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(回答先: 11/20のプーチン訪日をひかえ秒読み段階に入った北方領土返還 投稿者 愛国心を主張する者ほど売国奴 日時 2005 年 9 月 24 日 02:29:06)
イラクと北朝鮮が日ロ関係を変える
去る1月10日、小泉首相はモスクワでプーチン大統領と会談した。この会談で、日本の対ロ政策が変わったことが明らかになった。
日ロ首脳会談の結果
対ロ外交の優先順位はこれまで、1、北方領土返還の実現 2、平和条約締結 3、経済協力の拡大だった。ところが現在は、1、経済協力の拡大(特にエネルギー分野)2、北朝鮮核問題の解決が最優先課題で、北方領土と平和条約問題は事実上棚上げされている。具体的にモスクワで何が話し合われたのかを見てみることにしよう。
1、北方領土と平和条約締結問題
両首脳はこの問題について、ほとんど触れなかった。1月10日に署名された日ロ行動計画には、1956年の日ソ共同宣言と93年の東京宣言、2001年のイルクーツク声明の3文書を今後の交渉の基礎とすることが明示され、「早期解決のため交渉を加速する」と記されている。しかし、「努力する」とか「加速する」というのは、これまで何十年も使われてきた表現であり、何の意味もなさない。
2、エネルギー分野の協力
小泉首相とプーチン大統領は、東シベリア・アンガルスク(イルクーツク州)とナホトカ(沿海州)を結ぶ石油パイプライン建設計画の実現に向け努力することで合意した。パイプラインは全長3800km。総工費は50億米ドル以上。日本政府は、このルートが完成した場合、ロシアから「日量100万バレルの原油を輸入する」としている。
これが実現すると、日本の中東依存度は、現在の88%から65%まで一気に下がる。ロシア政府高官によると、日本政府はプロジェクトに50億米ドルまでの融資を実施する準備があるという。日本がこの計画に熱心なのは、言うまでもなく、米国とイラクの対立で中東からの原油供給が不安定化することを怖れているからだ。
一方ロシアにとっては、日本からの資金で極東までパイプラインを敷き、日本以外にも米国・韓国・中国等に原油が輸出できるという理想的なプロジェクトである。
3、北朝鮮の核問題
小泉首相とプーチン大統領が会談する直前、北朝鮮はNPT(核拡散防止条)からの脱退を宣言した。そこで両首脳は、北朝鮮の決定を非難する内容を急遽日ロ行動計画に盛り込んだ。
行動計画には、「両国は、北朝鮮の声明について、遺憾の意と深い懸念を表明する」「北朝鮮によるかかる意向の速やかな撤回ならびに即時かつ完全なIAEA(国際原子力機関)との協力等を求めたIAEA理事会決議の速やかな履行が不可欠であることを確認する」等の内容が記されている。
日ロの利害が一致
日本とロシアの関係はどのように変化したのだろうか? 投資(お金)が欲しいロシアはこれまでも、常に日本との関係改善を志向してきた。ところが日本は、「全ては4島返還の後」という姿勢を崩さなかった。日ロの貿易額は、日米の40分の1、日中の20分の1で無視できる規模。要するに日本は、ロシアを重視していなかったのである。
ところが日本政府は、イラク問題でロシアの原油を、北朝鮮問題でロシアの政治力を必要とするようになった。日本は今後、領土問題よりも経済協力を軸に対ロ外交を展開せざるを得ない。しかし、長い目で見れば、それこそが領土問題解決の最短距離なのである。幕末の薩摩と長州の例を挙げるまでもなく、「経済的利益」抜きの関係改善などあり得ない。
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