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(回答先: もう一つだけ返信します。返信3「奥まった理論」って何ですか? 投稿者 縄文ビト 日時 2005 年 7 月 04 日 07:30:43)
横レス失礼します。縄文ビトさんの以下の文章がちょっと気になったもので。
>J 奥まった理論とは思想的なものが無いということかもしれません。現在でしたらマルクスを越える考え方を作れば民衆は付いてくると考えますが、ワヤクチャさんの書き込みはマルクスを超えていますか?マルクス内ではありませんか、多くの人がマルクス理論に取り付かれました。でも現在は社会主義国の失敗からやり場の無い虚無状態に陥っている、そこではマルクス理論からの反社会をぶち上げたとしても最初は聞いてくれる人はいてもどうにもなら無いということを理解してしまう。たとえ経済苦から自殺者が年々多くなったとしても、マルクス理論ではこの社会を変えられないということを知っているわけです。マルクス理論を越えるものを出してください、あなただったら形而上が理解できると言っているわけですから。
小生は、マルクスが提唱したいくつかの考え方、具体的には、私たちの生活の背後に潜む貨幣システムについて考察した価値形態論、産業革命以降の経済システムと政治システムの成り立ちを考察したいくつかの論文(「経済学・哲学草稿」『資本論』)、人間社会の成立の基盤を歴史的に考察した唯物史観(「ドイツ・イデオロギー」)などは、可能性という面も含めて、いまでもこれを超える思想は出ていないと考えています。
マルクスの背後にはヘーゲルがあり、ヘーゲルの国家論、社会論、弁証法的歴史観を超えるのさえそう容易なことではありません。
レーニン以降のソ連邦や中国の混乱を、そのままマルクスの提示した思想や論理の敗北あるいは限界の露呈ととらえるのはあまりに短絡的であり、それほど多くはないマルクスの主要な著作(さらにいえば、エンゲルス、ルフェーブル、ドゥルーズ、ネグリ、廣松渉や柄谷行人の主要な著作)を読んでいらっしゃるのかさえ疑問に思います。
いってみれば初心者ばかり集めたオーケストラでモーツアルトを聴いて、楽曲を否定するようなものです。
とはいえ、マルクスの著作を金科玉条のように唱えていれば、「経済苦から自殺者が年々多くな」るような現代社会が直ちに改善されるのかといえば、もちろんそんなことはありません。
どのように変えていくかは、現在を生きているわれわれに課せられた課題です(マルクスは同時代のさまざまな事象に対しては対処法を提示していますが、さすがに一世紀以上離れたわれわれの社会についてまで言及していません)。
ただ、繰り返しになりますが、小生はマルクスの残した思想や論理は(すべてとはいいませんが)、この世界をよりよいものに変えていく原理と方法を考える上で十分役立つ、まだまだ使い出のあるものだと思えます。