http://www.saga-s.co.jp/pub/hodo/sokuho/kitagata.html

杵島郡北方町の山林で１９８９年１月、女性３人の遺体が見つかった連続殺人事件で、時効直前の２００２年６月に逮捕され殺人罪に問われた同町出身、住所不定、無職松江輝彦被告（４２）の判決公判が１０日午後、佐賀地裁で開かれた。坂主勉裁判長は無罪(求刑は２件が死刑、１件が無期懲役）を言い渡した。

　判決で坂主裁判長は、最後に起きた吉野タツ代さん＝当時（３７）＝殺害事件を中心に遺体の状況などを詳細に検討した上で、犯罪の証明がないと結論づけ、他の２件についても無罪と判断した。

　松江被告は逮捕時から全面的に否認。弁護側は「捜査を時効が迫るまで放置し、不当に起訴を遅延させた」と批判した上で、「殺害と被告を結びつける証拠はない」と主張していた。

　裁判では、松江被告が事件発覚当時に書いた３人の殺害を認めたとされる自白上申書が争点になり、同地裁は昨年９月、「連日深夜に及ぶ違法な取り調べで作成された」として証拠不採用を決定。有罪立証の土台としていた検察側は、数少ない物証や状況証拠による立証を余儀なくされた。

　検察側は論告で、３人の遺体が同じ場所から投棄されているとして、同一犯を主張。殺害された３人のうち、松江被告が交際を認めた吉野タツ代さん＝当時（３７）＝に付着していた体液のＤＮＡやだ液の血液型が被告と一致▽被告の車内の遺留品と吉野さんの衣服の繊維が類似▽吉野さん失跡当時の被告のアリバイが変遷している−などを指摘していた。

一方、弁護側は最終弁論で、各被害者の失跡当時に被告が接触した証拠や、殺害する動機はないと強調。ミトコンドリアＤＮＡは鑑定法が不確立で、ほかの証拠も信用性に欠け、また犯行を裏付けるものではないと反論していた。

　【北方町連続女性殺人事件】

　１９８９年１月27日、杵島郡北方町の雑木林で女性３人の遺体が発見された。被害者は87年７月８日に失踪した武雄市の藤瀬澄子さん＝当時（48）＝、88年12月７日に失踪した北方町の中島清美さん＝当時（50）＝、89年１月25日に失踪した同町の吉野タツ代さん＝当時（37）。いずれも首を絞められたとみられ、県警は同一犯と断定。89年11月に松江被告がいったん殺害を認める自白上申書を書いたが「捜査員の誘導」と一転否認、事実上、捜査は中断。時効直前の２００２年６月に松江被告を逮捕した。検察側は藤瀬さん殺害で無期懲役、中島さんと吉野さん殺害で死刑を求刑していた。

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• 松江被告に無罪　北方町連続女性殺人　佐賀地裁判決 （西日本新聞） シジミ 2005/5/10 20:59:58 (1)
  • 北方事件は「佐賀7人連続殺人事件」の内の最後の事件である　―　「無限回廊」へリンク シジミ 2005/5/10 21:05:59 (0)

　

　

　

　

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