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(回答先: Re: この投稿を読んで治安上は「無防備」そのものだった「古き良き時代」を思い出す。 投稿者 gataro 日時 2005 年 9 月 30 日 10:10:47)
昔は安全だったのでしょうか・・?
上の表は、昭和21年から平成8年における、年次別殺人と強盗の発生件数です。
http://hakusyo1.moj.go.jp/nss/list_body?NSS_BKID=38&NSS_LEVSTR=3_1_1_0_0
たぶんgataroさんと小生はほぼ同年代、西岸良平氏の「三丁目の夕日」など、読むたびにジンワリ涙が浮かんでくる年代ではないでしょうか。(笑)
ところでこの表によると、戦後の強盗の発生件数は昭和23年の10,854件が最高で、平成14年の発生件数(6984件)の倍近いです。
ただこれはまだ戦後まもなくの時期で、貧しさから強盗に走ったということでしょうね。
ところが、「もう戦後ではない」と経済白書にうたわれ、いよいよ日本も貧しさから脱した感がある1956年(昭和31年)を見てみると、5285件。
これはちょうど、「三丁目の夕日」で一平君が泥んこまみれになって遊んでいた、われわれにとって「古きよき時代」のことです。
直近のデータ(平成14年6984件)よりもわずかに少ないですが、当時と現在の人口比を勘案すれば、恐るべき多さです。
ちなみに殺人については、昭和31年の認知件数2617件、平成14年で1396件、強姦は昭和39年の6857件に対し、平成14年2357件。
http://www.moj.go.jp/HOUSO/2003/table.html#h01
こういったデータは、ある犯罪の種類だけとりあげて論じると誤解が生じる恐れがあるのですが、それにしても我々が「古きよき時代」と懐古する時代が、今と比べて少しも安全ではなかったことがわかります。
しかしながら、人々は今よりはるかに(犯罪に対し)無防備でした。
これはすなわち、当時の人々が現在に生きる我々と比べ、如何に危機管理能力が欠如していたかを物語っております。
当時は現在のようにインターネットもなかったし、情報媒体もその質と量において、格段に貧弱だった。
それだから我々の意識が現実に存在した危険性と乖離し、「昔はよかった」となる。
昔は安全だったのではなく、ただ人々がナイーブだったんですね・・。
もっとも、戦後もっとも犯罪が少なかった時期と比べると、最近の犯罪発生件数の上昇は恐るべきものがあります。
強盗が平成元年の1586件に対し、平成14年の6984件。
「古きよき時代」は、ほんの数年前だったようです・・。