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(回答先: 教科書検定:イラクへの自衛隊派遣も 政府見解強調に修正 (毎日新聞) 投稿者 彗星 日時 2005 年 4 月 06 日 06:59:26)
沖縄戦の簡略化進む/姿消した「殉国美談」
文部科学省は五日、来春から使用される中学校教科書の検定結果を公表した。検定結果が公表された中学教科書の歴史分野で、沖縄戦での日本兵による住民虐殺に関する記述が八社平均で前回検定時と比較して約半分になるなど内容の削除や簡略化が目立った。沖縄戦の「風化」がさらに進んでいる。一方、従来問題になっていた沖縄戦を美化するような表現はなかった。公民分野では、複数の会社が沖縄の地図と在沖米軍基地の所在地を掲載し、沖縄の過重な基地負担を紹介。しかし、基地問題への言及が全くない会社もあった。
前回二〇〇一年の検定時の歴史教科書でひめゆり学徒隊を「勇敢に戦った」と紹介し、戦争を美化する表現が批判された扶桑社版の教科書は、こうした内容を削除した。
しかし、沖縄戦の記述を二行強(六十四字)にとどめるなど、沖縄関連の内容を簡略化。死者数の記述では「日本軍の死者約九万四千人、一般住民の死者も約九万四千人を出す」とし、兵士と一般住民の死者数を八社で唯一、同数と扱った。
歴史教科書の沖縄戦の記述では、前回の検定で八社のうち五社が住民虐殺に触れていたが、今回は二社。県民の死者数が軍人を上回ったという沖縄戦の特徴についても、正確に表現したのは二社にとどまった。
一九五二年四月のサンフランシスコ講和条約発効で、沖縄が本土から切り離されたことに言及していない教科書も一社あった。
日米安保体制や基地問題への言及がある公民教科書では、沖縄に全国の基地の75%が集中している実態を四社が紹介。「冷戦後の課題」という特集で、沖縄の基地負担について「本土全体で受け入れる努力が大切だ」と記述した会社もあった。
一方で沖縄の基地問題に全く言及しない教科書も三社あった。
日米安全保障条約については「沖縄などでは米軍基地を維持しつづける理由も問い直されている」(清水書院)とする会社がある一方、「わが国だけでなく東アジア地域の平和と安全の維持に大きな役割を果たしている」(扶桑社)として、安保条約下での日米協力に伴う沖縄の基地負担を是認するような表現も見られた。
研究者ら風化を危惧/実態を隠す意図・責任あいまいに
沖縄戦に関する記述の削減が目立った中学校の歴史教科書。教科書に詳しい研究者らは「戦争責任をあいまいにしようとしている」「沖縄戦の実態を消そうとするもの」と批判した。
高校日本史の副読本「琉球・沖縄史」著者で、中学校歴史の副読本「沖縄県の歴史と文化」を監修した高校教諭の新城俊昭さんは「住民虐殺は沖縄戦の特徴であり、記述が削られていることに危惧の念を感じる。沖縄戦研究の新しい成果を取り入れる工夫がほしかった」と教科書における“風化”を懸念する。
「今年は戦後六十周年で十五年戦争とは何だったのかを問い直すべき時期だが、戦争責任をあいまいにしようとしている姿勢がうかがえる」と危機感を募らせた。
現場の教師に対しては「教科書を補完する工夫をしないといけない」と指摘。「教科書を作る側に、沖縄からもっと意見を発信すべきではないか」との考えも示した。
教科書の編集者を三十年間務めた沖縄平和ネットワーク学習部会長の鈴木龍治さん(68)は「新しい歴史教科書をつくる会のキャンペーンなどで各社が教育委員会の動向に敏感になり、波風を立てる記述を避けるようになった」と分析。「採択されなければ元も子もないという意識がどうしても働く」と指摘した。
兵士と一般住民の死者数を同数とした教科書については、「国が有事法制の整備を進める中で、兵士が住民を盾に使った実態を消したいという意思の表れだ」と批判した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200504061300_02.html
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