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「週刊文春」2005.03.31号
古賀誠センセイ「人権擁護法」旗振りの笑止千万
「安倍さんに近い若手からとにかく反対意見が相次ぎました。最後に古賀さんが『こんなに反対意見が多いのでは、与党人権懇に持ち帰りたい』と言うと、若手は『持ち帰って何を協議するんだ!』と反発。さすがの古賀さんもキレて、『与党人権懇が持ち込んだ法案ですよ。私の立場はどうなるんですか?私の人権を守らせてくれ!』と大声を上げたんです」(出席者)
コワモテで鳴らす古賀誠元幹事長がキレたのは、人権擁護法案の提出をめぐって開かれた、三月十八日の自民党法務部会・人権問題等調査会の合同会議でのこと。古賀氏は現在、与党人権問題懇話会座長及び自民党人権問題等調査会長として、人権擁護法案提出の旗振り役を務めている。
実は、この日、合同会議に先立ち、法案提出に慎重な安倍晋三幹事長代理と古賀氏が会談していた。
「『法案を国会に提出しなければ、四月の福岡補選で公明党の選挙協力が得られなくなる』と泣きつく古賀さんに対して、安倍さんは『言論の自由や政治家の信条にかかわる法案。強引に党内の議論を押さえ込むのは不可能だ』と、平行線だったといいます。創価学会を支持母体に持つ公明党は、永住外国人に地方選挙権を付与する法案を提出していて、人権擁護法案の成立にも熱心なんです」(政治部記者)
古賀氏に詳しいジャーナリストの森功氏が振り返る。
「二〇〇二年の福岡での補選のとき、自民党は古賀さんの盟友である野中広務氏に近い落下傘候補を立てたんですが、自民党の地元も反対していて、当初の形勢は非常に不利だった。それが、創価学会がバスをチャーターして全国から学会員を送り込んだ。地元のホテルも学会員でいっぱいになった。その結果、自民党候補は大勝利しました。
今回の法案が通れば、古賀さんと公明党とのパイプはより一層太いものとなる。だから古賀さんは、一生懸命なんでしょう」
この人権擁護法案、二〇〇三年にいったんは廃案となっているが、法案にメディア規制が盛り込まれるなど、官僚や政治家にとっては”伝家の宝刀”にもなりかねない悪法だ。
メディア規制に関する条文にはこうある。
<つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近において見張りをし、又はこれらの場所に押し掛けること>
こうした行為は人権侵害にあたり、人権擁護委員に訴えると、令状なしで出頭や立ち入り調査を求められ、協力しないと処罰される。
「これでは、どこかの敷地内にちょっとでも入ったら建造物侵入になる。夜回り取材もできなくなるということ。そうやって表現の自由を封じ込めるという意図が透けて見えます」(ジャーナリストの斎藤貴男氏)
上智大学の田島康彦教授もこう言う。
「メディア規制だけでなく、人権や差別といったキーワードについての定義も曖昧。しかも大問題なのが、公権力の人権侵害については、ごく最小限の規制にとどめていること。小手先の修正ではなく、根本から法案を作り直すべきです」
古賀氏といえば、道路公団問題の際に抵抗勢力のドンとして様々な裏工作を繰り広げてきた御仁。公共事業の発注などをめぐって業者との癒着を報じられたり、地元の右翼団体とのトラブルを大きく書き立てられたこともある。メディアにさんざん疑惑を指摘された人物が旗を振る人権擁護法案など、すぐさま白紙撤回するべきだ。