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(回答先: 都会の死角 自転車事故編 <下> 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 7 月 02 日 01:25:48)
都会の死角 自転車事故編<読者の声>
自転車対歩行者の交通事故が急増する現状などについて考えた「都会の死角/自転車事故編」(六月二十九−七月一日付掲載)には、読者の皆さんから八十件を超える意見や体験が寄せられた。歩道で後ろから自転車に衝突されたり、猛スピードですり抜けられたりする恐怖を訴える高齢者の声が多かった一方、自転車が軽視されてきた道路行政にも批判が集まった。
千葉県木更津市の女性(63)は六月三日夜、歩道を歩いていて後ろから男子高校生の自転車にはねられた。右ひざ骨折などで三週間の入院。無灯火で携帯電話のメールをしながら乗っていたらしい。「あのときの恐怖は忘れられない」と女性は振り返る。
歩道で後ろから音もなくすり抜けていく自転車。「いつもビクビクしながら後ろに気を付けている」という大田区の伊東トク江さん(80)は、歩行者が優先されるはずの歩道で「自転車が来ると、立ち止まって通り過ぎるのを待つ」という。
歩行者に自転車の接近を知らせる方法として「ベルによる警告音は非常に有効」(川崎市多摩区の男性)との意見もあったが、耳の不自由な人が歩いている場合もある。
「耳が遠い」という大田区の女性(71)は、西新宿の広い歩道を歩いていたら、後ろから来た自転車の中年女性に「よけなきゃ危ない」と怒鳴られた。中年女性はベルを鳴らしていたという。この難聴の女性は「後ろを振り返りながら歩かなければならない」と訴える。
千葉県船橋市の長崎明彦さん(47)は「自転車が歩行者をすり抜ける際、謝るのはほとんどが歩行者。日本人はいつから『ちょっと失礼』『すいません』が言えなくなったのか」と、相手への配慮を欠いた現状を指摘。
港区の内藤治郎さん(56)も「自転車のベルに追い立てられたお年寄りが、車道に身をかわして道を譲る光景を見たことがある。こんなことがまかり通っていたら、社会の規範が失われる」と憤る。
一方、自転車の利用者からは、車を優先してきた道路政策によって自転車道の整備が進まず、歩道を“間借り”しなければならない現状に不満が相次いだ。
高校生らを対象にサイクリングクラブを運営していた埼玉県熊谷市の藤本繁さん(67)は、自転車が歩道を通行できるようになった一九七八年以降にクラブを解散した。
「パトカーに『歩道を走りなさい』などと言われたりして、(快適に)走る場所を失った。歩道は自転車が走るようにはできていない」と説明。自転車の楽しさや快適さを生かすような道路政策の乏しさを残念がる。
東京都の女性(22)は「自転車は車道から締め出され、歩道から追い出され、文句を言われ続けてきた。欧米のように専用道の整備が急務。行政の責任だと思う」。
買い物などで三十年近く自転車に乗る大田区の女性(68)も「車、自転車、歩行者を分けている道路はほとんどない。歩道でも、(商店の)商品が突き出ていたり、車が停車していたりして、ますます狭くなっている」と、事故が起きやすい環境を憂える。
自転車の事故を減らすには「教育が大切」という意見も複数あった。
川崎市幸区の女性は「自転車の乗り方はほとんどの場合、親が子に自己流で教えている。(自転車に対する)安全教育は、明らかに機会も内容も不足している」。小学生の子を持つ女性(40)も「子どもが自転車で出かけるとき事故に遭わないかいつも心配」だが「学校でも自転車教室はない」という。
このほか、無灯火の自転車が多いという指摘や、歩道では「歩行者優先」などを分かりやすくペイントしてほしいという意見も。道路、交通行政に真剣な取り組みを求める内容も目立った。
文・森川清志
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20050708/mng_____thatu___000.shtml