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(回答先: 職場から 石綿建材を売っていました 企業の責任は重いと思う 【桜木 明】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 8 月 29 日 06:06:05)
2005年 8月22日 (月) 20:09
【マニラ22日共同】1992年にフィリピンに返還されたスービック米海軍基地(ルソン島)で就労し、アスベスト(石綿)による健康被害を受けたとして、フィリピン人男性2人が22日、アスベスト製造の米企業24社を相手取り損害賠償を求める訴えを近く米国の法廷に起こすと発表した。
ほか9人が提訴を準備中。同様の被害を訴える基地関連の元労働者は約1000人に上るとしており、大規模訴訟に発展する可能性がある。
同基地跡地の環境問題に取り組む非政府組織(NGO)のメンバーと男性らが記者会見で明らかにした。米国の弁護士が2カ月以内にハワイかフィラデルフィアの法廷に提訴する。具体的な賠償請求額は示さなかったが、NGO代表者は1人当たり10万ドル(約1100万円)との見通しを示した。
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20050822/20050822a3990.html
▼基地従業員に肺疾患多発/アスベスト使用職種 『沖縄タイムス』
1950−80年代従事/肺がん死亡も複数
一九五〇―八〇年代の米軍基地で、アスベスト(石綿)が大量に使われ、取り扱い作業をした基地従業員に関連が疑われる肺疾患が多発していることが、二十七日までに関係者の証言で分かった。従業員らは防護服を着けず、紙マスクやタオルだけで石綿粉末などを扱う作業を約四十年間続けたという。在職中や退職後、肺がんで死亡した例もあり、石綿が原因の労働災害の可能性もある。元従業員の一人は「いつ発病するかと不安。被害の実態解明と因果関係の調査を国の責任でするべきだ」と訴えている。
五〇年代から九〇年代まで嘉手納基地に勤務した元従業員らによると、同基地では八〇年代後半まで、兵舎の給湯用の蒸気式ボイラーを覆う保温・断熱材に、飛散性の石綿が大量に使われていた。
ボイラーのメカニック(修理工)として常時約三十人が勤務。蒸気式のボイラー本体に石綿のブロックを巻きつけたほか、石綿の粉末をしっくい状に練り、すき間を塗り固めるなどの作業を繰り返した。
数十棟の兵舎に二基ずつあるボイラーの補修などで、ほぼ毎日石綿を使用。作業時には紙マスクとタオルだけを装着し、防護服などはなかった。海兵隊などのほかの基地内でも、同じ作業が行われていたという。
七五年当時の嘉手納基地での作業従事者二十九人のうち、現在までに少なくとも四分の一の七人が死亡。肺がんが原因の人も複数含まれている。
ほかに、少なくとも四人がエックス線写真などで肺に異常が確認され、そのうち二人は喫煙や飲酒の習慣がないという。明確に中皮腫や肺がんと診断された人はいないが、当事者らは石綿との関連を疑い、不安を訴えている。
約四十年間作業に従事した本島中部の男性(65)は「メリケン粉のような感覚で扱っていた。作業後はまゆ毛や鼻の穴、爪の中まで真っ白のアスベストまみれだった」と証言。「危険だと分かってからも、業務命令で作業から逃れられなかった」と話した。(社会部・田嶋正雄)
◇ ◇ ◇
発病拡大、今後に不安/対策後手 行政の責任大
県内の米軍基地でアスベスト(石綿)が大量に使われ、当時の基地従業員らが無防備な状態で作業を強いられていたことが明らかになった。
証言では、元従業員らは長期にわたり、相当量の石綿繊維を吸い込んだと推測され、被害が深刻化する恐れもある。石綿に起因する中皮腫などの疾患は、発症まで平均四十年かかるともいわれており、被害が今後、顕在化するとみられる。
一九八五年、石綿の危険性を知った元従業員らは全駐労を通し、県や国などに職場の環境改善などを要請した。しかし、対策は何も取られないまま、代替設備に入れ替わる九〇年ごろまで、アスベスト暴露は続いた。対策を怠った行政の責任は厳しく問われなければならない。
米海軍横須賀基地(神奈川県)では、従業員が二〇〇二年から〇五年までの三次にわたる裁判で国から賠償金約七億一千六百万円を勝ち取り、このうち米軍が約二億円の負担を決めた。
労災認定を受けた同基地の元従業員にはボイラーマンも含まれており、沖縄とほぼ同じ作業をしていたとみられる。県内でも今後、労災申請が増えるのは間違いない。
元従業員らは嘉手納基地以外でも多くの米軍施設で同じ作業が行われていた、と口をそろえる。石綿工場や大きな取り扱い企業がない沖縄で、米軍基地が最も深刻な石綿の汚染源だった可能性は十分ある。
石綿使用のボイラーを扱った従業員はすでに全員が定年などで退職し、六十―七十代の高齢を迎えている。各省庁がアスベスト対策に本腰で取り組もうとする今こそ、行政には早急な実態解明と被害者の救済が求められる。(社会部・田嶋正雄)
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200508281300_01.html
体中に「死の粉塵」/元作業員、健康不良訴え 『沖縄タイムス』
「アスベストまみれの職場だった。今思えば、恐ろしくて身震いする」。読谷村に住む元基地従業員の松田昌一さん(68)は、四十年以上働いた職場の様子を青ざめた表情で振り返った。危険性を知らされないまま、劣悪な環境で長年繰り返した石綿作業。健康被害を知り、同僚らとともに危険性を県や国に訴えたが、行政は動かなかった。同僚を亡くし、自らも体調不良に苦しむ松田さんは「なぜ対策が遅れたのか。悔しい」と怒りをにじませた。
