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宮城県周辺で起きた主な地震
http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200508160419.html
東北地方を襲った大揺れは、想定された大地震なのか。その予兆に過ぎないのか。「マグニチュード(M)7.2」という数字に、専門家の見方は割れている。
「想定していた地震なのか、前触れなのか」。宮城県沖では26〜42年間隔で、大地震が繰り返されてきた。前回は1978年でM7.4。政府の地震調査委員会は03年、30年以内に99%の確率でM7.5前後の地震が起こると発表した。今回の地震がこの想定地震かどうか。目下、地元の東北大学を始め地震学者らの最大の関心だ。
「まだ分からない。考え方としては、大ざっぱに3通りある」と松澤暢(とおる)東北大助教授は地震発生直後に語った。
一つは今回のが想定地震で、78年の地震以降の太平洋プレートの沈み込みに伴うひずみが解消されたとの見方だ。「プレート境界型」で、震源が想定震源域付近であることなどが根拠だ。前回から27年しかたっておらず、ひずみのたまり方がやや少なく規模がM7.2と小さかったとみる。
二つ目は、規模が小さかったのは想定震源の約半分が割れたためで、残りは割れ残ったとする見方だ。もしそうならば、同じような規模の地震がもう1回起こりうる。
三つ目は、想定地震と今回はまったく別もので、従来想定してきた宮城県沖地震は依然可能性が続くというものだ。
気象庁は16日夕の記者会見で、今回の震源域を示すと考えられる余震分布が、78年の宮城県沖地震の震源域と一部重なると発表した。関田康雄・地震情報企画官は「想定地震と今回の地震に何らかの関係があることは間違いない」としながらも、それ以上の明言は避けた。
一方、八木勇治・筑波大助教授は、世界各地で観測された地震波を使い、25秒間続いた地下の破壊の様子を再現した。その結果、今回の破壊は78年の宮城県沖地震の震源域の南端で発生し、さらに南の想定震源域外に進んだことが分かったと別もの説を主張する。
「78年の震源域のひずみは解消されず、むしろ増えたと考えられる」と警告する。
想定地震との関係は、17日開かれる政府の地震調査委員会で総合的に検討される見込みだ。
03年9月には北海道十勝沖地震(M8)が起きた。関東地方では、今年7月に千葉県北西部で地震(M6)が起きたばかり。日本列島は「活動期」に入ったのか。
日本地震学会の大竹政和会長は「関西では活動期が来たと言われることもあるが、日本列島全体で地震活動の活発化を明確に示す統計的なデータはない」という。
一度地震があると、周辺地域で地震が続くことはある。例えば北海道十勝沖地震では、発生後に地殻変動が周辺に広がるのが確認され、隣接する釧路沖での地震を誘発する可能性が指摘される。
ただ、溝上恵・東京大学名誉教授は「同じ時期に連続したからといって、離れた地域での地震を根拠なく関連づけるのは無理がある」という。