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1月19日 05年第14号 ◆ 行き詰まった日本の外交 ◆ 日本国債を外国に売り込む! ◆ 車検制度をめぐる国交省の抵抗 ◆ 「嫌なものは嫌」と言おう
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◆ 行き詰まった日本の外交
◆ 日本国債を外国に売り込む!
◆ 車検制度をめぐる国交省の抵抗
◆ 「嫌なものは嫌」と言おう
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◇◆ 行き詰まった日本の外交 ◆◇
最近の一連の報道を見るにつけても小泉外交は行き詰っていることがわかる。なすべき外交がないのでパフォーマンスさえ出来ない。やることのない外務官僚は毎日何をして時間を潰しているのかと不思議に思う。
18日、北朝鮮を訪問したカート・ウェルドン米下院議員(共和党)らは、北朝鮮側が核問題では前向きな対応を示す一方で拉致問題については態度を硬化させ、6者協議から日本を排除したい考えを示した事を日本政府に伝えた(19日、朝日)。
ライス次期米国務長官は18日の米上院外交委員会での指名公聴会で、北朝鮮を「圧制国家」と位置づけ圧力を強める意向を示した(19日、各紙)。
アナン事務総長の諮問委員会「国連ミレニアム・プロジェクト」(委員長、ジェフリー・サックス米コロンビア大教授)は17日、最終報告書を公表し、この中で安保理常任理事国入りを目指す先進国は2015年までに国民総生産(GNP)に占める政府開発援助(ODA)の比率を0.7%にすべきだと提言(18日各紙夕刊)、これは日本(0.2%)やドイツ(0.28%)の常任理事国入りを事実上不可能にするものである(18日毎日夕刊)。
ブッシュ政権はイラクで続けてきた大量破壊兵器の捜査を昨年末に断念していたことが判明した。マクレラン報道官が12日、記者会見でこれを明らかにした(13日、日経)。「イラクには大量破壊兵器はなかった」とする米国調査団の最終報告書は2月に正式に発表される。
父ブッシュ大統領の補佐官であり、ライス新国務長官の恩師でもあるスコウクロフト元国家安全保障担当、大統領補佐官は、「イラクの選挙は安定につながらず、むしろスンニ派を孤立させ、内戦の発端となりかねないと批判(19日日経)。
各国の軍隊が続々と引き揚げる中、日本の陸自は復興人道支援を文民に引き継ぐめどが立たないまま出口戦略を描けないでいる(17日、東京)。
小泉首相の靖国神社で日中関係が冷却していることに加え、中国は日本が新防衛計画大綱で中国への警戒感を明記したことに懸念を強めている(18日、日経)。
14日の日露外相会談において北方領土返還問題はまったく進展せず、プーチン大統領の訪日日程すら定まらなかった。何のために町村外相はロシアを訪問したのか。
一つだけ着実に進むのが米軍再編である。憲法や安保条約の議論を避けてあらたな日米安保共同宣言という官僚の作文で米国の要求を受け入れようとする。(1月11日日経 額賀議員の言葉)。その一方でわが国の漁師が米海兵隊に「いきなり英語で怒鳴られ、銃口を突きつけられ、両手を挙げてパニックにさせられて」も、事実関係の調査さえしない(15日朝日夕刊、細田官房長官)。
◇◆ 日本国債を外国に売り込む! ◆◇
19日の毎日新聞が、財務省が日本国債をPRする投資説明会をロンドンで開いた事を報じていた。海外の投資家を対象にした説明会は初めてのことで、今後は米国やアジアでも定期的に開催すると言う。これはどういうことなのか。
日本の国債は現在、政府(郵便貯金、簡易保険、財政投融資金など)40.2%、日銀14.5%、や金融機関37.1%が9割以上を保有し、海外投資家の保有率は4%に過ぎなかった。これは米国の43.5%、ドイツの40.3%、フランス26.2%、イギリス12.2%などに比べ極端に低い。
外国投資家のウエイトが低い事は、国際的要因から日本経済を防御するというメリットがある。それを犠牲にしてまで何故この時期に国債を海外投資家に買わせようとするのか。それは日本経済の財政赤字がそこまで深刻になっているということだ。だからこそ財政改革が不可欠であるにもかかわらず、小泉政権になってからも財政赤字は増える一方である。来年度末には国債発行残高が538兆円に達し、借り換え債だけで100兆円を突破するという。おまけに08年度には、小渕内閣が景気対策で発行した大量の国債が償還期限を迎えるので、借り換えには130兆円が必要になる。国債を国内購入者だけでは賄いきれず、海外投資家を必死で探し始めたのであれば事態は深刻である。
