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9条2項を全面改正 自民、新憲法起草委要綱
自民党の新憲法起草委員会(委員長・森前首相)は4日、4月末にまとめる森委員長試案のもとになる「要綱」をまとめた。最大の焦点の9条は、2項を全面改正し、「自衛のために自衛軍を保持する」と明記した。集団的自衛権の行使は、条文には盛り込まず、憲法の解釈として容認する。ただ、天皇を元首と位置づけるかどうかなど、両論併記にとどまった部分も多く、当初、条文化を予定していた森試案は要綱の形にとどまることになった。(石黒正彦、鶴岡正寛)
●条文化は先送りに
要綱は前文、天皇、安全保障などテーマ別に設けた10の小委員会が、それぞれまとめた。憲法改正を巡っては、4月中旬に衆参両院の憲法調査会が最終報告書を公表するが、与野党の幅広い合意を得るため、明確な方向性は打ち出せない見通し。
改憲を党是とする自民党の要綱が、今後の憲法論議の実質的なたたき台となりそうだが、改憲容認の民主、公明両党も性急な議論には慎重で、議論が一気に加速する気配はない。
「戦争放棄」をうたった9条1項については、「平和主義の原則が不変のものであることを盛り込む」としたが、現在の文言は修正する方向。「積極的に国際社会の平和に向けて努力する」との趣旨を新たに加えるほか、「自衛軍は国際の平和と安定に寄与することができる」として国際貢献を明記。自衛軍に対する首相の最高指揮権と文民統制に関する規定を盛り込むとした。
現在の憲法解釈では行使できないとされている集団的自衛権については、憲法を改正して明文化すべきだとの意見もあったが、行使に慎重な政治勢力との将来の連携も視野に、あえて明記は見送った。その代わり、憲法解釈で行使を認め、その要件などは安全保障基本法で別途、定めるとした。
前文では、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という現憲法の基本理念を継承する一方、「日本の国土、自然、歴史、文化」を盛り込むとした。「(日本国民が)国民統合の象徴たる天皇と共に歴史を刻んできた」として、「天皇」にも言及した。現行憲法の前文は翻訳調として、国民が主体的に定める自主憲法であることを宣言すべきだとしている。
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◆要綱の骨子
・初めて国民が主体的に憲法を定めることを前文で宣言
・象徴天皇制は維持。「元首」明記は両論
・自衛のために自衛軍を保持する。自衛軍は国際の平和と安定に寄与
・青少年健全育成に悪影響を与える有害情報、図書の出版・販売は法律で制限されうる
・「義務」より緩やかな訓示規定として、国防や社会的費用負担、家庭保護などの「責務」を導入
・知る権利や個人情報保護権、環境権などを新設
・憲法改正の国会発議は、「各議院の総議員の過半数の賛成」に緩和
折々のうた 大岡信
爪(つめ)を嵌(は)む。「何の曲をか弾き給(たま)ふ。」
「あらず汝(な)が目を引き掻(か)かむとす」
森鴎外(もり・おうがい)
『沙羅(さら)の木』(大四)所収。森鴎外は小説や評論などのほか短歌でも「観潮楼歌会」を開いて新しい短歌運動にも貢献するなど、大きな関心を寄せた。自身も『うた日記』や『沙羅の木』で短歌をたくさん発表する。右は「我(わが)百首」中の一首だが、短編小説のような短歌だ。爪は琴を演奏する爪。続く男女の会話は予想外の場面転換を演ずる。短歌を作りながら、数多くの小説的場面を想像して、楽しんでいたのではなかろうか。
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