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「一神教徒の強さと危うさ」:9・11以後への序章、訳者のコメ
http://www.asyura2.com/0505/cult2/msg/411.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 11 月 06 日 08:10:20: SO0fHq1bYvRzo
 

(回答先: 9・11以後への序章【9・11解明イスラム・ユダヤ・キリスト教連合】全文和訳 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 11 月 06 日 08:09:04)

「一神教徒の強さと危うさ」:9・11以後への序章、訳者のコメント


しばらく前から、特に9・11以降の米国では、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教の一神教統一への大きな流れが作られているように思えます。
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(参照)
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/389.html
米国指導部にとって、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教はすでに「一つ」ではないのか?
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さらに、私の『超巨大カルト、バチカン』のシリーズでも申しましたが、数十年も前からバチカンでやはり「宗教統一」の方向性が作られています。これらは言ってみれば「上の方の都合による上からの統一」と言って良いでしょう。

しかしここにもう一つ、まだ小さなものですが貴重な別の流れが生まれかけています。先日お知らせしました『9・11真相解明のためのイスラム・ユダヤ・キリスト教連合(MUJCA-NET)』です。前者の「嘘を貫くための統一」に対抗する「真相を究明するための協力」と言って良いでしょう。

現在のところでの評価は非常に難しいのですが、この運動が単に9・11の真相解明に止まらず、その作業を通じて、果たして近代〜現代世界史全体の見直しと、真実に基づく新たな思想潮流を生み出す母胎となりうるのかどうか、注目すべき流れだと思います。


ただ私が今回の作品「9・11以後への序章」(原題:INTRODUCTION POST 9/11:by Kevin Barrett)を訳してみて、少々複雑な気持ちになりました。一神教徒の持つドギツイまでの「強さ」と、逆に彼らが持つ「危うさ」を両方感じてしまったからです。

一神教徒の「強さ」については、イスラム教徒であるケヴィン・バレット、ロジェ・ガロディ(改宗)、キリスト教徒であるデイヴィッド・グリフィン、モルデハイ・ヴァヌヌ(改宗:英国国教)、イズラエル・シャミール(改宗:ギリシャ正教)、ユダヤ人のジョン・サック、ナエイム・ジラディなどを考えてみても、裏切り者と言われようが国賊と言われようが、真実を求めて伝えようとする正直さと意志の強さにはつくづく敬服します。

ヴァヌヌなど10年以上も独房に入れられていて出獄しても一向に「懲りない」わけで、これはもう「どこにいようと自分の横にはいつでも神がついている」という信念が、その姿勢の根っ子にあるのではないか、と思わざるをえません。発見した真実に対して正直であることは同時に神に対して正直であることにつながるでしょう。それを曲げることは何よりも神に対する裏切りであり、何度殺されてもそれだけは絶対にしない、という態度です。

そこへ行くと、根が「無神教徒(せいぜい多神教徒)」である日本人など、やっぱり弱いのかな、という気がします。日本人は自分の住む場所を空間的に離れた場合には途端に気弱になり、自分の属する集団から離れたらもう借りてきた猫みたいになることが多いようです。普遍的な「神」への帰属意識が強い一神教の伝統を持つ民族に比べると、「場所」と「集団」への帰属意識が強い、と言えるでしょう。

だから9・11に関しても「これはおかしい」と(本当は心のそこではそう感じているのに)声を上げる人が少ないのかな。周りに合わせておかないと不安でしょうがない、「真実かどうか、まあ、どうでもイイヤ、そんなこと。みんながこうだと言ってんだし、上からもにらまれそうだから。」ということでしょう。何せ自分の心を見張る「神」などいないのですから。


この文章の著者ケヴィン・バレットは、9・11で最も深刻な影響を受けたイスラム教徒ですので、何としてもその嫌疑を晴らしたい、という意思が非常に強いばかりでなく、それがまさに「神」に対する忠誠そのものになっているようです。そしてキリスト教徒であるデイヴィッド・グリフィンの影響を受けて「9・11真相究明活動」に本格的に乗り出したわけです。その際にキリスト教徒だけでなく何人かのユダヤ人たちも真相究明に携わっていることを知り、昨年キリスト教とユダヤ教の宗教関係者に向けて『アブラハムの伝統の中にいる兄弟・姉妹たちへ』という公開書簡を出して、同じイスラム教徒である医学博士でイスラム学者でもあるファイズ・カーンとともに、『9・11真相解明のためのイスラム・ユダヤ・キリスト教連合(MUJCA-NET)』を立ち上げました。

