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傀儡独裁者の末路:むしりとられてゴミのように捨てられるピノチェット(エル・ムンドより)
2005年2月25日付のエル・ムンド紙(電子版)は、チリの元独裁者で数万人の反対派を虐殺したピノチェットが、散々に利用した米帝国からすべてを剥ぎ取られて打ち捨てられていく惨めな姿を伝えています。
まず、このスペイン語の記事の概略を訳して書いておきます。
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/02/25/internacional/1109370812.html
2005年2月25日 エル・ムンド
『ピノチェットの秘密口座を隠していた銀行が、元独裁者の被害者に対して6百万ユーロを支払うだろう』
EFE配信 ワシントン
チリの元独裁者アウグスト・ピノチェットの隠し財産を預かっていた米国のリッグス銀行は、顧問弁護士サム・ブフォウンによると、9百万ドル(6百万ユーロ)を彼の政権時の被害者に支払われる。そのお金はサルバドール・アジェンデ基金に預けられ、独裁時代に拷問された者と殺害された者の家族に渡される予定である。
1998年にガルソンがピノチェットに対して、1973年から1990年にかけてチリ政府が行ったテロ、拷問、虐殺に対して訴訟を起こし、財産差し止めの国際的な命令を発した。しかしその年の【「次の年」の間違いではないか?:訳者】3月にロンドンにあるリッグス銀行から160万ドルの金が米国の同銀行に送金された。後にガルソンは同銀行を非難した。
ブフォウン弁護士は総計で900万ドルが違法に隠された資産であることを認めている。ピノチェットは他にチリ銀行にも不正の疑いがある預金を持っており、ワシントンの財務担当者は今月の初めにチリと米国でこの元独裁者のすべての預金口座を指し押せる約束をした。
27年間のピノチェット政権の間に3197名の拷問被害者と1192名の行方不明者が登録されている。
米国司法省との交渉中に、リッグス銀行はワシントンの裁判所に対し、ピノチェットの資金を洗浄し当局に知らせなかった罪を認めた。同銀行は1980年ごろから、彼の妻やワシントンのチリ大使館付きの様々な武官たちの名義でピノチェットの金を預かっていた。
【抄訳終わり】
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ブッシュ政権は昨年6月にリッグス銀行での不正蓄財を暴露し、チリでのピノチェット裁判を促進させようとしていました。現在はチリの裁判所から彼の全財産の差し押さえが命じられ、この頭の半分ボケた元独裁者は、かつて自分をひいきにしクーデターと独裁をそそのかし援助し続けた米帝国および欧州支配者によって、身ぐるみ剥がされて惨めに打ち捨てられるようです。
チリの軍事独裁は単に反共政策というだけでなく、ネオリベラル経済の実験場作りでもあったわけですが、その仕掛け人である本当の悪魔ども、キッシンジャー、サッチャー、オプス・デイ、そして米欧大資本にマスゴミの非難が向けられることはありません。(中南米の民衆は誰が本当の悪魔であるのか、は感じ取っています。)
いまスペインで裁判中のアルゼンチンの元独裁政権幹部シリンゴにしても、アルゼンチンで拘束中のカルロス・ビデラにしても、利用価値のなくなった操り人形の運命は共通でしょう。中米のニカラグアやエルサルバドルではどうなっていくでしょうか。注目し続けていきます。