そう思っていたところ、同じく19日の東京新聞に、財務省がまとめた中期的なわが国の財政状況の試算なるものが発表されていた。それによると2018年度末の国債発行高は917兆円と、現在の水準の倍ほどに膨れ上がるという。なんと言う事か。財政赤字は減らすどころか増え続けることを認めている。打つべき手がないと財務省自身があきらめているのだ。間違いなく国家経済破綻だ。巷には日本経済の危機を指摘する本が日増しに増えている。誰も危機が来ると思っている。その現実から耳をふさぎ、目を閉ざしているのだ。
19日の各紙は18日に開かれた自民党大会の模様を写真入で報じている。どの新聞も小泉首相、武部幹事長、青木参議院会長が前面におどり出て、並んで日の丸の小旗を振って笑っている写真を掲載している。そしていつものように小泉首相は郵政民営化を叫んでいる。国民にその重要性をわからせると言って紙芝居をやったり、メディア対策に6億円もの予算をばら撒いている(19日付日刊現代)。
彼らの頭はおそらく空っぽなのだろう。難しい事は何も理解できない首相、カラオケを歌い全国を飛び回る(サマワにも行った)元気だけの幹事長、競馬新聞しか読まない参議院会長がこの国を取り仕切っているのだ。彼らが丸投げする官僚組織もなんら新しいアイディアを出せずに右往左往している。この国の本当の危機は彼らが一大不良債権化していることだ。
◇◆ 車検制度をめぐる国交省の抵抗 ◆◇
その官僚がどういう仕事をしているかの好例が18日の読売新聞に出ていた。典型的な省益優先の仕事の例である。これこそすべての省庁で毎日のように繰り広げられている国民無視の官僚の仕事である。
小泉改革の補佐役である規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は自動車検査登録制度(車検)の期間を延長しユーザーの負担を減らそうとするのだが、どうしても国交省はそれを阻止したいらしい。何故か。車検の期間が長くなるとそれだけ関係者や関係業者の仕事が減る。そうすれば天下りのポストやさまざまな利権が失われる。
利権を守る為とは言えないから、もっともらしい理由をつける。その理由付けの片棒を、官僚OB、御用学者、御用有識者が担ぐ。
現行の乗用車の車検は、新車の場合、初回は3年、二回目以降は2年おきに課せられている。昨年発足した規制改革会議は、それを「自動車部品の耐用性も向上している」として、ユーザーの負担を軽減するため、初回に限り4年に延長することを提言し、国交省に対し、「年度内に所要の措置を実施すべきだ」と求めた。
この程度の改革さえ、国交省は徹底的に抵抗する。その理由として、「車検をさらに一年延ばせば交通事故死傷者が年に600人増える」、「路上事故が増え、渋滞や大気汚染につながる」と主張するのだ。不必要な規制や手続きを温存しようとするから、国民の生活が不便になるのだ、余計な経費がかかるのだ、役人に無駄な仕事を与えるのだ。
さすがに国交省の内部でも、「日本のユーザーは走行距離が短いので、不具合発生率は想定ほど高くない」、「車検のない米国を参考にすべきだ」、「あまりに極端な想定だ」などと疑問の声が上がっているという。国交省自動車交通局は今年の3月に結論を出すという。注目しよう。
◇◆ 「嫌なものは嫌」と言おう ◆◇
女優の藤田弓子さんが19日付の東京新聞に「言いたい放談」というコラムを書いている。それが私の考えていた事と全く同じだったので、敢えて紹介したい。
彼女は、テレビでマイクを向けられた日本人の多くがどうして笑顔で答える人ばかりだろうと以前から気になっていたという。うれしい事や楽しい事に関するインタビューであれば頷けるが、悲惨な事故や事件でも嬉しそうに見えるのは何故だろうと自問する。そしてそれは「人前で感情を表すのはみっともない」と教えられてきたからなのか、あるいは生きて行く術として「曖昧な表情でいること」を知らずに身につけているのかと考えて見る。
しかし彼女は言う。「我々はもっと感情をあらわにしたほうが良い場合もあるのではないだろうか? 嫌なものは嫌、怖いものは怖いと」。そしてたった一度だけ見た光景、すなわち大事な愛娘を理不尽に殺された父親が、「この無念がわかるか、犯人をこの手でぶっ殺してやりたい!」と、インタビューする記者の胸ぐらをつかんで涙する、その父親の姿が忘れられないという。
そして藤田さんは続ける、「・・・そういう場面を放映すると必ず『過激な発言は控えるべし』との声が殺到する。だからテレビ局が自粛して曖昧な表現ばかり映し出す・・・これからは、もっと豊かな表情、豊かな表現をテレビで見てみたい・・・」
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