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教科書検定:
イラクへの自衛隊派遣も 政府見解強調に修正
5日公表された中学校の教科書検定結果では、歴史や領土問題だけでなく、イラクへの自衛隊派遣やODA(政府開発援助)、夫婦別姓に至るまで、さまざまな検定意見が文部科学省側から付けられていたことがわかった。イラクへの自衛隊派遣については「非戦闘地域に(派遣された)」と政府見解を強調するような表現に修正され、検定を合格した。【千代崎聖史】
「04年2月には戦後初めて戦地であるイラクに自衛隊が派遣された」。当初、日本書籍新社の申請本にはイラクのことを「戦地」と書いてあった。写真説明にも「戦地イラクに派遣された陸上自衛隊」と記述されていた。これに対し文科省から「自衛隊による戦後復興支援について誤解するおそれのある表現である」との検定意見が付いた。その結果、本文は「イラクの中の『非戦闘地域』に、戦後初めて04年2月から自衛隊が派遣された」と修正され、写真説明は「イラクの戦後復興のために派遣された陸上自衛隊」となってようやく合格した。
担当編集者は「安保条約に関係なく、イラク特措法でイラクに自衛隊を派遣しているという政府見解を記述させたいという意図を感じた」と振り返る。
また、日本のODAのあり方について、教育出版の申請本が「金額の面では評価が高いのですが、巨大なプロジェクトが多く、現地の人の必要性に適合しているのかについて批判もありました。ODAには国民の貴重な税金が使われているということを忘れてはいけません」とした記述に、「ODA大綱の改定を行ったことに配慮されておらず、その問題点のみを特別に強調しすぎている」と意見が付いた。修正後は「現在ではより効果的な援助が行われるようになってきています」との一文が加わった。
自民党が導入に消極的な夫婦別姓について触れた東京書籍の申請本は「結婚しても以前の姓のままでよいとする夫婦別姓を採用すべきではないかという意見があり、現在その方法が検討されています」と記されていた。これには「夫婦別姓が『採用』され、民法に明記されるかのような誤解の恐れがある」と検定意見が付き、結局、夫婦別姓の記述は全部削除された。現在使用されている同社の教科書には夫婦別姓のことが掲載されているが、文科省は「現在は改正に向けた動きが止まっている。前回検定時とは社会情勢が変わった」と説明する。
◇吉永さんエッセー、ハリポタ ユニーク教材も続々
人気映画や漫画、流行語などユニークな「教材」も続々と採用された。
86年から原爆詩集の朗読を続けてきた女優、吉永小百合さんの書き下ろしエッセー「語り継ぐもの」が、教育出版の国語教科書(3年)に掲載された。吉永さんは「とてもうれしく思います。生徒たちが勉強する過程で、私たちの生きる地球から核兵器が無くなり本当の平和が訪れるよう、みんなで考えてほしいと願っております」とコメントした。
また、同社の国語教科書には、毎日新聞が掲載している「日本のスイッチ」をプロデュースした慶応大の佐藤雅彦教授のマンガ作品「プチ哲学」を各学年の扉部分に載せた。「言葉の力と思考力の育成」(編集者)を目指して積極的に新規教材を採用したという。
英語では、記録的なヒットとなった宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」、漫画やテレビ・映画で子供たちに人気の「ワンピース」、映画「ハリー・ポッターと賢者の石」などに関する紹介が、一部の教科書に登場した。
社会科の公民教科書では、若年層で増加する「フリーター」をほぼ全社が取り上げた。技術・家庭では、携帯電話やパソコン、インターネットに関する記述が大幅に増え、「ワン切り」といった新語や架空(不正)請求への対処、個人情報の漏出防止やチャットでの中傷の禁止など、情報モラルやネット社会の新たな問題点にページが割かれた。
毎日新聞 2005年4月6日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050406k0000m040153000c.html
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