているというか、まったくの的外れです。
郵政資金が、郵政民営化により政府部門ではなく民間供給活動主体(企業)に流れるという反論をしていただければなければ今回のレスは意味がありません。
>ここで、財投債を無理やり金融庁が選別し、建設業の過剰人員を削減しなくては労働
>者は、ますます年齢を重ね、雇用シフトはますます難しくなるのではないでしょうか?
金融庁が財投債を選別するというのはどういう意味ですか?
将来民営化される郵政金融事業も含めて、それぞれの金融機関が購入できる財投国債の限度額を決めるということですか?
それとも、金融庁が財投国債で得た資金の使途を決めるということですか?
赤字国債であれ財投国債であれ、それらの発行額やそれらを通じて借り入れた資金の使途は、内閣及び与党が責任を負って決めるものです。
(まさか、金融庁に予算決定権限に近い権能を与えようというわけではないでしょ?)
雇用のミスマッチに関してですが、国民経済全体で人手不足ならば、政府が需要を生み出すことで吸収している労働力を減少させ、労働力不足のために成長できない産業分野に移転させる政策も有効ですが、統計的に顕在化している失業者が300万人もいる現状ではそれなりの受け皿を用意しながらことを進める必要があると思っています。
(労働力を遊ばせて失業給付や生活扶助をするより、なんらかの意義がある活動をしてもらって対価を支払うかたちのほうがいいと考えているからです)
「労働経済動向調査(平成17年5月)結果の概況」から、常用労働者について《不足超過幅が横ばい》というデータを示されていますが、それは事業所規模30人以上の事業所(5408事業所)の単純化した判断を統計化したものですから、常用労働者が不足しているかのように見える業種も、実際に業界全体として労働者が不足しているとは言えないものです。
というのは、調査対象が100事業者として、60箇所がちょうどいいと答え、25箇所が労働者不足と答え、15箇所が労働者過剰と応えると、「常用労働者過不足判断D.I.」はマイナス10ポイントになりますが、不足していたり過剰になっている労働者の絶対数そのものは考慮されていないからです。
それぞれの企業の従業員数はばらばらですし、一人の不足も百人の過剰も“不足”と“過剰”にまとめられているので、過剰な労働者数が1万人で、不足している労働者数が3千人でも《不足超過幅が横ばい》という結果になります。
さらに、30人未満の事業所のほうが数としては圧倒的に多いわけですから、そのような小規模事業所の実態を把握しなければ「常用労働者過不足」は不明です。
(「常用労働者過不足判断D.I.」は、時系列推移データとして見たとき、業種別に雇用(就業)環境が良化する傾向にあるとか悪化する傾向にあるという判断の一つとしては利用できます)
>国家による企業選別は、本当はやることではありませんが、銀行から公的金融機関へ
>逃げた企業を追って追跡しなくてはいけないほど、市場のリスク選別機能が破綻して
>いるために郵貯を民営化し、財投債を財投機関債に切り替え、市場によるリスク選別
>企業回復することを目指しています。
「銀行から公的金融機関へ逃げた企業」というのは中小企業金融公庫など政府系金融機関から融資を受けた(受けている)企業ということでしょうか?
そうだとすれば、政治的判断で政府が貸し倒れを覚悟して追い貸しをした側面も強いのですから、そのような政策を決定した政権(与党)の問題です。
(郵政資金や国庫金に貸し倒れを覚悟して融資できる余剰資金があったわけではありません)
政府系金融機関の政治的融資からは10兆円近い不良債権が出そうですが、不良債権化だけではなく、「うまく立ち直ったケース」・「ネコババに近いケース」・「返済の一部として銀行にスルーしたケース」など融資実績をきちんと総括してもらいたいと思っています。
郵貯を民営化しても、普通国債や財投国債を買わなくなるわけではありませんし、買わなくなったらそれこそ財政は今以上に危機的状況になるのではないですか?
また、財投機関債は、建前と違って“暗黙”の政府保証があると受け止めているからこそ機関投資家も購入しているのではないのですか?
税収であれ借り入れであれ、政府がそれで得た資金を何に支出するかは政権与党の権限であり、郵政金融事業とはまったく無関係です。
さらに言えば、政府債務残高が郵政金融事業の資金残高の2.4倍に達し、郵政に流れ込む資金が減少している現状では、郵政に流れ込んでいるお金があるからそれで何かやろうという“誘惑”さえ存在していません。
「郵政資金増加額>赤字国債発行額」が続く場合のみ、houさんらが言うような「資金の流れを官から民に変える」という論も検討の俎上に乗せることができるのです。