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(回答先: 感情論では解決できないでしょう。 投稿者 大鷲猛牛 日時 2005 年 5 月 23 日 12:15:29)
大鷲猛牛さん、はじめまして、こんにちは。
横レスにて失礼します。
小泉首相の靖国神社参拝は明らかに国内問題ですし、問題解決の当事者は他ならぬ日本国民でしょう。けれども、現行憲法が規定する政教分離の原則からは為政者たる首相の行為が憲法違反にあたるのは明白です。また、靖国神社の設立の経緯からみても、太平洋戦争の戦死者を祀ることまでを含むのは明治の東京招魂社以来の系譜を引く人達によってなされて来た拡大解釈であって、最早元々の設立の主旨が穿つレンジを逸脱してしまっています。勿論、岩井益子さんの陳述書にあるように遺族の皆さんの感情（心情）的なものは依然として残るでしょうし、それを受けとめる先として民営の靖国神社が存在することには現憲法に照らし合わせてみても異論はありません。ただし、どのように言い繕っても、現職の国会議員、とりわけ国務大臣が参拝することは憲法違反になるのは言辞を要さないでしょう。
さて、小泉首相の靖国参拝にたいする今回の戦犯合祀に纏わる中国の批判については、これまた頗る政治的思惑絡みのことであるのは明らかでしょう。無論、心の奥底では中国の批判を撥ね付けていても構いません。でもそれだけでは大人同士の交渉を闘い抜いていくことはでき得ません。靖国参拝が今後の日中交渉に不利益をもたらすと推断するのならば当然ながら取り止めるべきです。その決断に関し国民を説得するのは首相や政府の責務ですし、そのことに怠慢であったり不誠実であったりしてはなりません。しかし、現政府首脳にそのような対応を求めることが可能かというと、些か悲観的にならざるを得ません。
極東軍事裁判による裁定に委ねて、我々日本人は戦中・戦後派を含めて自ら敗戦責任を問うことなしに来てしまった歴史を引き摺っています。本来ならば、自らの手によって戦争責任の糾弾がなされ、合祀を含む問題に判断が下されるべきだったのですが、そうはできなかった悔恨の情を戦後の日本人は心の奥底に秘めていると想われます。ですから、中でも戦犯の合祀は戦中派による極東軍事裁判にたいするささやかな抵抗のようにも映ります。当然なことに問題解決の当事者は日本国民ですし、感情論を退けてこの辺りに起点を求めて取り掛かる必要があると思量しています。
また、会いましょう。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。