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Re: t
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投稿者 外野 日時 2005 年 7 月 24 日 01:17:30: XZP4hFjFHTtWY

(回答先: Re: t 投稿者 外野 日時 2005 年 7 月 17 日 20:14:17)

マレーシアの前首相(1981〜2003)のマハティール・モハマド氏は、戦後の日本の経済復興・発展に学ぶことを提唱して1981年の「ルック・イースト政策」を行いました。それから20余年の今日、マレーシアの一人あたりの国内総生産は20倍以上になり、それはひとえに日本をお手本に学んだ成果だと彼は言っています。
そのマハティール氏が「90年代初頭のバブル崩壊とそれに続く「失われた10年」と呼ばれる停滞期は、非常に胸の痛む出来事でした」と言い、その転落の背景の一つを次のように述べています。


≪あの頃盛んに「リストラ」という言葉がもてはやされました。経営悪化した企業が人員削減によって生き残りを図る。それと同時に、欧米流実力主義の雇用・待遇システムを全面的に採用しようという潮流も生まれました。しかし、それは手厚い失業保険や解雇を冷静に受け止める文化をもつ欧米だから成立することです。終身雇用制が当たり前の日本でそれをやればどうなるか。解雇を恥じるあまり家庭に帰れずホームレスになってしまう人すらいるのが日本です。首都高速道路下やターミナル駅で寝起きするホームレスの人々を見たとき、「これだけ豊かな日本でなぜ?」と大変な衝撃を受けました。
 長い年月をかけて育まれた日本人独自の文化や価値観を無視して欧米のやり方を移植しても上手くいくはずがありません≫(『SAPIO』2005.02.23号、マハティール・モハマドのインタビューより)

        ◇
*ちなみに彼は日本のアメリカ追従では次のようにも発言しています。

≪さらにフィールドを経済から安全保障全般に広げたとき、東アジア諸国が心配しているのが、アメリカの言うことならば善悪を問わずに追随する今の日本の姿勢です。
 イラク戦争でわれわれはそのことを目の当たりにしました。
 私は他国の者でありながら少々おこがましいことを申し上げているかと思いますが、日本を手本として学んできた一人として、考るところを率直にお話しさせていただきたいと思います≫(同)

        ◇

縄文ビトさんの提唱はかえって日本の古代の美徳、文化に帰れ、ということでマハティール氏が語っているアメリカ追従の非論理性とは逆のものなかもしれませんが、イデオロギーで社会を規定していくことの危険性という面では共通の注意するべき事項もあるかとも思います。要は目的にかなっているか、現実に即しているかどうか、ということに帰着します。ですので、具体的な現実の事例にあてはめ主張をされたほうがよいのかもしれないと思います。

マハティール氏の日本礼讃にも見落としが存在します。他ならぬ環境問題であり、次のような現実があったことは銘記しておくべきと考えます。


≪ このセルバン・シュレベール([アメリカの挑戦]の著者)が、1971年にアメリカ議会から招かれて、上院の公聴会で、折から議論が高まっていた環境問題についての証言を行った。彼はそこで、日本に関連して次のような発言をした。
 「現在において発展途上にある国々は、一日も早く立派な工業国になろうとして、懸命な努力をしているだろう。しかし、日本が経済大国になるためにたどったような道だけは、断じて真似をしてはならない。これは誠実な気持ちで断言できる私の忠告である。
 確かに日本人が達成した経済成長には、目を見はるものがあった。だが、その代わりに日本人が失ってしまったのは果たして何であったかを考えると、私の心は暗くなる。それは環境の破壊、自然の汚染、そして人間性の喪失だった。これらのものを通じて[日出る国の民]である彼らは、日本そのものを失ってしまった。
 経済的に得たものに比べて、その失ったもののほうがはるかに高価だったといえないだろうか。このことから、日本人がやり遂げてしまったことは、人類の歴史の中で同じような過ちを二度と繰り返してはいけないのだという点をはっきり示す、大変教訓的な例だといえるであろう…」
 この指摘は、日本人であるわれわれにとってきわめて力強く訴える内容に満ちている。それだけに、これから工業化を推進していこうとする国々に対しても、大きな説得力を持つであろうことは疑いない。今日の日本をみれば、この指摘がどれだけあたっているかは、議論の余地がないところである。
 こんな反面教師の役割を日本が演じなければならないというのは、実に情ないことである。自然をこよなく愛し、自然と人生の調和に心を配ってきた人々を祖先に持つ日本人が、現代にいたって、まったく狂気のようなすさまじさで《母なる自然》を開発の名の下に掠奪し、しかも最大の利権として欲得勘定の投機目的のために平気で破壊しつくしているのだ。
 セルバン・シュレベールに反論するのが不可能なほど、わが国の自然は日本人の手で荒廃させられてしまった。それというのも、歴代の政府が無原則的に推進してきた、貧欲な高度成長政策のためであり、弱肉強食の資本の法則が放置されてきたからだ。経済成長至上主義が行きついたところは、買い占められ傷だらけになった日本列島と、投機欲で荒廃した日本人の心であった≫(『日本丸は沈没する』藤原肇著より)

