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占領時代日本の主権や対外関係
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投稿者 あっしら 日時 2005 年 9 月 07 日 01:32:33: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 御教示に感謝します。しかし・・・    投稿者 西岡昌紀 日時 2005 年 9 月 06 日 18:04:57)


● 占領時代の日本

ポツダム宣言の受諾から降伏文書の調印を経て法的に確立し、サンフランシスコ講和条約の発効で正式に終結した占領時代をどのような状態と見るかについて簡単に述べます。

降伏の形式についてですが、ポツダム宣言及び降伏文書に占領統治の在り方(連合国と日本のあいだの権利及び義務)が規定されておりそれを受け容れたのですから、日本国の降伏が条件付き降伏であったことは間違いありません。
(日本の軍隊は明示的に無条件降伏しています)


降伏文書を「休戦協定」と見る立場もありますが、軍隊の武装解除のみならず再軍備につながる産業活動の否認により軍隊の不在が明示されているので、「休戦協定」とするより「占領受け入れのための条約」と見たほうが明確だと考えています。

「休戦協定」と見ないことから、戦争状態の一つの形式として占領時代を捉えるのではなく、戦争後の処理過程にあった時代だと捉えています。


国際法で占領を規定したものはハーグ陸戦条約ですが、それは、戦争(戦闘)状態のなかで軍事制圧した地域の統治に関するものですから、国家そのものが降伏し占領を受け入れた状況には適用しにくい国際法です。
(占領者に占領地における公共の秩序維持と民生の回復を義務付けた部分などハーグ陸戦条約の基本的な内容は、日本の占領にも適用されるものです)

ハーグ陸戦条約が連合国の日本占領統治にもそのまま適用されるものであるなら、「占領者は占領地の法律を改変してはならない」という規定により、連合国(GHQ)が日本政府に憲法の改正を強制することは不法行為となります。
しかし、降伏文書の基礎となったポツダム宣言は日本の“民主化”や“非軍事(平和)化”を求め、日本国政府もそれを受け容れたわけですから、「占領者は占領地の法律を改変してはならない」というハーグ陸戦条約の規定を棚上げにする要素が降伏文書にはあります。
このことからも、占領時代の日本にトータルに適用されるべき国際法は存在しておらず、日本と連合国のあいだで締結された条約(降伏文書)が占領の在り方を規定し、降伏文書に書かれていないことはハーグ陸戦条約の規定が適用されると考えています。


「当時の日本は、占領下にあっても立派な主権国家であった」という捉え方ですが、日本と連合国が相互に受け入れた条件を現実化するために連合国が占領すると明示されるとともに連合国は日本民族を奴隷化したり国民として滅亡させることはしないとも明示されているのですから、当時の日本は、形式的に主権を認められた国家もしくは過渡的主権者を上位に置く制限主権国家と定義するにふさわしいものだったと考えています。(いずれも、Occupied Japanで表現できるもの)

「東條元首相らの「A級戦犯」を「政治犯」と見なす事は無理ではないか」という部分ですが、連合国(GHQ)が最高統治権者として日本を支配していたなかで、罪刑法定主義に反して政治的に処断されたという意味で「政治犯」だったと考えています。


>「A級戦犯」を拘束した行為は、当時の日本が、主権を保持して居たにも関わらず行
>はれた不法行為だったのであり、私は、これは、当時、日本と米国が、法的には戦争
>状態に在った事の証明だと愚考しますが、いかがでしょうか?

不法行為であることには同意ですが、連合国の下位に置かれた制限主権ですから、そのような主権の保持と戦争状態を

軍隊の武装解除と再軍備条件放棄を受け容れている国家が他の国家(群)と戦争状態にあるとは言いがたく、戦争の後処理が未了の状態と捉えたほうがいいと考えています。

※ ドイツの降伏

「ドイツの様な無条件降伏ではありませんでした」という説明ですが、イタリアは無条件降伏だったと言えますが、ドイツは、ナチス(ヒトラー)が玉砕ないし自滅政策をとって政府が不在状況でドイツ軍が交渉にあたった降伏ですからドイツ軍の無条件降伏と言うことができ、日本軍の無条件降伏に似たものだと受け止めています。

このあたりは、フセイン政権が統治を放棄することで生じた米国のイラク占領にも関わってくる問題だと思っています。

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