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「チャベスは気違い、キルチネルは半気違い」オプス・デイと統一教会の双方に関わるペルーの作家が吼える
3月24日付IBLNEWSに、ペルーのジャーナリストで作家のアルバロ・バルガス・ジョッサ(Alvaro Vargas Llosa)が「ラテンアメリカのための自由」という著書の中で、ベネズエラ大統領のチャベスを気違い、アルゼンチン大統領のキルチネルは半気違い、と罵倒していることが報道されています。
http://iblnews.com/txt/noticia.php?id=126238
(以下、資料として挙げてあるUrlはすべてスペイン語の記事です。)
このアルバロ・バルガス・ジョッサの父親が大変なヤツで、マリオ・バルガス・ジョッサ(Mario Vargas Llosa)という、やはりジャーナリスト・作家として極めて有名な人物なのです。彼は南米におけるオプス・デイの重要な関係者としても有名なのですが、同時に統一教会をも強く支持しています。ペルー生まれですが、マドリッドのコンプルテンセ大学を卒業した後ジャーナリスト・作家として名を上げ、滞在中のキューバで革命に遭ってショックを受け、その後ペルーだけでなく、パリ、ロンドン、バルセロナなどにも住んでいます。現在はマドリッド在住。
ペルーでの親米派の論客として有名で、1976年には国際ペンクラブの会長を務めています。1990年のペルーの大統領選挙に「民主戦線」という党から出馬してフジモリに負け、その後ロンドンからマドリッドに行ってスペイン国籍を取り(つまり二重国籍)、エル・パイス紙などに寄稿しています。
【Biography】
http://www.mvargasllosa.com/biograf.htm
このマリオ・バルガス・ジョッサはその経歴から想像がつくようにオプス・デイの論客であり、またその息子であるアルバロ・バルガス・ジョッサは「ペルーをきれいに『掃除』するためには『ペルーのピノチェット』が必要だ」と発言したことで有名です。これは大統領選に出馬する父親への応援でしょう。(なお、ピノチェットはオプス・デイの会員と見られ、アジェンデ政権を潰した翌年の1974年に、この教団の創始者ホセ・マリア・エスクリバー・デ・バラゲー自身がチリに赴いてピノチェット政権幹部を祝福しています。)
http://stucchi.tripod.com/politica/opusperu.htm
http://www.redvoltaire.net/article3169.html
なお、同様にオプス・デイと関係の深いフジモリと対抗して大統領選に出馬した経過では、オプス・デイ支持者の中の対立があり、フジモリ派がペルーの左翼を巻き込んでジョッサを追い落とした、と言われます。
http://www.opuslibros.org/correosanteriores/2004/noviembre/1nov04.htm
この経過は70年代にスペインで起こったことと似ているのですが、冷戦後を計算する米国がフジモリ派を支持したことが考えられます。オプス・デイとしてはどっちでも良かったわけです。
ところがこのマリオ・バルガス・ジョッサにはもう一つの面があります。1983年にコロンビアで第6回国際コミュニケーション・メディア大会が行われたのですが、これは南米の統一教会系の人脈によって実現したものであり、それを積極的に支持した世界の知識人の中に、コロンビアの歴史学者ヘルマン・アルシニエガス(Germán Arciniegas)やフランスの知識人ジャック・ソステル(Jacques Soustelle)とともにこのマリオ・バルガス・ジョッサがいるわけで、南米の反米派知識人の間ではジョッサと統一教会の関係はよく知られていることのようです。
http://www.rodelu.net/bardini/bardini32.htm
http://www.alumnos.unican.es/~uc1531/mario/marios4.html
そしてその息子であるアルバロ・バルガス・ジョッサも先ほども触れたとおり、父親以上にゴロゴリの「親米自由民主主義者」の作家・ジャーナリストとして有名で、彼の背後にもオプス・デイと同様に統一教会の影が感じられます。
このような人物の発言は非常に重要であり、IBLNEWSも、単に一人の作家の発言というよりも、これが米国ブッシュ政権とつながる勢力から発せられた『サイン』という見方をしているようです。
先日来お知らせしていますように、ブッシュ政権がキューバ、ベネズエラ、アルゼンチン、ブラジルの反米傾向の強い政権を実力で潰しにかかる姿勢を強めています。そこに、統一教会が勢力を持つ「3つの国境線地域」(ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンの国境付近で関税を受けない「共同管理地」)での『アルカイダ、FARC、ETAなどのテロ組織』を一掃する、という名目が使われる(ベネズエラに関してはチャベスがFARCを援助している、という難癖付け)ことは、もう見え見えでしょう。
ここで、教義の上からでは水と油のはずのオプス・デイと統一教会が手を結ぶ可能性が極めて高いわけです。もしそうなれば、その結果はどうなるのか。今までのチリ、アルゼンチン、ニカラグア、そしてアフガニスタン、イラクと同様でしょう。しかしこれが「ベトナム」へと転化する可能性もあります。米国はイラクに手間取っていますから直接の手出しは難しいでしょうが、その代わり米国の諜報組織とオプス・デイや統一教会が雇う傭兵どもがその手先を務めるでしょう。
もちろん「反テロ、民主主義の戦い」として。「自由」だの「民主主義」だのを口にする輩の言うことは、まず先に疑ってかかるほうが無難でしょうね。どこの手先かわかったもんじゃない。ベネズエラのチャベスとアルゼンチンのキルチネルに対する態度を見極める必要があるでしょう。