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(回答先: 地下鉄サリンきょう10年 信徒らの家族は語る (東京新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 3 月 20 日 13:38:18)
地下鉄サリン10年 癒えぬ傷、進まぬ支援 続く被害者の闘い
十二人が命を奪われ、五千五百人以上が負傷した未曾有の大事件、地下鉄サリン事件から二十日で丸十年。前日の十九日、被害者らは悲惨な事件の現場となった地下鉄の各駅を歩く「メモリアルウォーキング・ケア」に取り組んだり、シンポジウムで被害者支援を訴えた。
「メモリアルウォーキング・ケア」には、被害者約五十人や家族ら計約百人が参加。地下鉄・松本両サリン事件の被害者のケアを行うNPO法人「リカバリー・サポート・センター」(東京)が、「認知行動療法」と呼ばれる被害者ケアの一環として企画。医師や看護師も同行した。午前十時半に地下鉄日比谷線の小伝馬町駅を出発。四駅先の築地駅まで歩き、午後一時前に地下鉄で霞ケ関駅に移動。犠牲者が出た小伝馬町や霞ケ関の駅では、参加者が献花して手を合わせ冥福を祈った。
参加した被害者の平均年齢は六十歳ほどで、現在も目の異常やPTSD(心的外傷後ストレス障害)など後遺症に悩む人も多い。娘と手をつなぎながら歩いた四十代の女性は「霞ケ関駅で被害を受けて以降、目の痛みに悩まされたつらい十年でした。当時ゼロ歳だった娘も十歳になり、事件のことを教えることが社会勉強にもなると思い参加しました」と話していた。
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同センターと被害者の診断に取り組んできた井上眼科病院(東京都千代田区)の若倉雅登院長は「本来、被害者のケアはNPOに任されるような話ではなく、国や東京都の対応には問題があった。事件の教訓を生かすためにも、国は被害者に関する調査をすぐに行うべきだ」と苦言を呈す。
同センターが昨年十月に地下鉄・松本両サリン事件の被害者三百二十六人を対象に行った検診で「目が疲れやすい」と訴える人が75・4%に達した。若倉院長は「症状とサリンとの関連は究明されていないが、目の異常を感じると事件を思いだす人が多い」と話す。最近新たに、周囲が暗くなっても瞳孔がよく開かないという異常を持つ患者が見つかったという。
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同日午後からは、千代田区のプレスセンターホールで「あれから十年 地下鉄サリン事件の被害者は今?」と題したシンポジウムが開かれた。
シンポジウムでは、二〇〇一年の米中枢同時テロ後の被害者支援の状況などを紹介。昨夏に米国を視察した地下鉄事件の遺族、高橋シズヱさん(58)は「資金援助と長期にわたる医療支援の必要性を感じた。うらやましかった」と述べた。
霞ケ関駅助役だった夫の一正さん=当時(50)=を奪われたシズヱさん。百二十回以上傍聴し続けた麻原彰晃被告の裁判で、死刑を言い渡した昨年の東京地裁判決で何かが変わったという。
事件後美しいと思えなくなっていたサクラに、昨春、久しぶりに「きれい」と心を動かされた。「心のすみに追いやられた気持ちがよみがえってきたんでしょう」
だが、幹部らの公判の傍聴をやめる気はない。「無期懲役が確定した林郁夫受刑囚らが、出所しても本当に同じように遺族に謝罪できるか。それを見極めないと納得できません」。遺族らの闘いが終わることはない。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/20na1003.htm