彼には「9・11真相解明」への意思はもちろんですが、その作業の中からこの三つの一神教の一致点を探り、より高い次元での一致を見出そう、としています。そこにはグリフィンが中心となって提唱する「プロセス神学」の影響がかなりあるようです。(ただ私は神学については哲学と同様にチンプンカンプンで、いろんなサイトを覗いて調べてみても、結局何言ってんだかサッパリ解らない、というのが現状ですが。)

ただ、彼ら一神教徒の「強さ」は、一つ間違えば独善的な「ドギツサ」に変身してしまうでしょう。神学をドグマとして固定しないように見える「プロセス神学」のグリフィンはともかく、極めて純粋はイスラム教徒であるバレットは、熱心さのあまりに観念的に突っ走ってしまいそうな気がしています。それを食い止めるのは何よりも「事実の検証」であり、単に9・11だけではなく、そこから始めて、近代から現代という時代で「事実」とされていることの再検討にまで突っ込んでいけるのかどうか、が、この運動の成否の鍵を握っているように思えます。「ダマシの構造」は9・11で始まったものではないのです。

支配者どもの貪欲と傲慢、その手先どもの狡猾さと暴力、被支配者どもの無知と恐怖の歴史。これは古代社会から本質的には変わらないのでしょうが、近代、特に1898年のメイン号事件=米西戦争以降、国家とマスコミの機能を駆使した本格的なペテンと恐怖の時代がスタートしたように思います。当然ですが、9・11の問題は単にネオコン=ブッシュ政権の問題ではありません。

このような歴史の再検討(文字通りリヴィジョン)にまで突っ込めるのかどうか。そうでなければレオ・シュトラウスの「哲学」を批判しきることなど到底できず、単に観念的に先鋭化した「一神教統一運動」にしかならないし、おそらくそれは途中で崩壊するか、ネオコンとバチカンの路線に組み込まれるだけでしょう。


今回翻訳した文章の中にも、一部「ヤバイな」と感じさせるところがあります。MUJCA-NETのホームページからリンクしているところを紹介した部分で、たとえば『「惑星化(Planetization)」と呼ばれる思想の感動的な復活』とある箇所です。これについては、英語ですが、次のような資料があります。

http://www.newworldpeace.com/Islam.html
AMERICA IS THE NEW ISLAM
Excerpt from the book, Planetization – The Other Kind of Globalization – Bottom Up and Healthy

http://www.newworldpeace.com/
The Planetization Alliance

これらの文章の本当の作者は解らないのですが、どうも日本で例の明治天皇の孫とやらがやってる運動に近いような気がして、というか、要するにニュー・エイジ・ムーブメントの一端としか思えず、気持ちが悪くてしょうがない。

またRadical Sagesというサイトの主催者である『「裏切り者のユダヤ人」を自称するロバート・ラビン』にしても同様です。このラビンはカリフォルニアをベースにした作家活動を続けているということですが、私が調べるたところでは、2003年まで9・11に関してはほとんど何も語っておらず、2004年になっていきなり「真相解明活動」に首を突っ込んでいます。それ以前の無関心を反省して「自分がどうやって騙されていたのか」というような発言を踏まえてなら解るのですが、それは無しです。どうもウサン臭い。

http://www.911truth.org/article.php?story=20040913171631661
9/11 Truth Movement Marches On
by Robert Rabbin

熱心な宗教家の常でしょうが、情熱的な割には根っからのお人好しで、「9・11に関心を持つ宗教家」であれば何でもかんでも受け入れて、結局はスパイだの妨害者の手先だのを招き入れてしまい、空中分解させられるか、あらぬ方向に操縦されてしまう恐れがあるように思います。

また、ユダヤ人でキリスト教への改宗者(ギリシャ正教)であるイズラエル・シャミールと、ユダヤ教徒たちとの間はどうなるのか、シャミールがどのような関わり方をするのか、気になるところでもあります。彼はもっとラディカルですから、9・11だけではなく、現代史、特にイスラエル国家の成立に関しては容赦しないでしょう。


せっかく誕生した非常に興味深い基調な流れです。見守っていきたいと思っています。関係者にはぜひとも「9・11の真相解明」を出発点にして「歴史の真相解明」を求める中から、その真っ黒い歴史とそれとの闘いの中に人間の真実を見出し本物の共存と平和の道を探る方向に進んでもらいたい、と願っています。

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