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2月5日 05年25号 ◆ もう一つの米国従属―見えざる金融支配
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◆ もう一つの米国従属―見えざる金融支配
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◇◆ もう一つの米国従属―見えざる金融支配 ◆◇
日本は米国に守ってもらっているという呪縛の下で、日本の外交があらゆる面で米国のいうままになっている事は誰もが知っている。核兵器を違法と言えないのも日本が米国の核の傘に守られているからだ。思いやり予算の名の下に在日米軍に贅沢な生活環境を与え続けているのも、米軍の犯罪に手が出せないのも、イラクへの自衛隊派遣を断れないのも、すべては日米軍事同盟を損なってはわが国の安全はないという思い込みのせいだ。
しかし、より深刻なのは金融における米国の日本支配であることに気付いている国民は少ない。ここ10年余りもの間、政府・日銀の政策により銀行の金利はゼロに据え置かれたままだ。こんな国は世界ひろしと言えど存在しない。
そしてこの点について、ついに日銀の福井総裁が白状したのだ。93年から10年以上も続いているゼロ金利政策によって、国民は154兆円もの預貯金利子を奪われてきたという。単純計算で一人あたりなんと121万円、4人家族で485万円となる計算だ。日刊ゲンダイは2月4日と5日の両日にわたってこの問題をとりあげている。「英国民は忍耐強いが、金利が2%を割ったら暴動を起こすだろう」というケインズの言葉を引用し、銀行と企業にカネが集中し庶民や地方には回らない日本のゼロ低金利政策を糾弾している。
ゼロ金利政策の根拠として、不良債権に悩む銀行の救済の為であるとか、景気回復のための刺激策などと政府は説明してきた。しかし本当にそれだけか。この問いに明快に答えてくれたのが神奈川大学教授の吉川元忠氏だ。その著書「マネー敗戦」(文春新書)で、近年の米国と日本の金利差は常に3%程度の差が政治的に設定されており、資金が米国に流れる仕組みがつくられてきたというのだ。国民の資金は、金利差のある米国へ国債購入という形で流れ易く設定されているのだ。おりしも米国は短期金利の指標であるフェデラルファンド(※文末参照)を年2.5%に引き上げ、今後も小幅な利上げを繰り返すという(2月3日夕刊各紙)。しかし日本は一向に利上げの声は聞こえてこない。させてもらえないのだ。
吉川教授の「マネー敗戦」を読んだ時、私は強い衝撃を受けた。政府関係者も驚いたに違いない。一般庶民が気付かない真実をついたからだ。それゆえに吉川教授の言論は徹底的に無視された。メディアで取り上げられることもない。その吉川教授が、2月23日号のサピオ誌に、「『円のドル化』という悪夢」という題で、再び驚くべき指摘をしている。
すなわち、米国の双子の赤字の約4割を米国債購入という形で支える日本は、もはやドルが下落すると資産を失ってしまう為永遠にドルを買い支え続けなければならなくなっている。これこそ、日本の資金によって経済破綻を防ごうとする米国の日本金融支配の結果である。そして自らも経済破綻に近づきつつある日本がもはやこれ以上米国のドルを支えきれなくなったとき、残る選択肢は「円のドル化」しかないというのだ。
「円のドル化」によって日米の債権債務関係は棚上げとなり財務省の責任は吹っ飛んでしまう。為替差損のリスクがなくなれば日本の個人資産は自動的に金利の高い米国へ流入していく。邦銀は軒並みに資金が枯渇し経営危機に陥る。取引企業も窮地に陥る。そこに外資が来て日本企業を次々に買収するのだ。
米国の日本支配は、軍事的な占領と金融による占領があたかも車の両輪のように急速に進んでいるかのようだ。小泉首相や竹中大臣の一連の改革が、米国の手先となって日本経済を米国に差し出していると巷間囁かれる理由がここにある。
○用語解説○
※フェデラル・ファンド(Federal funds)
米国の市中銀行が連邦準備銀行に預けている資金のこと
http://www.findai.com/yogo/0245.htm
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