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やはり決めたのはオプス・デイだった(LAタイムズ、エル・ムンド)
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投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 4 月 21 日 06:55:46: SO0fHq1bYvRzo

やはり決めたのはオプス・デイだった(LAタイムズ、エル・ムンド)


ヨハネ・パウロ2世が死亡した前後の予想では、どの枢機卿も決定的な、あるいは図抜けた支配力を持つ者はいない、ということになっていました。そうなるとコンクラーベはなかなか終わらずに3日、4日と続く可能性があり、その中で多数派工作と妥協が進んでいくだろう、というのが大方の予想だったのです。

私はオプス・デイの思惑次第で決まるだろう、と考えていたのですが、4月20日付のロスアンジェルス・タイムズの記事に次のように書いてありました。(一部のみを引用して訳しますので、興味があれば全体をお読みください。有料、あるいは会員制ではありませんので自由にアクセスできるはずです。)

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Controversial Opus Dei Has Stake in Papal Vote
http://www.latimes.com/news/obituaries/la-fg-opus19apr19,1,7898975.story?ctrack=1&cset=true

【前略】
Others note that for the first time, two of the 115 voting cardinals — Julian Herranz of Spain and Juan Luis Cipriani Thorne of Peru — are members of Opus Dei, giving the group the ability to work inside the conclave.
他の者たちは当初、115名の選挙権を持つ枢機卿たちの2名――スペインのフリアン・エランスとペルーの筆頭司教フアン・ルイス・シプリアニ――がオプス・デイのメンバーであることに注目した。この教団のコンクラーベの中で働きかける能力を認めながら、である。

"They have a chance to lobby the other cardinals from an inside position," said an official with a lay organization that has close ties to the Vatican. "Opus Dei has international connections, they know many cardinals, are appreciated by some. They are entitled to talk to cardinals, to invite them to dinner, all with authority."
「彼らは内部の立場から他の枢機卿へのロビー活動をするチャンスがある。」バチカンに近い筋の信徒組織の役員はこのように語った。「オプス・デイは国際的なコネクションを持ち、彼らは多くの枢機卿を知っており、その一部から評価されている。彼らはあらゆる威光を使って枢機卿に話しかけて食事に誘う資格を持っている。」

【中略】
But recently, several Italian newspapers breathlessly reported that the two Opus Dei cardinals were throwing their support behind the candidacy of Cardinal Joseph Ratzinger, a German-born traditionalist who has served as chief enforcer of church doctrine for two decades.
しかし最近になって様々なイタリアの新聞が大慌てで、オプス・デイの枢機卿がヨゼフ・ラツィンガーの後押しをしていることを報道した。彼はドイツ生まれの伝統主義者で20年のあいだ教会教義の強制執行人として仕えてきたのだ。

【後略】
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どうりで、たった1日半でスンナリ決まったはずだ。上のLAタイムズには「最近になって」と書いてあるのですが、具体的に言うと、およそ1週間ほど前からスペインのエル・ムンド紙が急にラツィンガーを候補の一番手として紹介し始めたのです。(見出しのみ紹介)

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エル・ムンド:2005年4月13日
El cardenal alemán Joseph Ratzinger se coloca a la cabeza de las quinielas de 'papables'
ドイツのラツィンガー枢機卿が「教皇レース」の先頭に立つ
http://www.elmundo.es/elmundo/2005/04/13/enespecial/1113392760.html
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私はこのイタリアでオプス・デイがラツィンガーのバックに回った、という情報を知らなかったため、何か奇妙だな、とは思ってやはり決めたのはオプス・デイだった(LAタイムズ、エル・ムンド)いたのですが。この記事にはオプス・デイのことは全く書いておらず、『40から50の票は固めている(当選には77票必要)で、長引けば有利になる可能性が高い』という内容で書かれていました。おそらくエル・ムンドはイタリアからの情報で、オプス・デイがやはり決めたのはオプス・デイだった(LAタイムズ、エル・ムンド)後ろについたことで、その影響の強い票をかぞえたのでしょう。


私は、今回はオプス・デイ自身が表に出ることは無いだろう、誰のバックに回るのかで決まるだろう、と考え、それが「保守派」か「リベラル派」か、欧州か中南米か、若いか年寄りか、と考え、最初は単純に「保守派」の延長だ、本命は中南米の若い層だが欧州の年寄りも「つなぎ」としてありうる、と考えて、ラツィンガーを「穴馬」として挙げておきました。
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http://www.asyura2.com/0502/war68/msg/980.html
ヨハネ・パウロ二世が重体:直前大予想!次期教皇は誰か?
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ところがその後、いつも裏をかくのが得意な相手なので今回は裏に回ったら、見事に振られて相手は実にストレートにやって来ました。(冷汗)

ただ、冷戦の時代は「反共」で一致してオプス・デイが彼を強力にサポートしていたのですが、ラツィンガーの「保守主義」とオプス・デイの「保守主義」はその中身がかなり異なり、敵対的な部分もいくつかあります。ひょっとしたら、どうせ短期政権になるのだからとりあえずこのウルサ型の「保守主義者」を教皇に祭り上げておいて、政治日程の一つのメドである2015年までに「次」を取ろう、と判断したのかもしれません。あの男がいる限り「リベラル派」教皇を作ったりすると欧州の司教会が分裂しかねない、とでも恐れたのでしょう。


しかしこういった報道を見ていると、各国の新聞はオプス・デイの正体をかなりの深さで知っており、決して普段は報道しないものの、常にその動向に注目している、ということが分かります。

エル・ムンドは新聞の姿勢としては米国リベラルに近く(昨年の米国大統領選の直前に米国のヒスパノ・アメリカンに対してケリーへの投票を社説で呼びかけた)、「保守的カトリック」には厳しい報道をしています。

次の記事などでは、「進歩派」の落胆と怒り、「保守派」の大喜びを記事にしているのですが、ここでもオプス・デイが槍玉に挙げられています。
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La elección del nuevo Papa divide a progresistas y conservadores
『新教皇の選出は進歩派と保守派を分裂させる』(エル・ムンド:2005年4月20日)
http://www.elmundo.es/elmundo/2005/04/20/enespecial/1113961263.html
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翻訳する時間は無いのですが、所々をご紹介します。まずベネディクト16世の就任をオプス・デイとブッシュが褒め称えていることを取り上げ、次にこのラツィンガーから追い出されて僧職をやめざるを得なかったブラジルの「解放の神学者」レオナルド・ボッフの語る「この教皇を愛するなどできない」、同様にスイスの「進歩派」神学者ハンス・ケンクの「この選出は巨大な過ちだ」という談話を載せています。そしてその一方でオプス・デイが「大満足」している様子を紹介しています。


各国の新聞の報道振りは別にして投稿します。

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