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(回答先: 「アングロサクソンは人間を不幸にする─アメリカ型資本主義の正体─」ビル・トッテン著 投稿者 外野 日時 2005 年 5 月 01 日 00:11:21)
ケ小平、中曽根、レーガン、サッチャーの罪が今後益々問われることになろう。
>「アメリカの巨額の富は、その制度がもたらした自然な不可避の成果であり、その当然の結果として一握りの人間の利益のために、その他大勢の人間が徹底的な搾取を受けることになった。こうして生まれたアメリカの富裕階級は、当然の結果を否応なしにつくり出すプロセスから生まれた、必然的なものの一つにすぎない。その結果として、巨額の富の加速度的集中化と並んで、財産を奪われ搾取された多数の無産階級が生まれた。
> 富裕と貧困は本質的に同じ原因から生じる。どちらも一方的に非難されるべきではなく、重要なことは、なぜ富裕と貧困が存在するのか、そしてどうすればそうした不条理な差をなくすことができるのかを見定めることである」
中国の改革解放の正体もまさにそれである。
> このような事実は、建国の未成熟期にのみ起こった不幸な出来事ではない。土地や金融を握>った資本家たちがますます肥え太り、実際に富の生産に携わっている多くの労働者が不当な抑>圧に苦しんでいる現実は、巧妙に形を変えていまなお続いているのである。
> それでも、まだ古きよきアメリカには、最下層の人間が努力と知恵でチャンスをつかむ「ア>メリカン・ドリーム」が存在した。しかし、一九九〇年代に入ると、それさえほとんど絶望的>な状況になってきた。
中国では、未だに義務教育無料化がなされず、予算は地方の医療・教育より軍事費と海外援助に優先的に回される。
> アメリカの株式市場の好景気は一握りのアメリカ人に巨富をもたらしたが、大半の国民には
>ほとんど、あるいは何ももたらしてはいない。歴史的にも高い一五パーセントという年利なら
>投資は五年で倍増する。最近でこそ、ナスダックのインターネット関連株の下落など調整局面>が出ているが、九〇年代を通してアメリカの株式市場は好調を続けてきた。
> S&P五〇〇(スタンダード・アンド・プアーズ社五〇〇種平均株価)は、一九八三〜一九九>五年の累計で、配当金の再投資分も含め、五八二パーセントの収益を上げた。しかしその同時>期、アメリカ人家庭の資産は中央値で一一パーセントも減少したのである。
> しかし実際のところ、株価の高騰は大半のアメリカ人には無関係である。一九九五年のデー>タによると、四〇パーセントの家庭が直接、あるいは間接的に株を所有しているという。これ>は一九八九年の三二パーセントに比べると大幅な増加であるが、依然として全国民の半数以下>であることに変わりはない。
> 一九九五年に五〇〇〇ドル以上の株を所有する家庭は、全体の三分の一未満であった(二九>パーセント)。家庭が所有する株およびミューチュアル・ファンド(投資信託商品)の合計金>額のほぼ九〇パーセントは、最上位一〇パーセントの家庭が所有していた。また、《表3》を>見てもらえばわかるように、株式市場の一九八九〜一九九七年の株価上昇分の八六パーセント>が最上位一〇パーセント、四二パーセントは最上位一パーセントの家庭に渡っているのだ。
> 富を浪費する裕福なアメリカ人が急噌
> 一九九二〜一九九五年の間、もっとも裕福なアメリカ人家庭五〇万世帯(最上位○・五パー>セントの家庭)は資産を一兆六〇〇〇億ドル増やした。
>しかし、考えてみてほしい。アメリカの総人口は約二億八○○○万人で、ゲイツの資産はその四五パーセント、つまり一億一二六〇万人のアメリカ国民の資産の合計を上回る。では社会に対するゲイツの貢献度は、一億一二六〇万人分を上回っているだろうか。この富豪リストにはマイクロソフトの三人が含まれるが、彼らが富豪になったのは同社の独占戦略および相続によるものである。現在、その独占が裁かれ、マイクロソフトは分割されようとしている。しかし、そのことを差し引いても、アメリカ社会は社会への貢献度に応じて報われる社会であるとよく言われるにもかかわらず、実際は独占違反者や社会の寄生虫のほうが他の一般労働者よりも多く報われる社会なのである。
> 最上位一パーセントの家庭の富が急増する一方で、大半のアメリカ人の暮らし向きは現状維持か、あるいは以前よりも悪くなっていながら、仕事はきつくなっている。一九七〇年代以降、最上位一パーセントの家庭は、それ以外のアメリカ人を犠牲にして、国富に占める彼らの富の割合を倍増させてきたのである。
> 平均的労働者の収入はインフレ分を調整するとニクソン政権時代よりも減少している。多くのアメリカ人の労働時間が長くなりながら、生活水準の維持や学費の捻出のための借金が増えているのも当然のことだろう。
> 多くのアメリカ人が将来に備えて資産を築くどころではない。その日暮らしもままならない状況にあるのだ。富裕者は長期にわたる株式の上げ相場が終わるのを心配しているかもしれないが、かたや労働者は一九七三年の所得レベルに戻るのに必死である。一九九八年の平均的労働者の時間給は一九七三年に比べインフレ調整済みで六・二パーセント低く、週給では一二パーセント低かった。農業を除く全産業の生産性は、同時期に約三三パーセント増加している。
> 一九七三年から減少した累積賃金を取り戻すことはできないだろう。ましてやそれによって失われた潜在投資など決して取り戻せない。
