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(回答先: 国家は死滅するとは? そしてクロイツナハ・ノート 投稿者 ジャン 日時 2005 年 5 月 26 日 23:43:56)
プロレタリア独裁理論は、パリコミューンの分析の中で、
「労働者階級は、できあいの国家機構を簡単に手に入れて、これを自分自身の目的のために動かすことはできない」(フランスの内乱)と語ったが、
マルクス没後にエンゲルスが、プロレタリア独裁と定式化した。
エンゲルスは、マルクスの娘に将軍と呼ばれたという話があるが、おそらく戦略家であったのかもしれない。そして、レーニンは「国家と革命」の中で、そのプロレタリア独裁理論を発展させ、さらにスターリンの一国社会主義宣言と、その後の長期の圧制によって現在のプロレタリア独裁に対するマイナスイメージは不動のものとなった。
もちろん、マルクスにとって、プロレタリア独裁は、国家の死滅への過程にすぎない。
しかし、マルクスが、統治者と非統治者の同一性へと志向し、立法権も行政権も一体となることがより発展的であると考えたことが、かえって、プロレタリア独裁をより強固なものにしてしまった。
戦略的には、革命の利益を守るためのナポレオン敵存在は必要であるかもしれないが、国家形態としてのプロレタリア独裁は、国家有機体としての全体主義に類似する評価しかあたえられなくなってしまった。
マルクスが、克服したはずの社会有機体論は、皮肉なことに、革命後の国家形態において現実的に実現してしまったのかもしれない。