松田さんは一九五六年、十九歳で嘉手納基地の軍雇用員となり、九七年の定年退職までボイラー補修などに従事した。
農業飼料などと同じ大きさの紙袋に入ったアスベストパウダー(石綿粉末)を無造作にドラム缶に移すたび、白い粉塵が勢いよく舞い上がり、窓のない部屋に充満した。紙袋には、英語で「アスベスト85%」と表示されていた。
作業の際、装着するのは紙マスクとタオルだけで、防護服を着けたことはなかった。
しっくいのように練った石綿をボイラーに塗り付け、保温と断熱のための覆いを作っていく作業では、一日中ボイラー室にこもり、昼食も室内で食べた。作業服には石綿繊維が付着し、顔や体も「アスベストまみれ」だった。
七〇年代半ばごろ、使用可能なボイラーを代替設備に交換するよう指示されることが増えたことで、異変に気付いた。同じころ、海外で石綿による健康被害が相次いでいることを知った。松田さんらは八〇年代、毎週のミーティングで、監督者に健康不安を訴え、作業拒否などの姿勢を示したが、待遇は変わらなかった。
松田さんらはその後も、業務命令で石綿を扱う作業を続けさせられた。「拒否すれば解雇だった」という。
定年退職を控えた十年前、職場の健康診断で肺に陰影が見つかった。目の前が真っ暗になった。検査の結果、明確な診断はなく、自宅療養で経過を見ることに。同僚に話すと「俺も同じだ」と打ち明ける人が何人もいた。
退職後、地域健診で再び肺の陰影を指摘されたが、その後「結果が怖くて」病院には行っていない。疲れやすく、時々呼吸の苦しさも感じるという。
にわかに動きだした行政の石綿対策に、松田さんは「もっと早く取り組むべきだった。自分たちは捨てられたような気がする」と悔しさを感じている。
▼被害 早急に把握を
肺がんや中皮腫に詳しい国立病院機構沖縄病院(宜野湾市)の石川清司院長の話 肺がんか中皮腫かの診断は難しく、迷うケースもかなりある。検査体制が未整備だった九〇年代前半までは、正確な診断ができなかった事例もあるかもしれない。石綿関連での肺がんは多いとみられるが、研究は進んでいない。県内の被害の全体像を早急に把握する必要がある。中皮腫の場合、九割は石綿が原因。罹患率は肺がんの百分の一だが、治療困難な例が多い。日本は規制が遅かった分、これからがピークで、県内でも増えると予想される。
[ことば]
石綿による近隣暴露 石綿を扱う工場周辺に居住し飛散する石綿を吸うなどして罹患すること。建設作業従事者など仕事での石綿吸引が要因の職業性暴露や、夫が仕事などで石綿を扱い妻が洗濯時に衣服に付着した石綿繊維を吸い込むなどして罹患する家族暴露とは区別される。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200508281300_02.html
▼横須賀基地の石綿被害訴訟、米軍が約2億円の賠償分担 『朝日新聞』
2005年08月21日10時01分
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の日本人元従業員らが、米軍の石綿(アスベスト)粉じん対策が不十分でじん肺になったとして国に損害賠償を求めた訴訟で、原告に支払われた賠償金約7億1600万円のうち約1億9400万円を米側が分担することで合意したことが分かった。基地被害に絡む集団訴訟で、米軍が日米地位協定に基づいて多額の損害賠償を負担するのは異例という。
アスベスト訴訟では、02年10月に元従業員9人に計約1億9500万円の損害賠償金の支払いを国に命ずる横浜地裁横須賀支部の判決が確定。2次訴訟は04年11月に21人に計約3億500万円、3次訴訟は今年5月に11人に計約2億1600万円を国が支払う内容の和解が成立した。1次訴訟の賠償金を含め、国がすでに全額を原告に支払っている。
1次訴訟で原告になったほかの3人については東京高裁の控訴審判決で時効を理由に敗訴したが、判決は「安全配慮対策を十分行わなかったのは米軍の不法行為」と認定した。
在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の18条は1966年の改定で、米軍の不法行為を原因とする従業員の事故に対する賠償について、日米両国に責任がある場合、両国が均等に負担すると定めている。
このため防衛施設庁は昨年12月と今年6月、2次と3次の原告のうち、地位協定が改定された66年以降に当たる26人分の賠償金について、半額の約1億9400万円を在日米軍司令部に請求。7月に同司令部から全額の支払いに同意する文書が届いたという。
米軍基地に勤務する日本人従業員は、国が雇用し、米軍が使用者となる。元従業員らの大半は60〜70年代に同基地内の艦船修理所で造船工やボイラーマンとして勤務。アスベストは艦船の断熱材や防火材として使われていたという。
地位協定に基づく米軍への賠償金の多額請求は、3次にわたる米軍横田基地(東京都)の騒音訴訟で原告住民に支払われた過去の損害賠償金計約8億8000万円についての日米分担割合の協議が難航している。外務省などは米側に分担を求めているが、同基地をめぐる騒音訴訟のなかで、米側は「米軍機の飛行は日米地位協定の賠償金分担規定に該当しない」という考えを示している。
http://www.asahi.com/special/asbestos/TKY200508200215.html