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(回答先: 天災 米の内面も直撃 ハリケーン被害 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 05 日 09:41:20)
被災した超大国・ハリケーン直撃)初動遅れ「人災だ」
【ニューオーリンズ=池田伸壹】大型ハリケーン「カトリーナ」が襲って5日で1週間を迎える米ルイジアナ州ニューオーリンズは、略奪などが報じられた「無秩序状態」から脱しつつある。予想できなかった自然災害が引き金とはいえ、唯一の超大国を自認する米国の大都市で、盗みや殺人、レイプなどが避難先などで起きたといわれる。政府は「生命と財産を守る」との国家の役割を果たせなかった印象を与え「悲劇を増幅させた」との批判が強い。
●孤立感、無秩序の引き金 行政への批判集中
略奪行為が目立ち始めたのは、29日に上陸したハリケーンが去った後の31日以降という。「見上げる空一面にヘリコプターがあった。ものすごい音だった。『助けに来てくれる』『せめて水や食料を届けてくれるだろう』と期待していたのに、こちらには近づきもしなかった」と被災者の一人は話す。絶望感が治安悪化の引き金になったという。
州警察の担当者は「水に流されかけている人たちの救助を最優先した。支援を必要としていた被災者たちの人数は把握できなかった」と説明する。住民の一人は「何でもいいから『いずれ救援が届く』とのメッセージが伝われば、治安もある程度は維持できたのではないか」と振り返る。
フットボール場スーパードームや国際会議場など市中心部には、多くの市民が集まっていた。堤防が決壊して市街地の約8割が冠水。中心部の浸水はさほど深刻ではなく、車や金がなくて逃げそびれた貧しい人など、数万人が殺到したといわれる。
治安対策で警察当局は会議場などに部隊を派遣したが、警察官も避難していて人員が足りず、効果は薄かったといわれる。市警の総勢約1500人のうち約200人が職場を放棄したと米紙は伝える。非常時対応の州兵も一部がイラク派遣されていたこともあり、初動の鈍さが指摘されている。批判は飛び交い「警察と消防、一握りの市民たちが救援活動をしていた最初の3日間、軍や州兵には目立った動きはなかった」(警察幹部)、「警察の機能低下は予想できなかった」(州兵幹部)とメディアは報じる。
被災者からは「市民を守るため、当局はもっと早く対応すべきだった。最終的な責任は大統領にあると思う」の声があがる。住宅地から救出された市民は「最初の数日は天災かもしれないが、その後4日間は人災だ」とAP通信に語った。
野外病院が設置された国際空港にも、市内の病院からヘリコプターで衰弱しきった患者が次々と運ばれた。3千〜5千人が緊急治療を受けたが、高齢者と病人ら約30人が死亡したとメディアは伝えた。「救援の初動がもっと早ければ命も救えたのに……」といわれる。
カトリーナ級の大型ハリケーンが直撃すれば、堤防の決壊で深刻な水害が起きるとの指摘は数年前からあった。自宅から避難した40歳代の男性は「イラクの戦争に使っているお金のほんの一部でも治水対策に回していれば、こんな惨事は回避できたのではないか」と話した。
http://www.asahi.com/paper/international.html