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http://www.sankei.co.jp/news/morning/10pol001.htm
自信と苦悩 “迷走”小泉節 郵政改革、トーンダウンから一夜明け不退転
党内融和か 正面突破か
郵政民営化に邁進(まいしん)する小泉純一郎首相の言動に自信と苦悩が交錯している。三月中旬にこだわってきた民営化関連法案の提出時期を「別にこだわらない」とトーンダウンさせたかと思えば、九日の産経新聞のインタビューでは「(廃案は)小泉内閣の倒閣運動だ」と反対勢力を牽制(けんせい)した。支持率の下落傾向を受けた「反小泉」勢力の動きが活発化する中、相変わらず「ポスト小泉」の不在が首相の強気を裏付ける。解散カードを否定した首相は、政権の求心力をどう保つのか。(船津寛)
「理解不能。風邪引いてたからなあ」
首相が突然、民営化法案の提出時期に柔軟な姿勢を見せた八日夜、首相側近の一人は戸惑いの表情を隠さなかった。郵政民営化法案の提出時期を遅らせることは、自民党内の反対派を勢いづかせるばかりか、会期内の成立が危ぶまれる事態につながりかねないからだ。
しかし九日のインタビューでは一転、「(マスコミは)小泉政権ができたとき三カ月か半年しか持たないと言ってたじゃない。それがどうしてここまで持ってんの。レイムダック(政権末期の弱体化)なんて全然、想像してないね」と強気なところを見せた。
先の施政方針演説でも首相は「(郵政民営化の)実現は奇跡みたいなものだ。まさに正念場だ」と郵政民営化への並々ならぬ決意を表明。議場から「もっとほかにやることがあるだろう!」と痛烈なヤジが飛んでも演説の約一割を郵政関連に費やした。
「もう疲れたよ」
来秋の自民党総裁任期切れで首相退陣を公言する首相は、周囲から任期延長による続投の意思を問われ、こう言って否定した。先月中旬には、北朝鮮による拉致問題が膠着(こうちゃく)していることに業を煮やした首相が「辞意を漏らした」との怪情報が永田町を駆け巡った。
首相が弱気になる理由はいくつもある。首相の政権基盤ともいえる内閣支持率の長期下落傾向。先月三十日の支持率(フジテレビ「報道2001」調べ)は、就任以来最低の37%を記録、これを好機とばかりに党内の民営化反対の動きも勢いづいている。さらに内閣府が実施したインターネット調査でも「郵政民営化」の優先度は八位にとどまった。
そんな小泉首相が今、最も頼りにしているのが青木幹雄参院議員会長。代表質問で青木氏が「『おれについてこい』では通らない」といさめたのを聞いた首相は「青木さんは兄貴みたいだ」と漏らしたという。青木氏は周囲に「郵政は政局にしてはいけない」とクギを刺しているとされる。
しかし、党内融和を優先すれば、改革の旗は色あせ、正面突破すれば政局が流動化しかねない。当分、首相の苦悩は続きそうだ。
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■最近の小泉語録
・「疲れるけどね、総理大臣している間は仕方がない。総理辞めたら休むよ。辞めるまでは休めないね」(1月7日、記者団に体調を説明)
・「自分のことを棚に上げて、よく自民党のことばかり非難するなとあきれている面もある」(2月1日、共産党の組織活動費について記者団に)
・「こんな大きな画期的な改革は珍しい。コストも半減するし、高速道路の料金値下げも始まっている」(2月3日、衆院予算委員会で道路公団改革について自画自賛)
・「(郵政民営化関連法案の提出時期に)別にこだわらない。成立が目的だから、できるだけ早く提出するように協議を進めていく」(2月8日、記者団に)