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(回答先: マラッカ海賊事件は、「日本軍国化誘導」の為の「謀略事件」か? 投稿者 新世紀人 日時 2005 年 3 月 16 日 15:43:59)
http://www.kamiura.com/new.html
対インドネシア 海賊 対策に巡視艇提供 政府、ODAで (朝日 3月16日 朝刊)
[概要]マラッカ海峡の海賊対策として、日本政府はインドネシアに巡視艇をODAで供与する方針を固めた。これは船体が20メートル程度のCL級(クラフト・ラージ型)と呼ばれる中型巡視艇。輸送費を含めて1隻7億円程度かかり、06年度中に2〜3隻を無償で援助する。この巡視艇には武装を搭載していないが、速度が速く、小回りも効いて海賊対策に向いている。大型船だとインドネシア政府が反政府組織の取り締まりに使う可能性があり、「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」というODA大綱に触れる可能性からCL級にした。政府は日本人船長が海賊に襲われた「アロンドラ・レインボー号」事件以後、00年より、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールと、海上保安庁が共同訓練を毎年実施している。
[コメント]なんとも素早い政府のODA関連の動きだが、今回の海賊事件をきっかけに「ODAビジネス」を狙った利権がらみの臭いがプンプンする。というのは今年はインドネシア向けの2〜3隻だが、これで突破口を開けば、あとはマレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポールと、新型警備艇をめぐるODA事業は一気に拡大する。つい10年前までは、中古で廃船同様の警備艇であっても、武器輸出3原則に觝触するとして、日本は東南アジアに輸出することを控えていた時期があった。ところがわずか2日間で、政府はそのような過去のしがらみを断ち切った。
そこで、ここで問題になるのは、今回の海賊がアチェの分離運動を行っている反政府組織であればどうするのかという点である。ODA大綱との関係をどのようにクリアーさせるのだろうか。政府の今までのやり方なら、CL級が良ければ次はもっと大型というように動くのは必然である。今後はODA大綱も踏みにじる姿勢なのだろうか。
私は日本が軍事的な野心がないので、マラッカ海峡の海賊取り締まりにリーダーシップを取るべきと書いた。しかし日本のODA援助が地域の紛争支援型になれば、ODA援助はより「きな臭い」体質を好むようになる。それは結果的に軍事的な野心があることと同列である。すなわち「死の商人」的な体質であるからだ。
もし日本が本気でマラッカ海峡の海賊問題に取り組むなら、新型で高価なCL級が2〜3隻でなくとも、中古のCL級でいいから10隻〜20隻を提供すべきだった。これではせっかくの日本のODA援助も、日本の政治家と官僚が組んだ、利権あさりのODAビジネスに利用されたと考えられてもしかたない。まあ、外務省がやることといえば、このようなODA利権あさり直結型が常であった。
※ 誘拐された3人に対して、身代金の連絡をしてこないというのは、中間にたって交渉を仲介するリスク・コントロール社(誘拐保険請負会社)などが、そのような「身代金情報」を公開しないように求める場合が多い。今回の誘拐事件では、海賊は船舶関係の書類を持ち去っている。これは身代金目的の誘拐事件と見るべき新しい特徴である。