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(回答先: 学校を浸食する警視庁【これが石原の心の東京革命なんですね】 投稿者 happyblue 日時 2005 年 2 月 17 日 22:10:40)
先ほど転載した毎日新聞の連載記事「中学生は今:“問題校“と呼ばれて」
の前編1,2を見つけたので送ります。
これを読むと、単純に警察の介入弾劾とも言いにくいものを感じます。とても暗澹たる気分になるのですが、しかし警察が介入することが解決につながるとは思えません。
かつて学校が“荒れた”時代から、子供への管理は強まって、多くの学校では荒れ
る元気もなくて引きこもる子供が多くなっていることを考えると、こういう形で
も爆発する子供たちがいると言うことの持っている意味を、考えて行かなくては
ならないと思います。
現場はとても大変だと思いますが、やはり先生を大量に異動したり警察にまかせるよう
なやり方が解決につながるとは思えません。
ではどうしたらいいのか? まず子供たちに全力で向き合えるような余裕のある環境を先生たちに保障すべきなのではないかと思いました。
@中学生は今:“問題校”と呼ばれて/1 長い一日 生徒逮捕に電話殺到 /東
京(毎日新聞)
半年間で生徒14人が逮捕された都内の区立中学校がある−−。昨年11月、
一部の報道で、そんなニュースが流れた。「今の中学生は何を考えているのや
ら」「先生は何をしていたんだ」「地域自体が悪いんじゃないか」……街角の立ち
話で、学校の教室で、ネット上で、この学校についてさまざまな憶測や見方が語
られた。「問題のある学校」。そう呼ばれた中学校のこの1年と、いまを伝える。
昨年11月25日。
この区立中学校では、期末試験が行われていた。教室はどこも静かで、生徒が
鉛筆を走らせる音と、先生が席の間を歩く音だけが響いていた。
プルルル−−。午前9時40分。校長室の電話が鳴った。警視庁少年事件課か
らだった。「今からプレス発表します」「どの事件についてですか」「10月1
日の件です」
校長は「分かりました」と受話器を置いた。生徒の事件を、記者発表する前の
連絡。4月に赴任して3回目だった。気持ちは落ち着いていた。
午前10時半、近所の住民から「学校の前にテレビカメラがいる」と電話が入
る。校長室の窓から外を見ると、大型の中継車が止まっていた。
「これまでと違う」と思っていると、昼のテレビニュースで、見慣れた校舎の
映像とともに「○○区の中学校で半年間に14人逮捕」というアナウンサーの声が
響いた。「何なんだ! まとめて報道するのか」。校長は驚きながらも「全体保
護者会を開かなければいけない」と思っていた。
隣の職員室では、先生たちが「何でうちの学校が映されているの」「どういう
ことなんだ」と話していた。幸い、生徒たちは試験を終えて午前で下校。すぐ緊
急の職員の打ち合わせを開く。校長が「冷静にいつもどおり生徒に接しよう」
「対応は管理職に一元化して、学校が一体になろう」と呼びかけると、先生たち
はうなずいた。
その間も報道各社からは、次々と取材の電話が入る。「逮捕者が多いようだ
が、学校はどうなっているのか」「子どもたちの様子は」
対応した校長と教頭は「学校は落ち着いています」と繰り返した。「そんなは
ずはないでしょう」。記者たちの厳しい声を耳にしながら「今は落ち着いていま
す」というのが校長の本音だった。
夕方。区教委の指導室長から校長に電話が入る。区長は事態の報告を受けて一
言、「教委として最大限のすべき対応をしなさい」と指示していた。指導室長
は、校長に「協力を惜しまない」と伝えた。
== ◇ ==
殺人のような凶悪犯罪ではない少年事件は、発生から捜査・逮捕、最後の記者
発表までに時間がかかるケースが多い。11月下旬は、これまで続いた事件で逮
捕された生徒が、学校に戻ってきた時期でもあった。
「本当は、そっと見守っていてほしかった」と校長は話す。
ニュースの翌日も、学校の電話は鳴り続けた。「学校は何をやっているんだ」
