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(回答先: 横浜事件、高裁も再審開始を支持 【asahi.com】 投稿者 木田貴常 日時 2005 年 3 月 10 日 23:21:45)
戦時下、言論弾圧 …横浜事件の再審開始支持 東京高裁、自白信用性に疑い
http://www.sankei.co.jp/news/evening/11nat001.htm
第二次世界大戦中、共産主義を宣伝する論文に関与したとして、編集者らが治安維持法違反容疑で逮捕された「横浜事件」で、終戦直後に有罪判決を受けた元被告五人の遺族が申し立てた第三次再審請求で、東京高裁(中川武隆裁判長)は十日、再審開始を認めた横浜地裁決定を支持、検察側の即時抗告を棄却する決定を下した。元被告らへの有罪判決が見直される可能性が高まった。
横浜地裁は昨年四月、治安維持法の効力の解釈を新証拠として認め、再審開始を支持する判断を示していた。犯罪行為があったかどうかという事実認定ではなく、法令解釈が争点になった異例の再審開始決定に、検察側は「再審制度は本来、事実誤認に対する救済で、法解釈の誤りを理由とする決定は違法」として即時抗告していた。
今回の高裁決定は地裁の判断理由を「さまざまな疑問があり、にわかに是認できない」と指摘した。
だが、横浜事件の別の元被告に拷問を加えたとされる警察官の有罪が確定していることを挙げ、「元被告らの自白は信用性のない疑いが顕著で、有罪の事実認定が揺らぐことになる」として、再審開始を別理由で支持した。
再審を求めていたのは、日本がポツダム宣言を受諾した昭和二十年八月から治安維持法が勅令で廃止される同年十月までに有罪判決を受けた元中央公論社員の木村亨さんら、元被告五人=いずれも死去=の遺族。
一次、二次の請求は最高裁まで争われたがいずれも棄却。元被告側は、平成十年八月に三回目となる再審請求をした。横浜地裁は十五年四月、「ポツダム宣言の受諾により、治安維持法は実質的に効力を失った」とする大学教授の鑑定を新証拠と判断。裁判の打ち切りを言い渡す「免訴」とすべきだったとした。
◇
≪元被告の遺族ら「60年、重い階段上った」≫
「私たちの思いが報われた。戦後六十年のこのときに、歴史の重い階段をしっかり上ったなという感じ」。元中央公論編集者の故木村亨さんの妻、まきさん(56)ら元被告の遺族らは、検察側の即時抗告が棄却されたとの決定に、胸をなでおろした様子で記者会見にのぞんだ。
再審請求していたまきさんら十人は、この日午前十時前に東京・霞が関の東京高裁に入った。高裁十五階の書記官室でほどなく、横浜地裁に続けて再審開始が認められた決定書を手に取ると、元被告側の代理人らは「よかった。これでまた無実に一歩近づいた」と、手を取り、肩を抱き合いながら喜びをかみしめた。
記者会見で、元被告側の弁護団は「期待していた通りの決定で、木村さんはじめこれまで無罪を主張し、戦ってきた結果がここに集約されたと思う」と笑顔を見せた。
まきさんは「悪い予感はしていなかった。『棄却』の文字が目に飛び込み、一瞬、こちらが負けたと思ったけれども…。これで終わったわけではないし、再審で無罪を勝ち取るために戦い続けたい」と、改めて夫の名誉回復を誓った。
手には、亨さんが他界する数日前に書き残した「捨てし身の裁きにひろういのち哉」とのパネル。「国には謝罪してもらいたい」と話した。
◇
【横浜事件】 昭和17年から終戦直前にかけ、雑誌「改造」「中央公論」の編集者や朝日新聞記者ら60人以上が「共産主義を宣伝した」などとして、治安維持法違反容疑で神奈川県特高課(当時)に逮捕された事件。30人余りが起訴され、多くは終戦直後に懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡された。獄死者は4人。元被告は全員他界している