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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050430/mng_____sya_____007.shtml
【関連】 『おれの電車が脱線してもうたんや』
尼崎事故の車掌
尼崎JR脱線事故は二十九日、捜索終了を受け業務上過失致死傷容疑での本格的な捜査が始まった。速度超過の背景に“定時運行”への過剰な重圧がなかったのか。脱線のメカニズム解明とともに、JR西日本の刑事責任追及が焦点となる。「二度とこんな事故が起こらないように」。大型連休初日の晴れわたった空の下、現場には花束を抱えた人たちが次々と訪れ、祈りをささげた。
■気遣う妻に涙声で
「おれの電車が脱線してもうたんや」。兵庫県尼崎市のJR福知山線の脱線事故で、事故を起こした快速電車に乗務していた松下正俊車掌(42)は事故直後、携帯電話を通じて、悲しげな声で妻(38)に伝えた。
「けがは?」「腰を打った程度や」。「いつごろ帰れるの?」「もう一本、桜島線に乗らなあかんから」。それだけのやりとりで電話は切れた。
それ以後、夫は帰宅していない。警察の事情聴取もあるのだろう。それからは携帯電話のやりとりが二回ほど。「警察の言うことをきちんと聞いて。ちゃんとしいや」と励ますと、涙声で「うん」。
伊丹駅でのオーバーランを高見隆二郎運転士(23)=死亡=と短く口裏合わせしたことについて「何でそんなことしたん」と疑問をぶつけると、「厳しいやん。高見君が処分を受けてしまう」。
高見運転士とは、かつて天王寺車掌区で同じ車掌として働いた仲。昨年五月、京橋電車区で運転士と車掌として乗務するようになったのも「何かの縁」と感じていた。「言わんといてくれ」。そう頼まれたら、断れない。「なれ合い」があった。
それにしても、妻から見ても、夫の勤務は過酷だった。天王寺車掌区とは違って、運行区域は拡大した上、神戸、大阪、京都の大都市圏を縫う過密なダイヤ。
比較にならない乗降客と駅の多さで夫の神経はくたくただった。帰宅しても、すぐ横になり寝息を立てることが増えた。
上司から課される厳しい切符の売り上げノルマ。JR西日本を取り巻く経営環境が厳しいのは分かっている。それでも京橋に移ってからは、夫はずいぶん息苦しそうだ。「組合を通じて何か言うても聞き流すだけ。会社は冷たい」とこぼすのも聞いた。
百人以上の犠牲者を出した脱線事故。安全神話を誇る日本の鉄道会社としてはあってはならないことだ。自分の夫はその電車に車掌として乗務していた…。
一人一人の犠牲者におわびしなければならない気持ちは痛いほど感じている。「事故は絶対に起こしたらあかん。ゼロや」が口癖だった夫。「責任はかぶらなあかん」。そう思っているに違いない。
でも、大事なあの人がその重みに耐えることができるのか。自殺でもしたら…。「気落とさんと、頑張りや」。夫への携帯電話で努めて明るく振る舞った。「分かった」。夫はそう答えるだけだった。
【ワヤクチャ】
なんかこの車掌さんも可哀想な気がしてきました。
虚偽の報告をした事は事故とは関係が無いとは思いますが。
運転手にスピード出し過ぎだって言えなかったのかなと思います。
それほど遅れる事が恐怖だったのでしょう。
脱線の恐怖よりもその方が上だったのかと思います。