と匿名の保護者、「学校は大丈夫なんですか」と来春入学予定の子どもの母親−−。
「本格的な立て直しをさらに進めるしかない」。長い一日を終え、校長は強く
決意した。【横山三加子】=つづく
………………………………………………………………………………………………………
◇この中学の生徒の逮捕事件(昨年)
発生日 内容 逮捕者 逮捕日
4・26 リンチ事件 3年女子3人 6・22
8・30 高校生暴行 3年男子3人 9・20〜10・5
9・16 リンチ事件 2年女子1人 10・18
9・29 バイク盗 3年男子1人 9・29
10・ 1 リンチ事件 2年女子1人 10・18〜11・23
3年女子3人
10・11 万引き 3年男子2人 11・ 5
毎日新聞 2005年2月15日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/archive/news/2005/02/15/20050215ddlk13040338000c.html
@中学生は今:“問題校”と呼ばれて/2 荒れる生徒 /東京(毎日新聞)
◇先生大量異動で激化
昨年6〜11月に、生徒延べ14人が逮捕された区立中学校。同校によると
02、03年度と、逮捕者は一人もいなかった。なぜ「荒れた」のか。
「始まりは03年5月のゴールデンウイーク明けだった」。保護者らは一致し
て言う。
2年生(当時)の教室で生徒の一部が騒ぎ、授業が成立しなくなった。先生へ
の反抗、教室からの抜け出し。十数人が中心だ。「その前年、厳しく管理するタ
イプの先生が複数赴任した。進級して反発するようになった」と原因を分析する
関係者もいる。
見かねたPTAは6月、校内パトロールを始めた。初日に保護者は絶句した。
廊下にお菓子の空き袋、たばこの吸い殻が落ちている。「子どもに勉強しろと
言ってきたが、それどころではない」
教室内では、生徒が何人もうろうろ歩いていた。先生の授業の声がさえぎられる。
ガラガラッ。ドアを開けて、生徒が教室を抜け出す。駆け寄った保護者は、大
きく息を吸い込み「戻りなさい!」。返ってきた言葉は「うるせぇな、オバサ
ン」。手を引いて教室に連れ戻した。すると「ガラッ」。別の教室から数人が抜
け出す、また連れ戻す。その繰り返しだった。
2学期。区から学校支援指導員が2人派遣された。教師を目指す20代後半の
若者が、先生の仕事を補う目的だ。
「まるで託児所だと思った」と指導員は言う。持ち込んだ携帯電話をリモコン
代わりに、特別教室のテレビをつけては授業を妨害する生徒。周囲も「どうせ授
業にならない」と、友だちとおしゃべりする。指導員は授業を邪魔する生徒の隣
に座って指導し、教室を抜け出す生徒を追いかけては話を聞いた。PTAと指導
員の支援で、3学期には授業が成立するようになった。
== ◇ ==
そして昨年春。校長、教頭はじめ、先生の半数の14人が異動した。「こんな
大量異動は、普通は考えられない」。関係者は口をそろえる。
4月の始業式の着任教師紹介の時、「お前なんか知らねぇよ」と、生徒席から
声が飛んだ。「この学校では、おれたちのほうが先輩だ」。赴任したばかりの校
長は、そう言われているように感じた。
「試し」。新しい先生を迎え、生徒は反応を見ようとする。受験を控えて多く
の3年生が落ち着く中、一部のいたずらがエスカレートした。
授業妨害や抜け出しが続発。授業中に非常ベルが鳴り響き、全生徒が1日2
回、体育館に避難した日もあった。
9月。廊下に転がった消火器の周りに、ピンク色の消火剤が飛び散っていた。
「誰の仕業だ!」。教師の問いに答える生徒はいない。先生たちは、しゃがんで
黙々と掃除をした。【横山三加子】=つづく
毎日新聞 2005年2月16日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/archive/news/2005/02/16/20050216ddlk13040140000c.html