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感謝。徹底したエリートに対するリクルートが彼らの特徴。
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投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2005 年 1 月 27 日 18:52:46:SO0fHq1bYvRzo

(回答先: オプスデイがブレアの政府で働いている?〔Catherine Pepinster-Guardian22日〕 投稿者 ネオファイト 日時 2005 年 1 月 27 日 11:34:53)

感謝。徹底したエリートに対するリクルートが彼らの特徴。


英国の新聞(the Guardian)がオプス・デイを非常に警戒している理由は、一つは英国聖公会の擁護、つまり16世紀以降染み込んだカトリック勢力(大陸ヨーロッパ)の英国侵攻に対する恐怖感でしょう。

バチカンはエキュメニカル(協会一致)運動を通して何とか聖公会を取り込もうと努力しているようですが、なかなかうまくいかないようです。ただカトリックは50年、100年のスケールの視野を持って行動しますので、どこからどう崩していけばよいか、十分に策を練って行動しているはずで、英国人の警戒心は当然といえます。
【参照】
世界キリスト教情報2004/02/23
『教皇の権威に関する提案にはさらなる研究が必要、と英国国教会』
http://theology.doshisha.ac.jp:8008/kkohara/SKJ.nsf/504ca249c786e20f85256284006da7ab/eb0c97aed90b7d3f49256e44005766f4?OpenDocument

次に、彼らの教会乗っ取り、および政府乗っ取りの手口を知っているからでしょう。中南米でも、オプス・デイが政府機構に入り込むときには「上から篭絡」していくわけです。一人、最高指導者の「お気に入り」を作っておいて閣僚にさせ、一人が閣僚となればそこを突破口にしてぞろぞろ金魚のウンチみたいに関係者が官僚機構の中に入り込んでいく、その過程で札束で頬をひっぱたきながら、といった次第です。これは各国のカトリック教会の主導権を握っていく過程でも見られることで、the Guardianの記者は当然そのようなことは研究しているはずです。

また彼らの人材確保の舞台はまず第一に大学です。日本の大学とは異なり、欧米の大学は最初からエリート育成機関であり、優秀な大学生の中でも中流の上より上の家庭出身者を徹底的に狙って巧みに勧誘していきます。この様子は米国のOpus Dei Awareness Network(ODAN)のサイトに詳しく書かれています。
http://www.odan.org/

その上で彼らは自分たちが経営する高校・大学を設立し、オプス・デイの戦略に忠実に動くエリートを養成します。彼らが政府機関と企業に入り込んで、徐々にその主導権を乗っ取っていくわけです。

したがって、一般の民衆にとってこれほど遠い存在は無いわけで、スペインでもフランコ独裁時代に直接オプス・デイの保守的カトリック教育を受けた世代はともかくも、普通の人にとっては全く「雲の上」の話で、スペイン人でも(多分イタリアや中南米でも似たような状況でしょうが)一部の知識人以外はほとんど意識もしないしよく分かっていない、というのが現状です。とにかく下層大衆の中に一般信者がほとんどいないわけで、「中の中」以下の階層の人間はしょせんは「動かされ搾り取られ支配されるべき下々の土民百姓」に他なりません。

まあ『ダ・ヴィンチ・コード』はこの集団の存在を一般の人々に意識させた、という意味では積極的に評価すべきものでしょう。これをきっかけに、『現代史の舞台裏』に目を向ける人が増えてくれば幸いだ、と思っています。

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