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自民新憲法起草委:
ナショナリズム強調、懸念の声も
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050215k0000m010104000c.html
自民党の新憲法起草委員会は14日、党本部で前文に関する小委員会(中曽根康弘・小委員長)を開いた。現行憲法が「米国の押し付け」との観点から、敗戦で失われた伝統・文化や民族性を前文で打ち出すべきだとの意見が大勢を占め、ナショナリズムを強調する方向となった。新憲法の前文に、日本の独自性を示す「国柄」を盛り込むべきだと求めた昨年6月の党中間報告が背景にあるが、出席者からは「復古調は抑えてほしい」と行き過ぎをいさめる声も出た。
【松尾良】
会合では、現行憲法の前文が第三者的で「無国籍的だ」との観点から、「嫌悪感を覚える」「敗戦のわび証文」などの批判が続出。新憲法を「日本が独自につくる憲法」と明確に位置付けたうえで、「真の独立国家としての意思を示すべきだ」との認識でほぼ一致した。
前文で明示する「日本らしさ」に関しては、「日本の伝統文化は皇室を除いて考えられない」「天皇と国民が一体となって国づくりをするのが日本の心」など天皇制の明記を求める意見が多かった。しかし、時代をどこまでさかのぼるかで見解は分かれ、「縄文時代など天皇制以前を含めた価値観を示すべきだ」などの慎重意見もあった。
このほか、古今和歌集などの古典を参考に「春は桜、秋は紅葉」と四季折々の風情を尊んできた文化を反映させるべきだとの意見や、「愛国心や自己犠牲は日本の伝統文化の中で重要な概念だ」との指摘もあった。
日本の独自性に関しては、中曽根氏のシンクタンク・世界平和研究所がまとめた憲法改正試案は前文で「太平洋の波洗う美しい北東アジアの島々に歴代相承け」との文言を打ち出している。しかし、何を文化・伝統ととらえるかは、議員によって判断が分かれており、意見集約には時間を要しそうだ。
党内には、ナショナリズムを強く打ち出すことが「自民党の古い体質」を際立たせるのではないかとの懸念もあり、出席者からは「復古調は抑え、発展的な文章にしてほしい」との注文も付いた。同小委は3月中に新憲法草案の前文に関する素案を策定する。
毎日新聞 2005年2月14日 22時20分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050211ddm005010139000c.html
追跡・憲法:
「家族の保護」義務に−−自民小委で論点提示
自民党の新憲法起草委員会は10日、国民の権利と義務に関する小委員会の初会合を開き、船田元・委員長が国民に国防分野などで「新たな責務」を課すなどとした論点整理を提示した。ただ、民主、公明両党はこの責務には消極的で、自民党が11月に公表する改憲草案でどこまで踏み込むかが焦点となる。
船田氏は論点整理で(1)国防(2)社会保険などの社会的費用負担(3)家族の保護(4)生命倫理の尊重−−を新たな国民の責務として提示した。責務の概念は「あくまで努力規定」と説明した。また、現行憲法の「公共の福祉」の明確化▽表現の自由は青少年の健全育成に有害な情報提供を制限▽現行憲法の権利に加え、知る権利やプライバシー権、犯罪被害者の権利、環境権などを明示−−なども論点にする考えを示した。
初会合では委員から、「家庭に憲法が踏み込むのはいかがなものか」など個別の論点では異論も出された。
同党の昨年6月の論点整理は「個人主義が利己主義に変質し、家族や共同体の破壊につながった」と現行憲法への疑念を表明。3大義務のほか、家族を扶助する義務や国の防衛、非常事態での協力義務が提示された。ただ、民主党は「憲法は国に対する命令」と主張。公明党も慎重だ。
【松尾良】
毎日新聞 2005年2月11日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050215k0000m010116000c.html
自民新憲法起草委:
憲法裁早期設置に、最高裁など慎重意見
自民党の新憲法起草委員会は14日、司法に関する小委員会(森山真弓・小委員長)を党本部で開き、最高裁、法務省、日弁連から現行の司法制度の課題などについて意見聴取した。憲法判断を専門に行う憲法裁判所に関して「時の政権に左右されて不安定になる可能性があり、日本の現状に合わない」など早期設置に慎重意見が多く出された。
毎日新聞 2005年2月14日 23時57分