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(回答先: 次に予定されているのは「ネオ社会主義」近代 投稿者 あっしら 日時 2005 年 8 月 05 日 16:20:32)
あっしら
【産業の驚異的発展に目を奪われてきたために近代は産業の時代だと考えられていますが、経済論理をきちんと考えれば、
産業活動は、金融家が資本増殖を効率的に進めるための手段でしかなかったことがわかります。】
それはそうでしょうね。
しかし、通貨増殖と言っても、額面を増やせば良いわけではなく、それに見合った財が供給されている必要があります。
そのためには生産を効率化しなければいけません。
金の額面を増加させるだけなら、高利貸しだけをやっていれば良いでしょう。
しかし、財の生産が効率的に進まないと、たとえ額面が増えても、その通貨によって市場で入手できる財の数量や品質かかえって低下することになります。
つまり、財に見合った通貨増殖には失敗していて、かえって通貨は減少しているといえるわけでしょう?
これ以外の方法で、つまり産業資本の育成以外の方法で、本当に通貨を継続的に増殖できる条件が存在するのか、直感的には疑わしく思います。
あっしら
【産業資本の増殖活動が行き詰まった事態を乗り越える新しい手段は、産業を国有化し国家への貸し出しを増大させることしかないようです。】
産業国有化の基礎条件は、その産業資本がマクロ的に見て無価値となること、つまり株券が紙切れになることと、多くの人がそれに気づくことではないですか?
その条件が満たされず、株券に幻想を抱く人が大多数(笑)である限り、産業国有化は国家による民間資本の強奪に見えるために、政治的に実現困難でしょう。
こうい意味での革命は、ソ連崩壊以降の世界では困難ではないかと思われます。
国家が産業資本の所有によって利益を得ることはできないという前提下に、国債の返済原資となる税収をどこから得るのか?
現在の日本のような、莫大な経常黒字を抱え、産業活動の比較的活発な地域でも、税収をある程度以上上げることは、なかなかできるものではありません。
税率が限度を超えると、闇(非登録)経済が肥大するだけです。
遵法精神がまだしも高そうな現代日本ですらも、その兆しが至るところに見られるのではないですか?
非登録経済領域の拡大を暴力的に抑圧することは可能かもしれませんが、それをやると経済活動それ自体が国外に流出し、また人口減少などを招くことでしょう。
そうしますと、少ない税収で多額の国債を借りるわけですから、その通貨での利率は上昇するはずです。
あるいはもっと安定した外貨建ての借り入れになるでしょう。
この黒字のない条件下で高い国債利息を支払っていくと、インフレーションを免れません。
国債金融資本が、そのインフレーションを国債利率によってカバーできるのか疑問です。