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(回答先: 最初の覇権国スペインはなぜ進歩から取り残されたか？東京裁判史観は日本を滅ぼす為の精神破壊工作である 投稿者 TORA 日時 2005 年 6 月 08 日 15:13:17)
西尾幹二のオツムを疑う「自虐国家スペイン→自虐国家日本」論のデタラメ
１６世紀〜１９世紀のスペインはハブスブルグやブルボンの「出先王家」に支配された、言ってみれば「欧州内植民地」であり、さらにローマ教会の世界進出の道具であり、アメリカ大陸・アジア・アフリカ侵略の手先としてこき使われて、用事が済めばゴミのように捨てられた。
構成する民族間の対立と険しい山脈で区切られた地域同士の不一致の激しさ、構成人員の大多数である貧農をさらにギリギリまで搾り取る貴族と王族、教会の坊主ども、「進歩」「発展」などにおおよそ興味を示さないマドリッドの官僚、・・・。「太陽の沈まない大スペイン帝国」など、そもそもがハブスブルグ家の自画自賛に過ぎない。
アンダルシアに地平線まで広がるオリーブのプランテーションは、スペインという地域がヨーロッパ中央の植民地であったことを物語る。中南米などの植民地から略奪した金銀財宝は、セビージャ、マドリッドを経て欧州各地に散っていき、イベリア半島には石造りの建物だけを廃墟のように残した。はっきりいって、最初からそのように作られていたのだ。「国家経営」などほとんど存在しなかった、と言って過言ではない。
スペイン人【注：主に多数派民族であるカスティーリャ人】に課せられた役割は、中南米各地でそこから上がる富を欧州に送り出す地域ボスとして振舞うことだった。彼らは多くがイベリア半島で食い詰めた浪人たちであり、豊かなイスラム帝国を破壊し資源と農地の地味を枯渇させ、イベリア半島を半砂漠状態にしたキリスト教徒たちの最悪の尖兵たちだった。【注：自然破壊、砂漠化など今に始まったことではない。】
現在でも、中南米各国の支配階層はほぼ間違いなくスペイン系の白人だ。彼らは絶対的な権力・ゆるぎない搾取構造を数百年間維持している。あの「社会主義」キューバでさえそうである。政治家はもちろん、例えばスポーツを見ても選手は黒人で監督はスペイン系の白人だ。そして中南米の地域ボスによる支配システムを強力にサポートしているのがローマ・カトリックでありマルタ騎士団などのその裏組織、そして現在ではその地域ボスによる支配構造を利用して米国が中南米を自分の「庭」にしている。またカトリック勢力はそれをエサにして米国を操りその権力中枢に入り込んでいる。
確かに「スペインによる残虐な中南米支配」をプロパガンダ的に広めたのは、テメエの植民地を広げようとする英国とオランダのたくらみだった。やつらが世界中で行ったことはハブスブルグ・スペインと変わりなかった。そしてハブスブルグとその跡を奪い取ったブルボン王朝にとって、イベリア半島の国の運命などどうでもよかったのだ。しょせんは初めから「中央ヨーロッパの世界侵略の手先」でしかなかったのである。彼らは「自虐史観」などとは無縁の存在だ。
ヨーロッパで英国に続いて産業革命を起こした地域に、フランス、オランダ、プロシアと並んでカタルーニャがある。カタルーニャ人たちは現在でも「自分たちはカタルーニャ人であってスペイン人ではない」という強い誇りを持っている。搾り取ることしか頭にないマドリッドの王家と貴族寡頭政治、頑として変化を受け入れない官僚体制に反発したこの少数民族【注：かつては西地中海を制覇したアラゴン王国の末裔】が、イベリア半島で最初に近代的な社会を創っていった。何がスペインの近代化を遅らせたのか、この事実からだけでも一目瞭然だろう。
英国やオランダなどの後進植民帝国を悪く言う余りに、スペインの没落を「自虐史観」のせいにするのはデタラメとしか言いようのない認識である。
そもそも憲法などといった統一された法体系すらもたなかった中世以来の政治区域、ロクに国家経営など考えてもなかったこのイベリア半島の地域と、明治以降の、一応憲法を持ち一応近代国家の形を整えた日本という国家とを同列に置いた上で、「植民地での残虐行為を非難するプロパガンダによって自虐史観を植えつけられた」などとする西尾幹二氏の知的レベルを疑う。
日本の「自虐史観」を論じたければ、こんなデタラメな認識を元にすべきではない。逆に米欧ユダヤ支配勢力の卑劣で巧みな意図を覆い隠すだけに終わってしまう。（これが裁判資料で使われるのだから、救いようがない。こんな程度の知識人しかいないのか。）
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