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(回答先: 米ハリケーン 『絶望的なSOS』 食料届かず餓死も 【東京新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 9 月 02 日 15:30:08)
米ハリケーン 廃虚と化したミシシッピ州ガルフポート
海上から浜辺に打ち上げられた、子供向けの遊戯施設=ミシシッピ州ガルフポートで1日、和田浩明写す
浜辺に打ち上げられた海上カジノ、流れ込んだ海水で破壊された家、根こそぎになった樹木−−。大型ハリケーン「カトリーナ」が襲った海辺の町ガルフポートでは1日午後(日本時間2日午前)も不気味な灰色の雨雲が覆っていた。一帯には腐敗臭が漂い、静寂を破るのは、上空を飛ぶ米軍ヘリの音だけ。「もう住めない」と嘆く人。「生まれた場所だから残る」と力を込める人。交錯する思いを胸に、住民たちは廃虚のただ中で生きていた。【ガルフポート(米ミシシッピ州南部)和田浩明】
「海岸一帯? 完全にやられているよ」。メキシコ湾岸に面したガルフポートにあるハリソン郡警察署のリード・ホッパーさんは、応急の被災地支援指揮所になった同郡裁判所でつぶやいた。周囲では、米連邦緊急事態管理局(FEMA)の職員や、全米から駆けつけた災害対応チームのメンバーらが慌ただしく活動中だ。
市内各所で、生存者の捜索、救出や、水や氷の配布が行われている。ミシシッピ州危機管理局のトッド・フライヤーさん(24)は「24時間態勢で動いている。取り残された年配者も多い」と語った。確認された死者は、ハリソン郡だけで56人。残っている住民の多くは備蓄食料に頼っており、商店の多くも閉まったままだ。電気、水道、ガスもストップ。復旧のめどは立っていない。
海岸から約300メートルの平屋の民家。吹き飛んだ屋根から小雨が降り込み、散乱した家具や衣服で足の踏み場もない居間で、バーバラ・ラングフォードさん(54)はぼうぜんとしていた。造園業から引退後、貯金で買った家だ。いったん避難したものの、気になって戻ったわが家は変わり果てていた。「もう、怖くて海辺には住めない」と涙をたたえた。2日にも親類のいるテキサス州ダラスに脱出するつもりだ。「ハリケーンからいつでも逃げられるよう、キャンピングカーに住もうかと思っています」と真顔でつぶやいた。
住民らによると、カトリーナが上陸した29日早朝前後から高潮による浸水が始まり、海岸沿いの数百メートルが冠水した。海辺に近い教会にいたコナー・ローリーさん(62)によると、同日未明に自宅で浸水が始まり、「4〜5分で胸まで上がってきた」という。
ホテルやカジノ、貨物の陸揚げ施設があった海岸地区。浜辺には貨物コンテナから流れ出した衣類や袋詰めの鶏肉などが打ち寄せられていた。海上に係留されていた子供向けの遊戯施設や船も打ち上げられ、原形をとどめないほどつぶれた自動車があちこちに転がっていた。
がれきの中を、近くの米空軍基地で働くフェリシア・スミスさん(42)一家が歩き回っていた。ジョージア州アトランタに避難したが、31日に戻ってきた。「どうなっているのか気になって仕方がなかった」。海に近い自宅は壁の一部が壊れていたが、「まだ住める状態だ」と言う。配給の飲料水と、保存していた食料で暮らしている。これからどうするのか、と問うと「ここは生まれ育った土地だもの。捨てられないわ」と笑顔が返ってきた。
(毎日新聞) - 9月2日17時22分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050902-00000013-maip-int