現在地 HOME > 戦争67 > 976.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: [盧武鉉演説]「日韓関係を阻害する発言だ」(読売新聞) 投稿者 彗星 日時 2005 年 3 月 03 日 03:27:51)
■日韓関係――大統領演説への戸惑い
朝鮮半島が日本の植民地支配下にあった86年前の昨日、民族の独立を訴える声がソウルからわき上がった。「3・1独立運動」だ。いま国民の祝日となり、韓国民の民族意識が大いに高ぶる。
そのことは十分わきまえたうえでも、盧武鉉大統領が記念行事で行った演説には唐突感が否めない。
大半を日本との関係にあてた演説のなかで日韓関係の進展を評価しつつも、更なる発展のために日本側が「真の自己反省」を示すよう求めた。
「過去の真実を解明し、心から謝罪し、反省し、賠償するものがあれば賠償し、和解する」ことが「過去清算の普遍的な方式」であって、日本にはそうした努力が足りないとも指摘した。
ますます深まる経済関係。サッカーW杯の共催成功。「韓流」ブーム。日本人の韓国への親近感はかつてないほど増した。とはいえ、植民地支配の歴史をどう総括したらいいかをめぐる問題となると、日韓関係はまだまだぎこちない。
小泉首相の靖国参拝が韓国の人々の神経を逆なでしているのは確かだし、植民地支配や侵略戦争の被害を受けた側の思いに日本人が鈍感でありがちなことも否定はできない。朝日新聞は社説で、自らの過去をもっとしっかりと総括し、教訓をくむべきだと主張してきた。
その一方で、日本は95年の「村山首相談話」で植民地支配に「痛切な反省」と「心からのお詫(わ)び」を表明し、それを踏まえて3年後、小渕首相と金大中大統領が共同宣言で「未来志向」の関係構築を確認した。近年の日韓の緊密化はその延長線上にある。
大衆の人気に支えられて政権の座に就いた盧氏が、国民の間にくすぶる日本の歴史認識への批判を意識せざるを得ないことは分からぬではない。自国の歴史の見直しを政権の実績にしようとしているさなかの国内向けの演説でもあろう。
しかし、「謝罪」を言い、「賠償」という言葉をいたずらに使うことには、日韓の将来を真剣に考える我々も戸惑う。
大統領は日本人拉致問題に同情を示しつつ「日本もまた日帝から数千、数万倍の苦痛を受けたわが国民の怒りを理解しなければならない」とも語った。拉致問題に多大な関心を寄せながら、過去の植民地時代に行ったことを忘れたかのような日本にクギを刺したかったのだろう。それは理解できる。
だが、植民地支配という歴史と北朝鮮による拉致は同じ次元の問題ではない。北朝鮮の対日非難に通ずるかのような物言いは、日韓関係にとって逆効果だ。小泉首相は北朝鮮との過去の清算をめざして2度の訪朝をしたが、交渉の進展を妨げているのはむしろ北朝鮮である。大統領はそこを冷静に見てほしい。
北朝鮮問題の解決には、まず日韓の協調である。日本は歴史をもっと見つめなければならないが、韓国がいたずらに違いを強調することも賢明ではない。
http://www.asahi.com/paper/editorial20050302.html