> 最低賃金(時給)は貧困レベルの賃金となった。インフレ調整済みで、一九九八年の最低賃金五・一五ドルは、一九七九年の最低賃金六・三九ドルよりも一九パーセント低い。最低賃金は、かつては正社員の労働者一人を含む三人家族に公式の貧困レベル以上の生活を保障するものであったが、現在の最低賃金で貧困レベルを保障できるのは正社員労働者一人と子供一人の二人家族だけである。
> 低賃金しか稼げない労働者の割合は増加する一方だ。四人家族を貧困線の上へ引き上げるだけの収人が得られない正社員は、一九七三年には二三・五パーセントであったが、一九九七年には二八・六パーセントに増加している。
> 貧困率を見ると、一九九一年三月に公式に不況が終わったとされているとはとても考えられない。世界でもっとも豊かな国に、貧困線以下の子供が五人に一人いる。現在よりも貧困の指標がより現実に近かった一九七三年には、その割合は七人に一人であった。
> 賃金の低下と貧富の差の拡大によってとりわけ打撃を受けたのは、世帯主三〇歳未満の若い家庭である。両親揃った若い家族の貧困率は一九七三〜一九九四年に倍増した。「一九七三〜一九九四年の経済成長の成果を全家庭が等しく共有していれば、子供を持つ家庭の所得の中央値はインフレ調整済みで、三三パーセントの減少ではなく一五パーセントの増加を見ていただろう」と児童保護基金は述べている。
>なぜ、これほど一般労働者の実質賃金が低下してしまったのか。答えは簡単である。企業が労働者から不当にカネを奪っているからである。企業が労働者から奪ったカネは経営者の手に渡っている。《表9》は『ビジネスウィーク』誌の調査した賃金格差である。それによると、一九八○年に平均的CEO(最高経営責任者)は工場労働者の四二倍の収入を得ていたが、一九九七年には三二六倍になった。
>この事実が、アメリカの現状をすべて表している。金持ちが、貧しい労働者が本来取るべき取り分を自分のものにして肥え太り、貧しい労働者は社会の富の生産に貢献しているにもかかわらず搾取され、ますます貧しくなっているのだ。
>アメリカ国内では一般労働者の賃金が低迷し、また海外ではロシアやアジアで経済危機があったにもかかわらず、アメリカ経済は成長を続けている。それはアメリカ人家庭が借金を増加させて消費を維持してきたからだ。その一方で、多くのアメリカ人家庭と国家経済の長期的健全性は著しく犠牲になっている。
>持続不可能なほどの借金の増加は景気回復の土台を蝕むと同時に、景気下降の影響を増幅させる危険性がある。金利の上昇は新たに借金をした家庭を苦しめる。失業率がわずかに増えただけでも、不良債権、個人の破産、担保差し押さえの大幅な増加をもたらすかもしれない。
>借金の増加のほとんどは、賃金が伸び悩む一方で生活費が増加していることによるが、なかには融資先のしつこい勧誘や無責任な融資が発端になっているものもある。また、手の届かない高額な消費の追求を文化として促進しているために、アメリカ人家庭はさらに惜金を増やしているのかもしれない。
>物質的なものを購入することで、感情的、肉体的、精神的欲求をすべて満たすよう奨励する広告があふれている。しかし、生活費を上昇させ借金を奨励する銀行や企業に、家庭の借金レベル上昇の責任があることを示す証拠はたくさんある。
>資産の減少と借金の増加の結果、破産審査裁判所を利用するアメリカ人の数は過去最高となった。一九九〇年に七一万八〇〇〇人だった個人破産は、一九九八年には一四〇万人と倍増した。個人の申請は一九九七〜一九九八年に三・六パーセント上昇したが、企業の倒産申請は一七パーセント減少し、四万四〇〇〇件となった。
>貧富の差の拡大は、自然現象によるものではなく、二〇年以上にわたり賃金労働者を犠牲にして資産所有者を富ませてきた公的政策や民間企業の行動が生んだ結果である。そこには、資本の勝利と労働への裏切りがあった。経済的勝者は家や車、貯蓄のみならず、それ以外にも莫大な資産を持つ人々であり、一方の経済的敗者の身を守るものは、給与や政府の社会保障しかない。
>税制、貿易政策、政府の歳出や規制すべてが、富裕層を優遇する方向に傾いている。他の国も技術革新や世界的競争を経験しているが、貧富の差の劇的な拡大は起こっていない。アメリカでは富と政治的影響が緊密に絡み合って、最上位の富裕者を優遇する政策がつくり上げられてきたのだ。
>富は政治的権力に直接つながる傾向が強い。富を持つ人々は選挙資金やロビー活動を通じて、政策が自分たちに有利になるよう影響を与えるだけではなく、政策そのものの策定を行なう。事実、アメリカの上院議員の三分の一以上が億万長者である。
>資産蓄積のための政策こそが、ホームステッド法(五年間定住した西部の入植者に公有地を一六〇エーカー<約六五ヘクタール>ずつ無償で与えることを決めた一八六二年の連邦立法)から、二〇世紀半ばの復員兵援護法(復員兵に対する大学教育資金や住宅資金の給付、年金補助を定めたもの)まで、常にアメリカ史の中核をなしてきたのである。
>アメリカ政府は、資産蓄積の助けをまったく必要としない人々に寛大な援助の手を差し伸べて>いる。税制の抜け道や現金、公的資源へのアクセス支援などを合わせると、連邦政府から企業>に対して推定一二五〇億ドルの補助金が与えられている。こうした間違った「企業に対する福>利」が大企業や富裕者を富ませているのである。
上記文章は、まさにソ連崩壊前後のソ連・ロシアや国鉄分割民営化の日本、改革解放後の中国のことを言っているのかと思えるものだ。この30年間日米中ではほぼ同時に同じようなことが起きているように見える。ソ連崩壊は富裕者・大企業による一種の詐欺であった。
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