日本はかつてのその痛手から現在は環境面では技術的には世界の先端をいっているものと思います。しかし、技術はあってもそれらを社会に生かして統合していくシステム──政治・社会学的なシステム。いってみればハードウェアに対するソフトウェア──が欧州の先進国からくらべると遅れています。
選挙でも「緑の党」的な立候補者は日本ではほとんど話題にすらなりません。日本は先に書いたように、環境政策において順調にいっているとは言い難い状態であるのにです。
アメリカですら、ラフル・ネーダーが立候補すればそれなりの票数を獲得する現実を見ても日本は特異という感じを受けないではいられません。

>今の戦いに勝つ、どのように闘うのですか、それを聞かせてください。
>そして勝てる戦いなのかもついでに聞かせてください。

という縄文ビトさんの問いに僕は現在のところ答えることはできません。まだまだ暗中模索の状態です。


「政教一致」の問題ですが、『週刊新潮』2005.07.28号に”「創価学会員」の嫌がらせを招いた、民主「永田代議士」の国会発言”と題して次のような記事が載っています。


≪与党暮らしもすでに長く、我が世の春を謳歌する公明党。そこへ飛び出したのが”支持団体”の「住民票移動」疑惑に触れた民主党・永田寿康代藏±(35)の国会発言。以来、永田氏は創価学会員による”嫌がらせ”を受けるようになってしまった……。

 その発言があったのは、7月8日に開かれた衆議院倫理選挙特別委員会のこと。
 この日は与野党が提出した政治資金規正法改正案についての審議が行われたのだが、質問に立った永田氏は、
「最近は公明党という党にがっかりだ、期待外れだという声があがっている」
 と述べ、先ごろ行われた郵政関連法案の衆議院での採決について、公明党が7月3日に行われる都議選の後にするよう図ったことを指摘した上で、
「これは公明党の発言ではありませんが、もし解散するとしたら日付は10月3日以降だろうと。というのは、公明党の支持団体の方々の住民票が東京都に移されている疑念があって、これをそれぞれの選挙区に戻すには3ヵ月かかるから(中略)。これを私は真実だとは思っていませんよ。思っていないけれども、実際にこういうことを言う人もいるんですよ」
 と発言したのだ。
 これに対して公明党は、自民党を巻き込んで、その日のうちに永田氏の懲罰動議を提出し、謝罪と議事録からの削除を要求。その後、公明新聞や聖教新聞でも、
<「票移動」は荒唐無稽な妄言>
<この議員は「暴言男」で有名だ>
<ウソならば、天下に詫びろ!>
 と、永田氏への総攻撃を始めたのである。

 聖教新聞が自宅に!

 永田氏の言い分を聞いてみよう。
「政治資金規正法の改正は日歯連事件の反省に立って行われるのが当然だから、私は橋本龍太郎元首相の参考人招致を主張したのです。ですから話の趣旨は、参考人招致に公明党さんも協力してほしいということ。そこで、公明党は最近では選挙や政局だけにしか興味がないと思われているが、それでもいいんですか、と言うために、例の発言を一例として挙げたのですが、その一部だけを取り上げられてしまったのです」(外野 注:以下略)≫


最後に永田氏は「住民票移動については、たとえば01年に『赤旗』も報じているし、”疑念”の根拠はあります」と述べています。
この創価学会の「住民票移動」問題は20年も前から取り沙汰されているもので、たしか九州の地方都市ではその対策を条文化までしたところがあったと記憶します。

ともあれ、この件は宗教が政治に「関わる」ことの弊害を如実に物語る一例です。
政治団体に属し、いくら熱心に立候補者を応援しても、選挙の時に住民票まで移すということは滅多にない事例のように思われます。少なくとも、集団でやるようなことはまずないでしょう。
ところがそこに宗教が関わると、信心の強さに比例して容易に起こりうるような気がします。
そうすることがその宗教が望むものであり、またそれによって功徳が得られるとなれば(創価学会の特色として、この「現世利益」があげられます)、人のもっとも強い感情の一つである「不安」に働きかけることによって非論理的な、また現実に法的に問題があることも容易にそのハードルを超えてしまう状況になるように思います。
たとえば、「お墓参りに行かなければバチがあたります」という言葉に、人は論理的には有り得ないとわかっていてもどこかでわだかまりを残すものだと思いますが、宗教に関する不安というのは、こういう人間の一番弱いところをねらうような気がします。

僕は日本にとっても、また世界にとっても一番大事な時になぜこのようなカルト団体(創価学会)が与党に君臨し、しかも自民党まで裏で操作しているのかと日本の、また世界の運の悪さを考えていて、ふと小泉純一郎が首相になったのと同じように(これも日本にとっては最悪の人事であったといえます)、創価学会=公明党の与党への進出は、アメリカの意向なのではないか、最悪の運は「運」ではなく、もしかしたらそれによって自国の利益となるアメリカの意図されたコントロールによるものなのではないかとちょっと疑念を抱いた次第です。

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