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http://www.sankei.co.jp/news/morning/05pol002.htm
2プラス2、19日に米で開催 「共通戦略目標」合意
8月に「新日米安保宣言」
日米両政府は四日、今月十九日に外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)をワシントンで開き、日米の「共通戦略目標」に関する合意文書を発表する方針を固めた。朝鮮半島から中東にかけた「不安定の弧」でのテロの危険性や、北朝鮮、中国などアジア・太平洋地域の脅威認識を指摘、日米が共同で対処することを打ち出す。文書では日米の役割分担を見直すことについても言及し、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の改定に向けた作業を進めることも盛り込む見通しだ。
また、両政府は今年八月をメドに日米首脳会談を行い、地球的規模での日米協力を強調するため「日米安全保障共同宣言」を改定する方向で検討に入った。同時に、八月までに(1)横田基地の航空自衛隊、民間機の共用化(2)米軍基地が集中する沖縄の負担軽減−についても方向性を出す。
両政府は2プラス2に先立ち、先月末に日米外務・防衛当局の審議官協議をワシントンで開き、共通戦略目標の文案を検討。九、十の両日に審議官級協議を再開し、詰めの作業を行う。協議には日本から外務省の鶴岡公二総合外交政策局審議官、防衛庁の山内千里防衛局次長、米側はローレス国防副次官(東アジア・太平洋担当)らが出席。
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米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)をめぐる日米協議が急ピッチで進み始めた。二年近く停滞してきた再編協議は昨年十一月から一気に本格化し、三月にずれ込むことが濃厚だった外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)も二月開催にこぎつけた。背景には、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改定を既定路線とするため、「早期に閣僚レベルで道筋を打ち出しておくべきだ」(政府筋)との共通認識がある。
「二年近く待たされたが、ようやく前に進む」
昨年十一月にワシントンで開かれた審議官級協議では、米側の国務、国防両省の出席者から歓迎の言葉が相次いだ。
平成十四年十二月に開かれた2プラス2で在日米軍の見直し着手で合意しながら、基地再編が政治問題化するのを恐れた日本政府は前向きに検討してこなかった。昨年十一月になって日本政府が仕切り直し、協議に自衛隊の制服組を加えるなど、「本腰を入れてきた」(米側出席者)ことを米側は評価したのだ。
「米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間(神奈川県)への移転は、日本の抑止力に寄与するのか」。協議の場で、日本側は米側の再編案に「なぜ」を繰り返した。質問は数十項目にのぼり、「説明に窮した」(政府関係者)米側は、再編案を「白紙的に見直す」と回答。「日米がともにアイデアを出し合う『戦略対話』の段階に入った」(同)との指摘もある。
「北朝鮮と中国の脅威に対応し、『不安定の弧』での共同対処も強化するには、ガイドラインの改定が最重要という認識で日米とも一致している」。最大のヤマ場となる九日からの審議官協議を前に、防衛庁幹部はこう強調する。
日米両政府は平成九年に周辺事態での日米協力を規定した「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を策定し、日本側ではその実効性を担保する周辺事態法や、日本への武力攻撃に備えた有事関連法も成立。米軍への自衛隊の後方支援態勢が強化されたため、「日米の共同対処を効率化させるにはガイドラインを改定し、役割分担を見直すことが不可欠」(自民党幹部)というわけだ。
「不安定の弧」で、情報収集や輸送協力などの日米協力を拡大する必要も出ている。
このため日米両政府は早期に2プラス2を開き、「ガイドライン改定を既定路線として提示すべきだ」(政府筋)と判断したもようだ。また、日米安全保障共同宣言の改定や、横田基地と沖縄の負担軽減についても「八月と時期を区切って結論を出す」(防衛庁幹部)方針で、協議を加速させるため、2プラス2をステップにする狙いもありそうだ。