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「自分嫌い」な子供たち 中学生の半数以上 心の意識調査
「疲れる」7割、「キレるかも」5割
中学生の半数以上が「自分が好きではない」ととらえ、小中学生の七割近くが疲労感を、さらに五割近くが「自分はいつかキレるかもしれない」と感じていることが、民間の教育研究団体「麻布台学校教育研究所」(原崎茂所長)が実施した「今子供たちの心の中では」と題した小中学生の意識調査で十七日分かった。山口県光市の高校爆発事件や東京都板橋区の社員寮管理人夫婦殺害事件など、各地で児童生徒による殺傷事件が相次ぎ、そのたびに「命の大切さ」や「心の教育」が繰り返し叫ばれるが、同研究所では調査結果から、子供たちが「自分が好き」という自己肯定感をはぐくむ大切さを訴えている。
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調査は今年一月から二月にかけて都内や神奈川県、神戸市の小学五年生四百人と中学二年生六百五十四人の合計千五十四人に実施。思春期の子供の「心の中」に迫った調査は珍しい。
「自分が好きではない」と回答したのは小学生が男子23%、女子31%。中学生は男子50%、女子63%で、中学生の半数以上が自己肯定感を持てないでいることがうかがえた。
「疲れる」と思うことがある子供は、小学生が男子67%、女子70%、中学生は男子66%で女子は87%だった。「自分はいつかキレてしまうかも」と思ったことがあるのは小学生が男子50%、女子が54%、中学生は男子36%、女子が54%だった。
女子小学生で「疲れる」と「キレるかも」と答えた児童の関係をみると、「とても疲れる」と答えた子供の70%が「キレるかも」と答え、逆に「全然疲れない」という子供は38%。こうした傾向は小中学生共通で、疲労感を持つ子供ほど「キレるかも」と自覚する割合が高かった。
また、自己肯定感とその他の回答との関係では、小中学生共通して、自分を肯定的にとらえている子供ほど、そうでない子供に比べ、「目標を持っている」「自分には良いところがある」「自分はクラスの中で役に立っている」「家庭内で助け合っている」などの質問への回答が高い傾向がうかがえた。
調査結果について同研究所は、「『疲れた』『キレるかも』の多さは意外だった。自分が嫌いという回答の多さも中学生が反抗期や思春期であることを踏まえても、気になる結果だ。個々の児童生徒は実に多様で、一律に論じにくい面は無論あるが、今回の調査では子供が自らたくましく生きていくうえで礎となる自己肯定感について興味深い結果も得られたと思う。自分が好きだと素直に思える気持ちを養う教育者や親の心がけは、大変重要ではないか」と話しており、子供が自己肯定感をはぐくむうえで(1)将来への夢や目標、希望をもてるか(2)自分の長所への自覚があるか(3)自分の存在が他人のために役立っていること−の三つが大きな要素となると分析している。
麻布台学校教育研究所は、小中高校の退職校長や現職教員、教育委員会の元職員らが昭和五十八年に設立した教育研究団体。学校教育をめぐり提言をしている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/18iti001.htm