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(回答先: 三人分のDNAが「発見」されたのに「本人ではない他の2人の骨」との報告はおかしい 投稿者 happyblue 日時 2005 年 2 月 09 日 08:33:20)
http://www.nhk.or.jp/kdns/_wakaran/01/0331.html
薬害エイズ裁判で安部被告に無罪判決
'01/3/31 放送
3月28日、東京地方裁判所は、帝京大学元副学長の安部英(たけし)被告に無罪の判決を言い渡しました。安部元副学長は、エイズウイルスの入った薬を患者に注射させて、この患者をエイズに感染させ、死亡させた罪で裁判にかけられていました。
これは、どういうことなのでしょうか。まずは、エイズという病気について説明しましょう。
私たちの体には、病気のバイキンやウイルスが体の中に入っても簡単には病気にならないような仕組みがあります。これを「免疫」といいます。バイキンが入ってくると、血液の中でバイキンと戦う部隊が出動するのです。
ところがエイズウイルスが人間の血液の中に入ると、こうした部隊を指揮する司令塔にとりついて、司令塔をマヒさせてしまうのです。こうなると、バイキンと戦う部隊は動きません。免疫の力が失われてしまうのです。ふだんなら病気にならないような弱いバイキンなどでも病気にかかりやすくなり、いろんな病気になってしまいます。これがエイズという病気のこわいところです。つまり、人間はエイズウイルスで病気になるのではなく、エイズウイルスで病気と戦う力が失われ、いろんな病気になってしまうのです。「病気と戦う力を失っていろんな病気になってしまった状態」という英語の頭文字を並べてAIDS(エイズ)と呼ぶのです。
エイズウイルスは、人間の血液の中にいます。このため、人間の血液を材料にして作った薬の中にエイズウイルスが混じって、この薬を使った人たちが次々にエイズウイルスに感染してしまうという事件が、1970年代から80年代にかけて起きました。1400人以上の人が感染し、500人以上が亡くなっています。人の病気を治すはずの薬が原因で人間に害を与えることになったので、これを「薬害エイズ」といいます。
この被害にあった人の多くは、「出血が止まりにくい」という病気の人たちでした。こういう病気には、人間の血液を集めて作った薬が使われていました。この薬の材料になった血液は、アメリカで集められていました。しかし、エイズウイルスに感染した人の血液も使ったため、薬にウイルスが混じってしまい、薬害エイズが起きたのです。
アメリカではその後、この薬に熱を加えると、ウイルスが死んでしまい、安全であることがわかりました。日本でも今から16年前の昭和60年7月から、この熱を加えた安全な薬が使われるようになりました。
ところが、帝京大学副学長だった安部英被告は、「加熱していない薬はエイズ感染を起こす危険性があることを知りながら、患者にこの薬を注射して、患者にエイズウイルスを感染させ、患者を死亡させた」という罪で裁判にかけられていました。
安部被告が患者に薬を与えたのは昭和60年の5月から6月にかけてでした。加熱した薬はまだ使われていませんでしたが、アメリカで集めた血液を使った危険な薬以外に、日本で集めた血液を材料にした薬もありました。このころ日本ではアメリカのようにはエイズの感染者もいなかったので、日本で集めた血液なら、エイズ感染の危険性は少なかったのです。
「安部被告は、こうした薬について日本で一番詳しい学者で、アメリカの血液を材料にした薬はエイズに感染する危険があることをわかっていたはずなのに、加熱した薬を患者に使い、患者を死亡させた。これは、医者としての過失=あやまちだ」と東京地方検察庁は考え、安部被告を裁判にかけていたのです。
判決で裁判長は、「安部被告が患者に薬を使ったころには、エイズという病気についてまだわからないことが多かったため、エイズウイルスが入っていた薬を使ったからといって、医者としてのあやまちだったとは言えない」と言って、安部被告を無罪にした理由を説明しました。
つまり、「今でこそエイズという病気については詳しくわかっているけれど、そのころはわからないことが多かったから、今になってみれば危険な薬とわかったものでも、そのころに医者が使ったからといって、あやまちだとは言えない」というのです。
この判決については、同じように危険な薬を注射されてエイズに感染してしまった人やその家族からは、「納得できない。安部被告はこうした薬について日本で一番詳しい人だったはずで、危険性を知らなかったとは考えられない。ほかの医者と同じレベルで、そのころは危険性がわからなかったとは言えないはずだ」などという声が上がっています。検察庁も、「無罪は納得できない」と考えていて、さらに高等裁判所で裁判するように要求することにしています。
安部被告に無罪という判決が出ましたが、医者が使った薬でエイズになってしまったという患者がいるという事実には変わりありません。薬害をどうすれば起こさないで済むのか、専門家や関係者は対策を考えなければなりません。
薬害エイズでは、熱を加えた安全な薬ができた後も、それまでの危険な薬を「危険だ」と知りながら売って、患者をエイズに感染させてしまった製薬会社の社長ら3人に有罪判決が出ています。また、安全な薬ができた後も、「危険な薬を使うのはやめなさい」と言わなかった当時の厚生省の担当者が裁判にかけられていて、今年の9月に判決が言い渡されることになっています。
「今週のわからん」