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(回答先: 海老沢氏『顧問』でNHK改革は 反省見せず力温存(東京新聞特報) 投稿者 happyblue 日時 2005 年 1 月 30 日 00:40:45)
NHK泥沼 「生中継せず」発火点 言い訳に終始不信感 信頼回復の機会逸す
相次ぐ不祥事の責任をとってトップが入れ替わったNHKで、辞任した前会長が翌日に顧問に就任、その三日後には辞退するという迷走に、視聴者から抗議や批判が殺到。不祥事発覚以降、一連の流れの中で「信頼回復」の機会は何度もあったが、そのたびNHKは好機をつかみ損ねてきた。何が誤りだったか、どう対応すべきだったのか。企業危機管理の専門家はこうみる。(NHK問題取材班)
◆参考人招致
昨年九月九日、衆院総務委員会に海老沢勝二前会長らが参考人招致され、三時間の質疑が行われたが、海老沢前会長は「編集権の問題」として生中継せず二日後、四十分に短縮して放送した。
危機管理コンサルタント会社「リスク・ヘッジ」の田中辰巳代表は「もし生中継していれば、信頼回復の姿勢を視聴者のストライクゾーンに投げ込むことができた」と指摘。「問題が起きたときに隠すと、不信感とともに興味・関心も高まるものだ」として、この会長判断が問題拡大の発火点になったとみる。
◆特番で反論…
十二月十九日、信頼回復に向けた二時間十五分の特別番組「NHKに言いたい」を放送。海老沢前会長が生出演し、視聴者からの声や有識者の討論を交え、批判にこたえたはずだった。しかし「職を投げ出すときでなく改革に取り組むことが責務」と繰り返す発言などに視聴者から、さらに批判の声が高まった。
「受信料不払い表明が十万件を超えた時点で辞任表明すれば不払いが止まる可能性もあった。特番の時点ではすでに遅かったが、五十万件にならずに済んだかもしれない」と田中氏。
「言い訳や反論をしてはならなかった。ドラマ『西部警察』が収録中に事故を起こしたとき、制作者が『ファンを傷つけたわれわれに作る資格はない』と述べて制作を中止、ファンから支援の声が起きたのと対照的」と話す。
◆反省ない会見
一月二十五日の海老沢前会長の辞任会見では「デジタル放送普及に先導的役割を果たした」と自身の七年半の実績を強調、悔しさをにじませる一方、退職金や顧問への就任などに話が及ぶと言葉を濁し、二十分ほどで一方的に打ち切った。
「あの会見のキーワードは『不払いが大量に発生したのは残念だ』との発言で、これは『不払いがけしからん』ということを言外に言っている。浮気した亭主が『離婚に至ったのは残念』と言うのと同じでピントはずれ」と田中氏。そして「もし会見で退職金返上を表明、NHKのかじ取りを誤ったことを認めたならば、何らかの形でNHKに残り、すべてを失わずにすんだのではないか」とみる。
◆軽かった言葉
「クレームがこれほど大きな波になるとは思わなかった」「顧問を委嘱した判断自体は間違っていなかった」
橋本元一会長は二十八日、海老沢前会長、笠井鉄夫前副会長、関根昭義前専務理事の三人の顧問就任辞退を発表した会見で、こう述べた。
「前会長を顧問にするのは百人中百人がおかしいと思う。こうした発言自体が信用をなくすことに気づいていない」とリスクマネジメントコンサルタントの牛場靖彦氏はあきれる。
笠井氏は昨年十二月に受信料不払い急増について「思ったより少ない。予算の範囲で吸収できる」と述べて反発を買い、関根氏は制作費を詐取した元チーフプロデューサー逮捕時の会見で「われわれは被害者だ」と開き直った。
幹部の言葉について、牛場氏は「言い訳以外の何ものでもなく、日本語を正しく使う能力がないのかと疑わせる。NHKに求められているのは分かりやすい言葉で説明責任を果たすことで、別に難しくはないのだが、それが全くできていない」と指摘する。
◇
■雪印乳業や三菱自…危機管理に失敗
今回のNHKと同様、不祥事に際して消費者不在の対応で信用を失墜、存亡の危機に追い込まれた企業は過去にもある。
平成12年6月に発生した雪印乳業の集団食中毒事件。当時の石川哲郎社長は記者会見で、「辞任は考えていない」などと強弁。その揚げ句、「私は寝ていないんだ」と会見を打ち切ろうとした。
14年1月には子会社の雪印食品で牛肉偽装事件が発覚、雪印食品は解散に追い込まれた。
14年8月に発覚した日本ハム子会社の牛肉偽装事件。親会社の日本ハム役員の社内処分で創業者の大社義規会長(当時)は名誉会長に。結局、世間の批判で役職から退くことを余儀なくされた。
三菱自動車のクレーム隠し事件や、三菱ふそうトラック・バスによるデータ虚偽報告事件でも、トップの対応のまずさが傷口を広げ、消費者離れを引き起こした。
◇
■橋本会長、番組で陳謝
NHKは二十九日夜、広報番組「NHKの再生をめざして〜17年度改革予算から〜」を放送し、橋本元一会長が「昨年夏以来明らかになった一連の不祥事で視聴者の信頼を損なう事態になり、誠に申し訳ない」と視聴者に陳謝。また不祥事への対応と海老沢勝二前会長の顧問就任をめぐる混乱について「厳しいご批判をいただいた。これからも視聴者の声に真摯(しんし)に対応していきたい」と釈明した。
番組は三十分間で、橋本会長と永井多恵子副会長、進行役の森田美由紀アナウンサーの三人が出演し、来年度の新番組や信頼回復に向けた取り組み、受信料制度などについて説明した。NHKが国会での予算承認前に事業計画を視聴者に詳しく説明するのは極めて異例。NHK広報局によると、番組は同日、録画収録された。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/30iti001.htm