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露全土 25万人集会 年金生活者ら恩典廃止に抗議
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアで十二日、公共交通機関の無料利用など年金生活者らへの恩典廃止に反対する集会が全土で開かれ、内務省の集計によると、計二十五万人が参加、プーチン政権発足以来最大規模の街頭抗議行動となった。同政権は年金支給額引き上げなど沈静化策を打ち出すが、不満は軍人にまで拡大しており、当面、収拾は難しいとみられる。
同省によると、抗議集会は共産党など野党陣営が組織して、全国七十カ所で実施された。首都モスクワでも、氷点下の寒さの中、共産党や極右の自民党、改革派のヤブロコの支持者らが中心部の三カ所に陣取って別々に集会を開き、プーチン大統領退陣や内閣総辞職を求めて気勢を上げた。
街頭抗議行動はこの一月、年金生活者らの恩典を廃止して現金支給に切り替えるという社会保障改革が施行されたのを受け、一気に広がった。
公共交通機関の有料化に怒った高齢者らが首都の国際空港に通ずる幹線道路を数時間にわたり実力封鎖し大混乱を引き起こした抗議行動が各地に飛び火。薄給に不満を募らせる軍人や警官、ガソリン値上げに悲鳴を上げる輸送業界までがデモに合流するようになった。
政権側は、連日のように閣議や対策会議を招集して対応策を協議。最高で七割近くあった支持率の陰りを危惧(きぐ)した大統領は、年金生活者への現金支給額を早急に増やすよう直接命じ、関係閣僚をしかり飛ばす場面をテレビで放映させたほどで、官製の大統領支持集会を各地で開かせるなど沈静化に躍起となっている。
財政は主要輸出品の石油の高騰を背景に黒字に転じており、石油からもたらされる税収がこれから、社会安定目的で使われていくとみられる。抗議する側もそれを望んでおり、抗議行動が政権交代に直結する可能性は今のところ出ていない。
ただ、対応を誤れば、政権運営にも重大な影響が出かねないだけに、政権側は今後、一部の指導部が握る石油の利益を国民にある程度再分配せざるを得なくなりそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13int002.htm