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(回答先: 都会の死角 回転扉事故初公判 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 25 日 10:42:35)
「安全対策、先送り」検察指摘 六本木ヒルズ回転ドア事故初公判
鉄板で覆われた、事故のあった回転ドア=24日午後、東京・六本木ヒルズで
東京都港区の六本木ヒルズで04年3月、小学校に入学直前に溝川涼君(当時6)が大型自動回転ドアに挟まれて死亡した事故の初公判が24日、東京地裁であり、業務上過失致死罪に問われた森ビル元常務・多田雄三被告(62)ら3人は起訴事実を大筋で認めた。検察側は冒頭陳述で、回転ドアメーカーと設置したビルの設計部門、管理・運用部門それぞれの責任者がいずれも同種の事故の教訓を生かさず、安全対策を先送りした経緯を浮き彫りにした。
●森ビルの元常務ら、罪状認める
ほかの2人は森ビル元部長・香山行宏被告(48)とドア製造販売元「三和タジマ」元取締役の久保久暢被告(62)。
冒頭陳述によると、01年春、東京・恵比寿のデパートで、女児らが回転する戸の端の部分と入り口の柱の間に手足を挟まれてけがをする事故が連続3件発生した。
三和タジマの久保元取締役は、恵比寿では(1)閉まる間際に人が進入しないための防護さくの設置(2)スポンジゴムの緩衝材を付ける――という抜本的対策を実施。しかし、六本木ヒルズの場合には03年春に開業したのにこうした安全策をいずれもとらなかった。
しかし、その六本木ヒルズでも事故は続いた。03年12月7日に女児が頭と足を挟まれて頭を11針縫うけがをした。ビルの管理・運用を担当していた森ビルの香山元部長は重大事故と認識し、三和タジマ側は恵比寿で使った防護さくを示した。
しかし、森ビルの設計本部は「デザインが不適当」と退けた。香山元部長は設計本部の責任者だった多田元常務に社長に報告するよう申し入れたが、元常務は「対応策を詰めてからにする」などとして対応しなかった。デザインの検討期限も明確にせず、当面の対策も検討・指示しなかった。久保元取締役も「デザインを重視する森ビルに嫌われたくなかった」と供述。安全対策よりデザインを優先した結果が事故を招いた形になった。
●新規設置、ほぼゼロ
04年3月の死亡事故発生後、六本木ヒルズの回転ドアは次々と姿を消した。大型9台、小型40台が都内随一の人気スポットを彩っていたが、現在は全く使われていない。死亡事故があった1台だけは周囲を鉄板で覆って保存し、ほかはスライド式自動ドアに変わった。森ビル広報部は「安全が確認されないかぎり、回転ドアを再び採用する予定はない」と話す。
国土交通省によると、事故当時、全国で大型自動回転ドア(直径3メートル以上)は計469台あったが、今年2月15日現在、うち112台が撤去され、128台が回転を止めている。
国交、経済産業両省は事故後の04年、対策のガイドラインをまとめた。(1)子ども連れ、高齢者、障害者などの利用に配慮し、ほかの形式のドアも併設する(2)回転がすぐ止まるようにし、防護さくの設置など多重の安全対策をとる(3)衝突防止のため、ドア外周部の最大回転速度を毎秒65センチ以下に制限する――などだ。
現在も動く回転ドアはこのガイドラインが適用されるが、国交省によると、死亡事故後の大型自動回転ドアの新規設置はほとんどない。死亡事故が起きた回転ドアの製造販売元「三和タジマ」(東京都豊島区)も事故以来、新たに回転ドアは製造していない。ガイドラインに沿い、軽量化を念頭に置いた新型回転ドアの開発を進めている。
http://www.asahi.com/paper/national.html