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(回答先: 日本の高校生の90%以上は進化論を授業で学ばない! 投稿者 たけ(tk) 日時 2005 年 8 月 31 日 12:21:39)
そもそも日本の学校で教える「生物学」は基本的に「分類学」と「形態学」
これは生物だけではなく、化学でも物理でも言えることですが、日本の就学や高校で「そもそも科学的な方法論とは何か」を教えていません。
米国や英国の教科書には、この科学の方法論、実験の進め方と分析の方法、その記述方法など、研究する際の基本姿勢として貫かねばならない理念が、やはりきちんと書かれています。(英国の場合はGCSEやGCEといった試験に必ず実験レポートの作成が課せられる。)
もちろん各学校でそれがどこまで正確に教えられているのか、どれほどの生徒が理解できているのかには問題がありますが、やはり科学の生まれてきた場だな、という気がします。
米国の、日本で言えば中学2年に当たる学年の理科の教科書では、難しい表現は使っていませんが、ダーウィンの伝記、ガラパゴス諸島で何を観察し何に気付き、どのように調査・分析してその結果どう結論を出したのか、そしてその問題点は何であり、歴史的にどのようにダーウィン説の欠陥が乗り越えられてきたのか、が、かなりのページを割いて書かれています。メンデルについても同様です。(学校によって使う教科書が異なるかもしれませんが、私が知っているものではそうです。)
伝統的に頑迷なキリスト教徒を多く抱えているだけに科学者側も必死なのでしょうが、それにしても日本の理科の教科書は少々お粗末です。
レベルが高いか低いか、は、一概に知識量や技術的な優位だけではなく(知識量と技術は絶対に必要ですが)、むしろその基本理念がどこまで徹底されているのか、にかかってくるように思います。日本の理科と社会科の勉強は以前から「博物学」の傾向が強かったように思いますが、特に生物では「分類」と「形態」が中心で、ずいぶんとイメージが異なります。明治時代にそれこそ「和魂洋才」で欧米科学の「才」だけを引き写して、それをほとんど修正していないせいでしょう。「和魂」が近代科学よりも優れた理念と方法論を伴ったものであればよかったのでしょうが・・・。
もちろん近代科学の方法論がすべてなのかどうか、は分かりませんが、現在のところこれに代わるよりすぐれた方法論の存在が証明されていない以上、その理念と方法論は理科の教科書にはきちんと貫かれているべきでしょう。