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(回答先: シオニスト世界機構盟主ロスチャイルド公然日本進出言論封鎖阻止 投稿者 木村愛二 日時 2005 年 2 月 18 日 16:45:23)
木村氏が、「まさにこの一点にあり」と乾坤一擲の勝負をかけて船出した泥舟「ホロコーストの嘘丸」。ひらめきを得たのは氏自信の語学上の無知によるものであるようだ。
思いつきで学問的体裁をいかに凝らしても、結局原典の読み違いというよりも語学力不足(木村氏の下記引用サイトではそう断定されている)ゆえに読めずにとんだ思い込みをしてしまった。
問題はドイツ語の読解力にかかわるものだが、基礎学力の不足ゆえに(と説明されている)文法で誤り、思い込みにもとづくとんでも訳を自分でつけて、これを自分の論拠とした。ああ、ところがこれは生兵法。ここが木村教の根本理念であらせらるることからして、彼のとなえた体系はエセでしかない。
むかし安田徳太郎って京大出身の医者がいた。この人は小林多喜二の遺体引き取りも試みた人で、戦前の勇気ある人であることがネットを見てわかった。この点では尊敬の対象だ。やりたくもないことだが木村氏のインチキをたとえるのに、こういう大人物を引き合いに出さねばならぬところが現代の悲劇なのかも知れない。
安田徳太郎は「人間の歴史」ってのを7巻かにわたって書き連ねた。戦後のベストセラーになったんで、私の父も読んでいた。私も父の読み終えたあとだが、中学生のころこれを面白く読んだ(性的関心もあったから)。そんなもんかと思った。学校の先生もべたほめしてた。ところが安田の学問的集大成として書かれたはずの「人間の歴史」がある一点で価値を喪った。いんちき書物の烙印を押され、古本でも一番安いようだ。日本語の起源をレプチャ語だ、と主張したことによる。この内容がすさまじい。言語学的なアプローチのできない安田は、これで彼の学者としての生命は終わった。それほどに学問とは厳しい。
http://www.kt.rim.or.jp/~katsuma/jiten.f/yasudatokutarou.html
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/manyou.htm
http://www.d7.dion.ne.jp/~tomoca/nettaigo/q21_ans.htm
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木村愛二さんのドイツ語能力
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/Holocaust/German.html
ホロコーストの存在を否定するという、きわめて重い作業をするためには、一応基本的な資料にあたれるだけのドイツ語の能力が要求されます。否定派のフォリソンやウィーバーも、ドイツ語が読めますが、それがあたりまえです。
私は木村愛二さんのドイツ語の力を知りませんでした。そうすらすらとは読めないだろうが、まるでだめというわけでもないだろう、と思っていました。
甘かった!
この人はドイツ語の初級文法のはじめのほうさえ知らないのです!
木村さんは自分のページ(注:http://www.jca.apc.org/~altmedka/glo-99-2.html−−−竹中付記)で
Die Eisenbetondecke des Leichenkellers konnte infolge Frosteinwirkung noch nicht ausgeschalt werden. Die ist jedoch unbedeutend, da der Vergasungkeller hierfur benutzt werden kann.
というドイツ語の文章を引用しています(ホームページのリンクの貼り方が無茶苦茶なので、通常の方法で探ると、なかなかここに到達できません)。
そしてこういいます。
「もう一つの、キーワードというよりもキー文字は、たったの1つの小文字の「s」だった。上記の「代用」論とともに決定的な重要性を秘めていそうなのは、日本人が見逃しがちな「複数」と「単数」の違いである。上記のように、英語訳の方では、the cellar used as a mortuary と、明白に単数の扱いになっている部分が、ドイツ語の原文では、Leichenkellersと、複数になっているのである。」
複数!
さらにこうもいわれます。
「つまり、私には、Leichenkeller と設計図に記された部屋が2つあるという予備知識があった。プレサックの原著には、設計図の写真も入っていた。だから、上記のドイツ語原文と、英語の訳文を、ワープロで入力する際の作業で、いやでも気付いた「s」1文字の刺激が、それらの予備知識と衝突して発火したのである。
プレサックは、2つある「死体置場(Leichenkellers)[複数]」の内の1つが「殺人用ガス室」だと主張している。しかし、上記の報告書の時点では、その複数について、同じように、「鉄筋コンクリート」が「凍結のために型枠がまだ取り外されてない」と記しているのである。そうすると、 Vergasungkeller[単数]は、何だと言うのであろうか。」
お判りのように、まったく複数であると思い込んでいます。
いまさら注意することさえばかげていますが、Leichenkellersについているsは、複数のしるしではありません。
ドイツ語の名詞は強変化(若干の例外があります)や混合変化において、単数2格(属格とか所有格ともいって「〜の」の意味です)で名詞の末尾にsをつけます。例えば、おじさん(der Onkel)の単数2格は「おじさんの」(des Onkels)となります。このsを見て、「おじさん」は複数だといったら、「ドイツ語初級」の単位はもらえません。
第一、des Leichenkellersとあります。Leichenkellerは男性名詞なので、単数2格の定冠詞は当然そのようにdesになります(複数だったらderですが、この場合名詞にsはつきません)。
文中のDie Eisenbetondecke des Leichenkellersは、「Leichenkeller[単数]の鉄筋コンクリート製の天井」と訳すのです。
要するに、ドイツ語を学ぶ学生なら、初級の1学期目でならうことを、木村さんは判っていません。こんな知識でドイツ語原文を引用して、論争相手を脅かそうというのですから、冗談ではありません。
とにかく、木村さんのドイツ語能力はよく判りました。
ありもしない「予備知識」をこれ以上「発火」させて大恥をかかないよう、ドイツ語の引用など、これからは絶対に止めましょう。
そして、ご自身がドイツ語の資料に直接にあたって議論を立てる能力がまったくないことを、明言してください。
付言(3月8日)
ドイツ語は苦手だというかたのために、英語の例をとってもう少し敷衍します。
英語は早くから名詞の格変化を失っていますが、それでも所有格にあたるものを保持しています。いわゆるアポストロフィーs('s)というやつです。Mery's sheepとかhistory's claimなどと使われるものです。
木村さんが述べているのは、Queen's Englishということばに出会って、「Queen'sと複数になっているので、イギリスには女王はふたりないしそれ以上いる」と結論づけるのと同じことです。
First Uploaded: 06/03/1999
Revised: 08/03/1999
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