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(回答先: 今後のネオコンの目指す方向 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 3 月 26 日 23:04:36)
「貧困対策」と「対テロ世界戦争」
「対テロ世界戦争」は極めて大掛かりな一種の「世界改造」の長期プランですから、当然のことながら、政治的にばかりではなく、世界各地の経済的な仕組みをも作り変えようとするものになるでしょう。「戦争」は「平和」の手段であり、かつ「平和」が「戦争」の手段ともなりえます。「貧困を無くす」という美名が「貧困を平等化する結果、『貧困』として感じられなくなる」という結果にも転化しうるでしょう。
ここで3月11日に発表された「マドリッド日程(The Madrid Agenda)」の中から、貧困とテロリズムに関係する箇所を引用します。
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http://www.asyura2.com/0502/war68/msg/362.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 3 月 14 日 08:04:54:
大規模集団洗脳の現場報告(4)地下鉄サリン〜9・11〜3・11〜・・・そしてマドリッド日程
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【引用開始】
貧困はテロリズムの直接の原因ではない一方で、経済的そして社会的政策は、排他主義や急激な社会経済変化による衝撃――それはしばしばテロリストに付け込まれる不平不満を引き起こすのだが――を鎮めるのに役立つ。我々は次のことを提案する。
・周辺に追いやられたグループが能力をつけることを助け参加を促すような長期的な貿易、援助と投資の政策を採用すること
・集団的な差別を無くすことによって社会の中での構造的な不平等を減らす新たな努力
・女性の教育、雇用と能力開発を促進する目的を持った計画を打ち出すこと
・2015年までにミレニアム開発目標(the Millennium Development Goals;MGCs)【後述:訳者注】を実行に移すこと
【引用終り】
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上の訳文に対する原文を以下に添えておきます。
While poverty is not a direct cause of terrorism, economic and social policy can help mitigate exclusion and the impact of rapid socioeconomic change, which give rise to grievances that are often exploited by terrorists. We recommend:
・the adoption of long-term trade, aid and investment policies that help empower marginalised groups and promote participation.
・new efforts to reduce structural inequalities within societies by eliminating group discrimination.
・the launch of programmes aimed at promoting women’s education, employment and empowerment.
・ the implementation of the Millennium Development Goals by 2015.
また、先ほどの引用箇所にある「ミレニアム開発目標」についてはこちらに具体的に書かれています。(この開発目標が国連で採択されたのは2000年9月。)
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http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/un/mdgs_gai.html
ミレニアム開発目標: 概要(簡単な説明文と目標和訳)
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これを実行しようとすれば「イスラム社会の大改造」が避けられないことが分かります。「世界改造計画」は実際にはこのあたりからスタートしたのかもしれません。この1年後に9・11が起きます。
「対テロ世界戦争」とはいっても従来の世界大戦とは異なり、例えば「明日世界中が火の海になる」というものではなく、10年以上かけて大小の事件が続いて少しずつ慣らされていくうちに、気がついたら世界がまるで変わっていた、という形になる(というよりは「主催者」としてはそうしたい)ものではないか、と思います。
上記の引用箇所は、要するに、貧困そのものがテロの原因となるのではないので、貧困に対する不平や不満を起こさせていく要因を取り除き(つまりそれなりの夢や希望を、たとえそれが幻想でも、持てる状態にして)、貧困地域からテロが発生しにくい状況を作る、という戦略であるか、と思います。ネオコンの思想から見ても、貧乏人にとって「夢」「幻想」は必要でしょう。
またこのアジェンダの他の箇所とつなげてみますと、教育と啓蒙活動を通して世界の人間の心からテロを生み出す元になる差別感や排他的な感情を摘み取っていく、早い話が「精神的な牙を抜く」ことが同時進行させられる、ということになります。そのため貧困地域での「教育の拡充」は恐らく不可欠な要因でしょう。これが今後10年間の目標の一つとなっているわけです。
ウォルフォビッツが世界銀欧の総裁にうってつけかどうかは分かりませんが、恐らく上記のようなイメージで世界の経済的な再編を行おうとしているのではないか、と考えます。私は上の投稿の際にも申しましたが、このアジェンダを作った者たちとネオコンを動かす者たちは重なっている、と考えていますので(ネオコンはネオコンで彼らを利用していると思っているでしょうが)、ウォルフォビッツが世界銀行の仕組みに改造を加えながら実現させていこうとしている「貧困対策」はこのようなものであろう、と思います。
美名のもとに隠れるだけ余計にタチの悪いものになる、と考えます。