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シスタニ師の横顔/2月14日付け リベラシオン/media@francophonie
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/726.html
投稿者 NJ 日時 2005 年 2 月 23 日 00:29:25: OUBoEzfQNTDYo

(回答先: 米国は如何にしてイラクのシーア派を制圧したか? チャラビは失脚していない [ML アラブの声] 投稿者 white 日時 2005 年 2 月 22 日 19:54:43)

http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/archives/14328845.html
media@francophonie
フランス語圏プレスの記事の紹介と翻訳
2005年02月15日
シスタニ師の横顔
Ali Sistani, l'ayatollah qui dirige dans l'ombre
アリ・シスタニ、陰から支配するアヤトラ

2月14日付け リベラシオン Christophe BOLTANSKI
元記事はこちら

先般実施されたイラク国民議会選挙の結果が明らかになりました。この選挙で第一党の地位を確保したグループ、「統一イラク連合」の実質的な指導者であるシーア派の大アヤトラ(最高位聖職者)、シスタニ師についてのリベラシオンの記事をご紹介します。


ちなみに、1月30日の国民議会選挙(275議席)の結果は次の通り。投票率は有権者登録者の58%でした。

統一イラク連合(シーア派23政党の合同リスト) 140議席
クルド同盟(クルドの2大政党、クルド民主党とクルド愛国同盟の合同リスト) 75議席
イヤド・アラウイ派(シーア派世俗派) 40議席
ガジ・アル・ヤワル大統領派(スンニ派) 5議席
イラク・トルクメン戦線連合 3議席
独立派イラク幹部・エリート派(シーア派過激派のモクタダ・アル・サドルに近いグループ) 3議席
人民同盟(共産主義) 2議席
クルド・イスラムグループ 2議席
イスラム運動機構(シーア派) 2議席
メソポタミア国民派(キリスト教徒) 1議席
民主国民連合(アラブ・ナショナリスト) 1議席
和解・解放運動(スンニ派) 1議席 

シーア派の人口比(イラク人の60%程度)からすると統一イラク連合の完全勝利ではなく、逆に人口の15〜20%を占めるクルド人のほうは大勝利と言えそうです。この選挙結果について、同じくリベラシオンに興味深い分析(Le jeu du pouvoir reste ouvert)があります。


(翻訳はじめ)
ナジャフ旧市街の埃っぽい小径のどんづまりにある小さな家に閉じこもって、彼は暮らしている。公式サイトでは、彼が「この家の所有者ではない」と明言している。シーア派の主要な聖地であるアリ廟からわずか500mしか離れていないにもかかわらず、金曜日の祈りを行うためにすら彼は家から出ない。大アヤトラ、アル・サイド・アリ・フセイニ・アル・シスタニは俗世とは完全に断絶している。インタビューを拒否し、いかなる政党も率いていないが、それでもシスタニ師はイラクの新国民議会において抜きん出たキー・パーソンである見られている。

結集させる者

長い白い髭を生やし、イスラム預言者の後裔であることを示す黒いターバンを巻いたこの74歳の人物は、サダムの失脚以来、この選挙の実施を強く要求してきた。この選挙によって、イラクの多数派であるシーア派がついに政権を掌握するはずだと考えられてきた。シスタニ師はシーア派コミュニティの主要政党を連合させることに成功し、彼自身が後見した「統一イラク連合」は有効票の48.1%を獲得した。得票率25.7%で2位に着けた「クルド同盟」を大きく引き離した統一イラク連合は、国民議会議席の絶対過半数さえも獲得した。

シスタニ師自身が投票権を有していないのは矛盾しているとも言える。イラン北東部のマシュハドで1930年に生まれたシスタニ師は、イラク国籍の取得を常に拒んできた。50年前からアリ廟近郊のナジャフに居住しているシスタニ師は、今でも強いペルシャ語訛りのアラビア語を話す。それでもシスタニ師はイラン政府とは常に距離を置いてきた。一年前にはイラン政府の外交使節と会見することを拒否している。1992年にアブル・カシム・アル・ホエイ大アヤトラが死亡して以来、シスタニ師はシーア派の宗教的指導部であるマルジャイヤのトップに立った。前任者と同じく、シスタニ師はシーア派の中の神秘主義的伝統を体現しており、ルホラ・ホメイニの「ヴェラヤト・ア・ファキー」、字義通りに訳せば「神学者の信託統治」という神権統治の教義に反対してきた。

ナジャフの隠遁者・シスタニ師は毎日数100人の訪問者と会見する権力者であり、彼の鶴の一声で数万人のデモ参加者を動員することもできる。シスタニ師がガソリンの闇取引に反対するファトワを発布した時には、ガソリン・スタンドの前の長蛇の列がまたたくまに7割方消え失せた。信者の喜捨のおかげで、シスタニ師は巨大な連合ネットワークを手中にしており、イラクの全地方に連絡事務所を構えている。バソラ事務所の所長、アリ・アブデル・ハキム・ムッサ・アル・サフィは統一イラク連合の比例代表リストの4番目に名を連ねており、国民議会でシスタニ師の指示が尊守されるよう監視者の役目を果たすと見られている。

政治的には、シスタニ師はイラク戦争の開始当初から連合軍に戦いを挑むなと呼びかけていた。しかし自分が連合軍の幹部と会見することは常に拒んできた。また、占領を終了させるには武装レジスタンスではなく選挙によるしかないと、常に繰り返し発言していた。アメリカ軍は去年の夏、シスタニ師の最大のライバルの一人で、ナジャフとアリ廟を民兵とともに占拠したモクタダ・アル・サドルを始末した。8月初旬、アメリカ海兵隊のナジャフ攻撃の真っ最中、シスタニ師は健康上の理由を口実に包囲されたナジャフを離れ、ロンドンに赴いた。反乱がほとんど鎮圧されたとたん、シスタニ師は救世主としてナジャフに戻ってきた。

強い要求

シスタニ師はアメリカ人の元「執政官」、ポール・ブレマーとも何度も衝突した。1月にシスタニ師は、ブレマーが未来の憲法起草を選挙で選ばれた国民議会に託さないならば、ブレマーの乾分を町なかで殺害させると脅迫した。シスタニ師は聖職者によって構成された政府を望んでいるわけではないが、イラクのイスラムとしてのアイデンティティを認知するよう要求している。イスラム教があらゆるイラク法の主要な、あるいは唯一の源泉であるべきだと主張しているのだ。この強い要求はクルド人から拒絶されており、憲法論争を激しく紛糾させる危険性を孕んでいる。
(翻訳おわり)

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