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(回答先: NOといえるサラリーマン(Asahi.Com) ー内部告発したサラリーマンのお話 投稿者 ああ、やっぱり 日時 2005 年 2 月 18 日 00:40:47)
トラック運輸業界に不正があると内部告発したため約30年間にわたり仕事を取り上げられているとして、大手運輸会社「トナミ運輸」(富山県高岡市)の会社員串岡弘昭さん(58)=同市=が同社に謝罪と約5400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、富山地裁の永野圧彦裁判長は23日、原告の訴えを一部認め、会社側に約1360万円を支払うよう命じた。原告は控訴する方針。
判決理由で永野裁判長は「内部告発には公益性があり、処遇は報復だった」と述べた。
訴えによると、串岡さんは1973年、運賃水増しなどのヤミカルテルをやめるよう会社幹部に直訴。無視されたため74年7月、新聞社に情報提供した後、公正取引委員会などにも告発。
会社は75年10月、串岡さんを同県南砺市の教育研修所に異動させ、一人部屋に「隔離」。雑用ばかりで責任ある仕事はなく、昇格もなかった。
これに対し会社側は「勤務評価が低いため昇格などの対象にならなかった」と人事権の裁量の範囲内と主張。「隔離」についても92年6月に同県大門町の新教育研修所に移ったことで解消され、3年以上前のため民法上の時効も成立していると請求棄却を求めている。
串岡さんは2002年1月提訴。内部告発をめぐっては、通報者の不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法が成立、06年4月施行の見通し。
◇「もう何も怖くない」
「私は辞めない」。会社のため、社会のためと信じ、運輸業界の不正を告発したトナミ運輸の会社員串岡弘昭さん(58)。昇格なしの屈辱の30年間、信念を貫き通した。「もう何も怖くない」。澄み切った気持ちで23日の判決に臨んだ串岡さんは「不満はあるが、大筋で事実が認められ、評価したい」と苦しかった闘いを振り返った。
29歳から仕事らしい仕事はなかった。配属先の教育研修所では、3畳ほどの小部屋へ「隔離」され窓際族に。同期の社員が昇進し、管理職に就いてゆく中、「ここでくじけたら終わり」と気力を振り絞った。
2人の子供を授かり、将来の不安も募った。夫の社内での立場をおもんぱかった妻順子さん(56)は「会社を辞めて」と何度も頼んだ。「済まないと思う。でも辞めないで不当な処遇に対する抗議の意思を示したい」
「いずれは会社も姿勢を改めてくれると期待したが裏切られた」。若き日の正義感と怒りをどうしても捨てることができなかった。
判決を前に順子さんは「この30年、これで良かったんじゃない」と言ってくれた。串岡さんは「ありがとう」と心の中でつぶやいた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20050223/top_____detail__003.shtml