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(回答先: 北朝鮮の南進を容易にするためにユダヤ・ネオコンが着々と進める在韓米軍の弱体化。 投稿者 ブッシュ親子の自作自演テロの11 日時 2005 年 4 月 18 日 22:16:27)
米国の対日政策を読む
米国ブッシュ新大統領の経済顧問リンゼーは、米国バブル崩壊と混乱を懸念して「強いドル」の必要性を説いている。新年早々からの円安ドル高局面 はこの現れと考えて良い。いっぽう米国防総省『アジア二〇二五』の内容には、米国の近未来を政策を予見する興味深い内容が盛り込まれている。これを簡単に見てみよう。
アジア二〇二五
『アジア二〇二五』は国防総省が提出した軍事国防分野での中期的展望である。二五年先のアジアがどう変化し、その結果 として米国がどんな状態に追い込まれるかを予測したものだ。
この報告書は米国防総省の伝説的戦略家アンドリュー・マーシャルの発意で実施されたものだ。マーシャルという人物は、国防総省長官官房付属相対評価室という組織を率いてきた。この相対評価室は、米国の相対的優位 (あるいは劣位)を評定するために一九七三年に作られたもので、マーシャルはこの組織を延々二七年間も率いてきた。ニクソンからクリントンまで六人の大統領に仕え、八〇歳近い高齢にも関わらず国防総省は彼を手放せない。この伝説の男の発意で生まれた『アジア二〇二五』の内容と、その奥に隠された米国の意思を再度吟味してみる必要がある。以下をご覧いただきたい。
〔前提〕 二〇二五年までのアジアの将来には「非直線的」事態が意外に早くやってくる可能性がある。
〔火薬庫〕 北東アジアから東南アジア、インド、中央アジアに移る。
〔溶解する国家〕 パキスタン、インドネシアが危ない。
〔人口変化〕 二〇二五年、パキスタンの人口はロシアの倍に。中国は豊かになる前に老いる。
〔中東との接近〕 米国は原油を西半球と西アフリカで調達。中東はもっぱらアジア需要を賄う。
〔インドの台頭〕 米国はインドとの関係を強化すべきである。核拡散の容認=インド・台湾の核化も止むなし。中国は強くても弱くても不安定な要因で、米国の競合相手。
以上の解析の結果、米国は以下のシナリオを想定している。
〔シナリオ1〕 アジア再編
南北朝鮮平和条約→半島から米軍撤退→日本が潜在核武装能力誇示+台湾核化支援→中台緊張激化→日本がインドとの軍事関係強化。
〔シナリオ2〕 新南アジア秩序
パキスタン崩壊へ→印パ緊張激化→北京政府がインドに軍事的警告→米軍介入するが、結局のところ印パ合体して超大国化→イランがこれに接近→米国も承認。
〔シナリオ3〕 強い中国・不安定な中国
強い中国の誕生→ロシアから東南アジアまで影響下に→日本に対し日米安保条約破棄・中国傘下入りを迫る。
不安定な中国の誕生→経済の停滞→中国国内、地方分権化傾向顕著に→軍事的冒険主義へ→米国介入で軍事的拡大失敗→活路をシベリア・ロシアに求め対露戦直前まで進む。
〔シナリオ4〕 中印によるアジア分割支配
インドネシア崩壊→中国系住民の迫害→シーレーン治安悪化→市場混乱→米国が介入するが損害が多く結局撤退→中印が急接近→マラッカ海峡の東西で中印がアジア分割支配に合意。
〔日本の選択肢〕 アジア近未来に対して日本は三つの選択肢を持つ。
一、米国との真の軍事同盟締結
二、独自の軍備強化
三、中国の覇権受け入れ
この「日本の選択肢」には特別に「日本とインドの接近に要注目」の項あり。
以上が『アジア二〇二五』の主内容であり、米国防総省が二五年後のアジアを展望した結論である。ここには米ソ東西冷戦以降の世界情勢を、文明の衝突をベースにした「覇権葛藤時代」と認識したうえで、アジア・イスラム文明との敵対を想定する米国の本音が滲み出ている。
この報告書作成に関与した人物は日本について、「従前のように日本が対中国投資を続けているようでは、米国の努力は水泡と帰す」と指摘し、さらに、「日本が米国と一人前の同盟関係を結ぶには今が絶好の好機だ。これを逃せば日本は米国と中国との間で漂いつつ、結局は中国の側に引き寄せられるだろう」と警告している。
この報告書は、わが国とインドの接近に神経を尖らせている。日印が結べば日本主導のアジア秩序圏が誕生すると予測されるが、これは明確に〔新・大東亜共栄圏〕であり、その成立に米国が神経を尖らせるのは当然だ。米国としては、森首相がプーチンとの首脳会談で日露間の地政学的・戦略的パートナーシップ合意を得た後、インドを訪問して日印の地政学的・戦略的パートナーシップ合意に漕ぎ着けたことを快く思っていない。
対日新政策
昨秋、米国の民主・共和両党超党派で結成された日米関係研究グループによる『日米・成熟したパートナーシップに向けて』というレポートが「米国防大学戦略研究所機関誌」に掲載された。この研究グループを主導したのは、かつて共和党政権下で国防次官補代理・東アジア太平洋担当だったリチャード・アーミテージ。そしてクリントン政権下で同職だったジョセフ・ナイ。さらには日米安保ガイドラインの草稿を書いたマイケル・グリーン。
ナイは、ブレジンスキー流の「日本は米国の属国にしておく」といったクリントンの対日政策を根本から否定している。当然ながら米国新体制は、これまでのような政策を一八〇度転換してくるだろう。
具体的指標として、情報・諜報の日米共有。日本独自の情報衛星などを歓迎し、日本が独自性を持つことは「米国外交と背反しない」と明言しているのだ。もちろんその裏では、日本に一層の構造改革を求め、米国の国益を確保することも忘れてはいない。
米国が最も関心が高い「集団安保」について、わが国の憲法が足かせとなっている事実を正確に判断し、憲法九条の呪縛を除去し憲法改正を働きかけることが、研究段階で大いに議論されたと報告されている。だが、文章にすることは刺激的すぎる、とも。文章にはしないが、そうした工作は当然行われるということだ。
つまり彼らは、押しつけ憲法の桎梏を桎梏と感じなくなってしまったわが日本の政治家、国民大衆に対し、戦後の後遺症、痴呆症を払拭する必要があると指摘しているのだ。
米国の新政権がわが国に対し、手段は不明だが、必ず憲法改正を迫ってくる。この報告書では日本について、「外圧でしか体制変革ができない」とも記されている。残念ながらその通 りなのかもしれない。
しかし、これこそ千載一遇の好機でもある。米国中枢の意思が明確になった以上、その力を利用してわが国憲法を本来の姿に戻すべく最大限の努力をする必要がある。
米国が構造改革を迫る真の理由は、米国型市場経済に完全開放したいという意思があるからだ。だが現実には、好景気に沸く米国も実際は「富の生産」を行っておらず、財の極端な格差を固定し、米国建国以来の「アメリカン・ドリーム」はもはや夢の彼方に去ってしまった亡国の姿を見せつけているだけだ。
米国はすでに、自らの内に矛盾を持ち、そこから脱却しようと喘いでいるのだ。文明の衝突という現状のなか、米国が持つ矛盾を解決するものは、わが日本に存在していることを、今こそ明らかにすべきではないか。
わが国の底辺に宿っている叡智。その叡智によって復古維新を断行する。その時がいま一人一人の日本人に求められている。
http://www.gyouseinews.com/international/jan2001/001.html