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02/21 18:01 銃と金銭が支配する街 民兵闊歩のモガディシオ
街にはあらゆる武器があふれていた。AK47自動小銃、軽機関
銃、RPG携行式ロケット弾…。世界が見捨てた無政府状態の国ソ
マリアの首都モガディシオは、一部の強者だけが自由気ままな経済
活動を行い、民兵約六万人が闊歩(かっぽ)する異様な街だった。
ソマリア人ジャーナリストの一人は「銃と金銭が支配する地だ」と
吐き捨てるように言った。
「父は八年前に殺され、兄は右足を失った。母はエチオピア、弟
はケニアで暮らし、米国への移住を希望しているよ」。強い日差し
が照り付けるモガディシオ市内のインターネット・カフェ。薄暗い
店内で若い男女数人がコンピューターの画面に集中する中、無職ム
ハマド・ハッサンさん(28)は、暫定政府に求めるのは「治安の
回復だけ」と強調した。
店から外に出ると、銃を持つ大勢の民兵や重機関銃を載せた戦闘
車両「テクニカル」が行き来している。国連はモガディシオの危険
レベルを最高度に認定。「職員が首都に入るには護衛四十人とテク
ニカル二台が必要で、滞在も最長三日だ」と国連関係者は明かす。
実際、記者が滞在中、英BBC放送の女性記者が外国人が宿泊す
るホテルのすぐ外で射殺された。外国人は護衛抜きで出歩くことも
できない物騒な街だが、ハッサンさんによると、インターネット・
カフェは二〇〇〇年以降、急速に増え始めているという。
確かに街の経済活動は活発だった。携帯電話会社が三社、テレビ
局一社、ラジオ局九社、米ドルだけを扱う銀行、コカ・コーラ工場
もある。財力のある各企業は独自に警備兵を多数雇い、建物の周囲
に配置していた。
貿易やホテル業など幅広く商売する企業「シーレ貿易」の職員は
「警備のために民兵を五百人以上も雇っているし、テクニカルも何
台も保有している」と明かした。
護衛付きの車両で街を取材して回った。道路はボロボロで、多く
の車が半壊状態で走っていた。各地に国内避難民の貧しい小屋が多
数集まっており、地元住民アブディ・モハメドさん(40)は「金
持ちしか子供を学校に通わせることができないし、病院にも行けな
い。われわれには政府が必要だ」と訴えた。
治安調査のため隣国ケニアからソマリア入りした暫定議員の一人
は「伝統的な氏族社会の助け合いや外国で暮らす家族からの送金で
、これまで人々は何とか生き延びてきた。だが、次第に希望を失い
つつあるのではないか」と指摘、早期の暫定政府帰還が必要だと強
く訴えた。(モガディシオ共同=渕野新一)
20050221 1801
[2005-02-21-18:01]
02/21 18:02 ソマリア内戦
ソマリア内戦 1991年のバーレ大統領追放後、各氏族を中心
とした武装勢力の内戦で無政府状態が続いている。米軍中心の国連
多国籍軍が派遣されたが、アイディード将軍派との戦闘で死傷者を
多数出して95年に撤退。2000年、隣国ジブチで暫定大統領が
選出されたが、武装勢力の政権参加を排除したため、全土を掌握す
る中央政府づくりに失敗。北部の旧英領地域ソマリランドと北東部
のプントランドが独自性を強め、それぞれが「大統領」を選出する
など“群雄割拠”の状態で、スマトラ沖地震の津波による被害の実
態調査も難航した。(ナイロビ共同)
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